- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140815236
作品紹介・あらすじ
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず-。多くの人がそらんじることができる惹句だが、それに続く言葉をご存知だろうか。近代日本最大の啓蒙思想家・福沢諭吉がその言葉に賭したのは人間の平等ではなく、知性と行動力を兼ね備えた「個人の自立」であった。その原理は、社会と個人の関係を考えるためのひとつのモデルとして、今の時代にこそ見直されるべきである。明治初期という未曽有の転換期に書かれた、"危機の時代の心得"を学ぶ。
感想・レビュー・書評
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福沢諭吉の「勉強する意味」とは「自分の頭で考え、物事を判断する力を得ること」。
信じる、疑うというときには、取捨選択のための判断力が必要になる。学問というのは、この判断力を確立するためにあるのだはないだろうか、と説く。
また「学問こそ周囲に流されないための術」。
勉学に限らず、仕事や人生において、どの分岐点にいる人にも刺さる言葉が沢山あり、これぞ指南書と呼べるものだと感じている。
〜特に印象的な言葉〜
・天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
=not人間の平等を説いたbut「人間の競争原理」
人間は学問をするかしないかで大きく差がつく。人の地位や財産は、その人の働き次第で決まるという競争原理を説いたもの。
・我心をもって他人の身を制すべからず
自分なりのこだわりや軸を相手に押し付けてしまうと、その人の考えややり方を否定することになる。良好な人間関係を気づく上では肝に銘じたい言葉。
・人に先立って事をなすは正にこれを我輩の任と言うべきなり
リーダーというのは先頭に立って道を切り開いていく存在だから苦労が多いもの。人が切り開いたあとを歩こうとしても、新しい発見や進歩は生まれない。人がやっていない分野に挑戦する気概が大切。いつの時代も新たなことにチャレンジできる人が成功を掴むもの。
個人的には、仕事は仕事。馬鹿にせず手を抜かずにやればこれも経験として積み重なるはずだ、という考えに感銘を受け、また救われた。
学問をする事で、自分の足で立って、考え、行動する力を養える。なんのために働いているのか、生きているのか迷った際は、そんなときこそ目の前のことを全力でこなしていくこと。するとその時の経験が自分の成長の糧となり、財産へとなっていく。
この言葉を肝に銘じたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おすすめ度:80点
福沢諭吉『学問のすゝめ』解説本。
福沢諭吉は「明治の人間」の代表というべき人物だ。まっすぐ前を向いてどんどん進んでいく明るさ、勇気、胆力。
国とわたりあえる人物たれ。
独立自尊で生きよ。
識見をもって行動せよ。
原文のその小気味よいリズムから、福沢の気概と信念とカラッとした明るさが伝わってくる。 -
私も以前、学問のすすめを読み、途中で投げ出してしまいましたが、100分で名著により、だいぶ認識が変わりました。
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100頁にも満たない本だが「学問のすすめ」未読者には学びが多い。著者も本文で述べているが、福沢諭吉とその著書「学問のすすめ」は日本人であれば知らない人はいないが、ではそこに何が書かれているかと問われると答えれる人が逆に見つからなくなる。自分にしても今まで本書を学んだことがなく、多くの他の人と同じようにただ冒頭の有名な一節を知っている程度であった。本書は現代語訳も出されている齋藤孝氏が、学問のすすめが出版された明治という時代背景も交えながら概要を解説するダイジェスト的な本である。
福澤の勧める学問とは、趣味的な一般教養ではなく、徹底した実学である。机上の学問ではなく、実生活や仕事に直結した学びだ。
個人の独立と国の独立が強く相関し、「官」と「私」が非常に近いものとして常に対比して語られる。現代日本では、国(=政府)と個人との結びつきはほぼ感じることができないほど薄いが、当時は国自体がまだ出来たばかりで、個々人の独立や成長が、国が国として維持し続けるために必須であり、人々の発奮を促した本であることがわかる。 -
『学問のすゝめ』はタイトルと福沢諭吉が書いたっていうことだけ教えられてただけで読んだこともなかったから単にどうやって勉強するのかを書いた本って思ってたけど、実際全然そんな浅い本じゃなくて、100年以上経った今読んでも全然古くないし、むしろあてはまることが多くてびっくりした。時代が変わろうとしている今の時期に特に読むべきだなぁって思った。大事なとこだけ抜粋して解説されてる感じだったから次は原本を読みたい!
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私自身「天は人の上に人を作らず…」位しか知らなかったので、読んでビックリ!
随分と合理的というか、当時の日本人としては非常に革新的な考えを出来る人だったみたいですね。
彼の持つスピリットは、現代に生きる日本人において、当時以上に求められているのではないだろうか?
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わかりやすい。
時代の変わり目に、明るく新しいものに順応し、性根を据えて進んでいく行き方は、現代にも習うところがあると説いている。