NHKスペシャル 宇宙の渚 上空400kmの世界

制作 : NHK取材班 
  • NHK出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815380

作品紹介・あらすじ

スプライト、オーロラ、流星…地球と宇宙の境界="渚"で起こる現象から、知られざる地球と宇宙の絆を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 978-4-14-081538-0 265p 2012.4.20 1刷

  • 地表上空400kmの世界。宇宙空間と地球大気の間ではさまざまな多くの現象が生じており、地表上から神秘の目で見つめてきた。国際宇宙ステーションから見たその姿は圧倒されました。

  • 宇宙。ロマンあり興味そそられる空間です。地球は宇宙の渚を通じて宇宙と接し、宇宙の一部なんだ。今こうして生命が暮らすことの凄さを実感した。ぜひNHKの番組も見て欲しい。

  • NHKでこの番組が放送された時、宇宙からの映像に胸踊らせながら見ました。オーロラや流星はもちろん、初めて目にしたスプライトの映像なんてもう!!
    この本を読むと、番組の映像がよみがえってきて、そして、撮影に挑むスタッフや古川宇宙飛行士の気持ちが伝わると同時に、神秘だらけの宇宙にますます魅かれました。

  • (2012.05.07読了)(2012.05.03借入)
    NHKの番組を活字化したものです。
    古川聡宇宙飛行士にカメラを預けて、雷、オーロラ、流星の撮影をお願いし、その成果を番組としてまとめたものです。
    一部、宇宙からの生中継としても放映されました。
    雷については、積乱雲から地上に放電して、稲妻が走るわけですが、そのとき同時に雲の上から宇宙に向かってスプライトという現象が起こるのだそうです。
    飛行機のパイロットは見たことのある方々が結構いるようなのですが、一瞬の出来事なので、見たことのない方たちに話しても信じてもらえないので、胸にしまっておいた方が多いということです。
    NHKの開発したカメラで、古川宇宙飛行士に撮影してもらい、スプライトの現象をとらえることができました。
    この現象は、24の高校でも無人カメラを夜間に作動させて記録させるという形でも観測されているのだそうで、四国の高校から、北陸上空の現象が記録されたりするのだそうです。
    研究者仲間で、雷が発生しそうな夜に、飛行機を飛ばして撮影したりもして、観測データを蓄積している段階とのことです。
    どうしてこのような現象が起こるかは、解明の途上ということです。宇宙と地球のはざまでは、未知の現象が、まだまだあるのではないかということなので、楽しみです。
    積乱雲に+の電荷が集まり、地上の-の電荷と中和する現象が、稲妻ということになるのですが(あっているかな?)、積乱雲のプラスの電荷に対応して、雲の上方にマイナスイオンが集まるので、落雷で、プラス電荷が放電した後、上空のマイナスイオンはどうなるのかということが問題だったそうで、スプライトは、その問題に決着をつけてくれるかもしれません。
    オーロラについては、太陽からの磁気嵐が関係しているという程度の知識しかなかったのですが、もっといろいろなことがわかっているようです。
    アラスカで、オーロラ研究をされている赤祖父さんという方が北極を取り巻くようにオーロラが見えているということを解明しているということです。古川飛行士の撮影で実証されました。オーロラ爆発というものやら、オーロラというのも一種類ではなく、幾つかあるようです。
    困ったことに、太陽からの磁気嵐が強烈な場合、電磁誘導で、地上の電線に過剰な電流が流れ停電を引き起こすことがあるし、オーロラ爆発の中に人工衛星が突っ込むと過剰電流の影響で、故障の原因になり、実際に日本の衛星が、コントロール不能になり、墜落したことがあるとのことです。
    流星については、読んでいる途中で返却したので、不明です。(引っ越すため)

