- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140815441
作品紹介・あらすじ
余り始めた住居や建物。外注化してきた暮らしの活動。室内に取り込まれてきた人の生活。
これからの、地域の豊かさとは何か。全国各地で「人がつながるしくみづくり」に携わる著者による、次世代の地域再生論。
感想・レビュー・書評
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人と人がつながるしくみをデザインする、コミュニティデザインについての本。
Planned Happenstance
自分にとって幸運な偶然が起きやすい行動、についての紹介が興味深かったです。
まさに、まさに、でした。
ハードとソフトのデザイン。
そこで生活する人たち、そこを利用する人たちの気持ちを大切にすること。
そして、「幸せ」とは何か。
言葉をかさねること、対話をかさねること、お互いを大切に思うこと。
人と人とのつながりについて興味のある方にお勧めの一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日タウンミーティングに初めて参加してみて、
若い世代がまちづくりに参加する(させる)方法って、
すごーく難しいよな。と思い読んでみました。
コミュニティデザイナーという職業も気になり。
結論としてはやっぱり若者を参加させるのは難しく、
まちによって最適な方法も違うので、答えなんてものは全くありません。
しかし色々考えることがありました。まずは、
極度の分業化による無縁社会への道。
また自分たちや身近なコミュニティーで直接行う社会が復権するのか。
ということ。安心と安全を考えたときに、
「安心とは分業している相手を信頼できるか」という考えが成り立つほど
今のまちは分業が進んでいる。清掃、育児、安全etc
そして、
まちは住民たちが自分たちでつくっていかなければ活性しない
ということ。まちづくり、まちの幸福、それは委託できない。
ハード面だけ整えても、そこにソフト面の充実がなければ、
結局人は集まらず、誰も近寄らない。
(一時的には集まるけど 世界遺産の登録なども)
公共事業の予算は相変わらずほとんどハード面に使われているが、
国土交通省も2006年の時点で「もうつくる必要はない」
「2020年には予算が尽きて、以後は維持管理の予算のみになる」
としている。
これからどれだけソフト面に移行していくのか。
結果が目に見えやすいという安易な考えは終わりにしないといけない。
これは自分のまちでも確認したくなった。
なかなか「自分もまちづくりをしていきます」と宣言するのは憚れるが、
少しは参加したい。無関係じゃない。と改めて自省した一冊です。
----- 以下はメモ ----->
東京都地方を結ぶ交通的インフラ整備→ストロー現象でより都会へ人が集まった。
インターネット・ハイテクを駆使すればどこでも仕事ができる。多自然居住地域推進。
→都会への憧れをました?だけで事実上諦めた
2006年 国土交通白書「もうつくる必要はない」
2020年 予算がつきて、以後は維持管理の予算のみになる。
山古志村では100億円かけて道路一本を作り、数百人が集落へ戻った。
1人1億円の費用は適正か?本人たちにも重荷ではないか?
ITインフラを進めても「自分たちがいなくなれば誰も使わない」ので進まない。
(便利なもの。という認識はされているが、利用はされていない)
インターネット注文を承るビジネスが必要か?
と言えばその程度は若い近所の人がやればたやすいこと。
学生には無限の発想力があるわけではない
→発想とは物事を知るほど豊かになる(子どもの絵はキャラクター一辺倒になる)
⇒縛られているイメージの鎖を切る事がワークショップでは大事
・エコネイティブ
エコな行動を無意識にとる。
→裏紙を使うなど
・日本人が議論下手か?
消極的なことより、否定的なことが問題。
・どんなまちへ行っても世代の異なる人たちをつなげるのは難しい
高齢者は意外と参加するが、意見の調整に苦労する事が多い。(批判的な声
若い人は関心を示さないが、参加すれば興味を持ち始めてくれえる。
(時間の違いや、楽しみを他(の街)に求めるかなどの条件が起因?)
・コミュニティーデザインに教科書はない
・コンサルタントがつくった借り物の企画は見栄えはいいが、
実行には移されない。そこに残る人たちがつくらないと。
・すぐやる課→要求がエスカレート→当た前になっていく
⇒自分たちでまちをつくる意識がなくなる
・他者にゆだねられてきたまちの活動
・ハードからソフトへの移行 -
山崎さんの本を読むのは三冊目ぐらい? 不可視な未来を、コミュティはどの様にデザインすればよいのか。リーダーシップの在り方や、バッグキャスティングという方法など。
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コミュニティデザイナーの山崎亮氏の仕事は、シャッター街や過疎地など日本の抱える課題を、「地域の人達が解決する」為の場を作ること。問題を解決するにはそのまちの人たちが積極的に関わらなければ解決できない。その方法は東日本大震災後の東北の未来を考えるワークショップで学生達を対象に進められているが、この方法は他の問題に対する解決方法としても参考になると思う。このワークショップの始めに出てくる「プランドハプンスタンス論」の幸運な偶然を起こす人の特徴として、好奇心。持続性。楽観性。冒険心。柔軟性。というのがあるが、この要素により知らず知らず自分にとって幸運な然が起きやすい行動をとることになるらしい。少し意識して行動しよう。
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まちづくりのファシリテーターとして活躍する著者、山崎さんの活動経験を集めた一冊。
yes andの考え方や、プレゼンテーションにおけるデザインの重要性など、汎用性の高いテクニックにも触れられる。
また、プランドハプスタンス理論、バックキャスティング、シナリオプランティングといった仕事を進めていく上で参考になる思考法も紹介されている。
「まち」に興味がない人も実務書感覚で読めるかも。-
「山崎さんの活動経験を集めた一冊」
色々な人の合意形成する。このノウハウと言うか考え方は、これから何かと必要になってくると思う。
全てを掬い...「山崎さんの活動経験を集めた一冊」
色々な人の合意形成する。このノウハウと言うか考え方は、これから何かと必要になってくると思う。
全てを掬い上げるコトが不可能だから、このスクルは必要ですね。。。2012/06/27
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「できること」を他者に委ね、「求められること」を拒否し、「やりたいこと」だけに時間と労力を費やす人々の生活からは、成熟した豊かなコミュニティの姿を展望することはできない。p165
このフレーズが今の状況をすべて言い表している。自分でやらなくても自分が住む街も働く街も誰かが掃除してくれる。自分の好きなことや仕事に没頭できる環境はもちろん素晴らしいし、掃除を誰かに委ねることで雇用が発生するならそれも正しいのかもしれない。しかしそれを「自分」と「自分以外」で明確に線引きして生きる世の中ってつまらない。散歩するときにかけられる何気ない会話、自分たちの街は自分たちで作るという共同意識や街へのアイデンティティ。豊かさは間違いなくここに潜んでいると思うんだ。自分もまだまだこれから。街はまだまだおもしろくなる。 -
2021.19
・やりたいこと、できること、求められてることの組み合わせから、人と人とのつながりが機能する町が作られる。
・「安心」は、そこに住む人が課題を理解していること。
・目的や思考を一つに固定させずに、色々な価値観を持つことが豊かに暮らすにつながる。 -
阪神・淡路大震災を目の当たりした著者の「自分が設計した建物が倒壊して人々が命を落とすかもしれない」と考え,「モノを作らないデザイナー」になったという話は印象的。
「計画された偶然」とう話も,なるほど! でした。 -
p172にこうある。たとえば、19世紀イギリスのデザイナーであるウィリアム・モリスは「つくる人と使う人双方にとっての幸福としての、民衆による民衆のための芸術」という考え方を主張している。