    スプライトについては、4月に放映済み。オーロラは、5月20日放映予定。流星は、6月17日放映予定です。
    宇宙ファンの方にお勧めです。
    (2012年5月7日・記)
    【目次】
    カラー口絵「宇宙の渚」の景色
    はじめに
    第1章 謎の閃光 スプライト
    いざ、宇宙の渚へ
    夜の地球をハイビジョンで捉えろ
    渚を走る謎の閃光
    地上と宇宙からスプライトを狙う
    史上最大のスプライト観測プロジェクト
    ついに遭遇! 渚の妖精・スプライト
    暴かれた妖精の素顔
    「電気の惑星」の真実
    「渚」に現れる妖精  高橋幸弘
    第2章 天空の女神 オーロラ
    宇宙からオーロラを撮る
    地球の見えざるバリア
    地球の最終防衛ライン
    天と地の頂上作戦
    オーロラがもたらす厄災
    オーロラが現れなかった時代
    地球と宇宙 未知なる攻防
    宇宙の発電機  菊池崇
    第3章 46億年の旅人 流星
    流星を宇宙から見る
    流星とは何か
    流星はなぜ光るのか
    流星はどこから来るのか
    謎の流星群を追え
    流星から地球の生命の起源を探る
    流星へ込めた思い、流星からのメッセージ
    46億年の長い旅  渡部潤一
    生命と宇宙とのつながり  小林憲正
    特別コラム
    宇宙と地球と「渚」  古川聡
    宇宙開発の今  林公代

    ●流星群(202頁)
    宇宙の塵を考えるカギとなるのは「流星群」だ。流星は1年を通して観測することができるが、ふだんは長い間空を見上げていてもお目にかかれる保証はない。しかし、流星群が発生する期間はそうではない。地上と宇宙の同時観測が行われたペルセウス座流星群と、しぶんぎ座流星群、ふたご座流星群は、合わせて三大流星群と呼ばれ、それぞれが観測できる期間には、条件さえよければ1時間に100個以上の流星を見つけることもある。
    ●彗星(204頁)
    彗星の構造は中心部の核、その周囲を取り囲むコマ、そして細長い尾から成る。そして、太陽に接近してははるかかなたに遠ざかる、独特の楕円軌道を描いて公転している。
    核は直径数キロメートル程度の「汚れた雪だるま」のような天体で、すべて凍りついている。しかし、太陽に近づくにつれて太陽の熱などによって表面が蒸発し、塵や気体となって周囲を覆いはじめてコマとなる。さらに、太陽の重力や熱などの影響を受け、太陽とは反対側に、やはりガスや塵でできた尾がつくられる。そして、この尾にこそ流星が生まれるカギが隠されている。
    ●生命は宇宙から(216頁)
    最近の研究により、太古の地球は、塵の塊である微惑星同士の大衝突により非常に高温になり、たとえ生命誕生に必要な有機物があったとしても、すべて分解されてしまって存在しなくなったと考えられるようになった。
    そこで、宇宙から地球にやってきた宇宙の塵や隕石に含まれる有機物が地球の「生命の種」となったと考えられるのだ。
    ●暗黒星雲は有機物(218頁)
    天の川に輝く無数の星々の中に、ところどころ黒いしみのようになり、星が全く見えない部分がある。これが暗黒星雲だ。広大な宇宙空間に宇宙の塵などによってつくられた分子の雲で、これが背後の構成からの光をさえぎるため、真っ黒に見えるのだ。
    そして、最新の電波望遠鏡の観測によって、この暗黒星雲に予想以上に有機物が大量に存在していることが明らかいなった。
    ●生命は左手型アミノ酸(219頁)
    アミノ酸は、原子が立体的に組み合わさった分子構造をしており、右手型アミノ酸と左手型アミノ酸という、鏡に映った像のような関係を持つ2種類がある。実験で人工的にアミノ酸を作るとその両方が同じ量でできてしまう。ところが、不思議なことに地球上の生命は基本的に、左手型アミノ酸だけでできていて、食品として摂取するアミノ酸も左手型アミノ酸だけだ。
    近年、地球に落下した塵の塊である隕石の中にアミノ酸の左手型への偏りがあるとの報告が相次いでいる。ここから、左手型への偏りは宇宙で生まれ、それが地球に持ち込まれたと考えられるのだ。
    では、宇宙ではなぜ左手型への偏りができるのか。その原因は、宇宙にある特殊な光「円偏光」にあると考えられている。
    (2012年7月25日・追記)

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著者プロフィール

全米を席巻した「トランプ現象」の実像を彼の選挙戦略から探るため、報道局国際部、政経・国際番組部の記者・ディレクターを中心に結成されたチーム。番組は2018年11月に放送された「シリーズ・アメリカ中間選挙」(前編・後編)。

「2020年 『AI vs.民主主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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