- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140814253
感想・レビュー・書評
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丁度レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」を読み終えようとしている時に本屋で発見。なんて奇遇なんだろうと続けて南米冒険の話を読むことにした。結果、面白かった。
どこまで連れて行ってくれるんだろうかと思いながら読み、途中から期待が高くなり、虚構は交えずに、レヴィ=ストロースすら予想することのなかった高みにまで至っている。
色々な本が頭の中に戻ってくる本でもあった。「銃・鉄・伝染病」もそのひとつ。
平易に読める本でありながら、今なお続いている南米の人類学研究の最先端まで、冒険者を軸としながら歴史的な流れも描いている。冷静な本だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画を見て、実在した探検家の話であることを知り読んでみた。
探検に惹かれてしまう人というのは、何か社会になじめないところがある。
穏やかな家族との時間より、未知の世界を明らかにするため、命をかけた探検を選んでしまう。
フォーセットもそんな探検に魅せられた1人。
しかも、職人肌。
もし、フォーセットが『使えるものは全て使い、どんな手でも知りたいことにたどり着けたら良しとする。』くらいの考えの持ち主であったなら、最新の装備で身を固めて、髭に覆われ痩せ細った顔でアマゾンのジャングルから帰ってきたのかも、なんて考えると面白いよね。 -
1925年にアマゾンの奥へと消えたフォーセット探検隊にまつわる物語。彼はアマゾンにあるとされた古代都市Zを見つけるために息子と息子の親友の3人でアマゾンへ向かったが、戻ってくる事はなかった。その後何人もの人々が行方不明となったフォーセットらを助けようとアマゾンのジャングルに向かったが、ほとんどの者は帰らなかったそうだ。正確な数字は不明だが、1,000人はくだらないという。
フォーセットの写真が残っているが、厳しい顔つきの男である。彼は何度もアマゾンを探検しているが、不思議と彼だけはマラリアなどジャングル特有の病に罹ることはなかった。また原住民とも友好的な関係を結ぶことができている。アマゾンの申し子のような男だった。そんな男が帰らぬ人となる。その謎はいまも不明のままだ。
まだ世界地図には白紙があった時代。その白紙を埋めるために彼は冒険に出た。 -
本の雑誌ランキングからだったか。確かに胸躍る内容のノンフ。アマゾンの奥地って、何があってもおかしくない、言ってみれば怪しさに満ち溢れている感じがするもの。
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2010/7/27 新刊棚でみつけて、すぐ借りる。8/16 読まないうちに一旦返却。
次が迫っているので早く読まなくては、と思ったけれど 期限までには 無理でした。
一旦返却して、再度借りましょう・・・。 (ToT)/~~~
以前に 読みかけた本 ⇒ アマゾンの封印―探検家フォーセット大佐 “インディ・ジョーンズ”真実の物語
内容 :
1925年、忘れられた都市Zを発見するため、南米アマゾンへと旅立ったイギリス人探検家・フォーセット。
だが彼は2度と戻ることはなかった…。
いまだ解かれることのない彼の行方とZの真実に迫る。
著者 :
ジャーナリスト。2003年から『ニューヨーカー』誌のスタッフ・ライターを務める。
『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌、『アトランティック』誌などにも記事を書いている。 -
謎自体も面白いが、構成が良いのでまったく飽きずに読める。ホントにアグルーカの行方と同じ構成だ。
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「20世紀探検史上、最大の謎」と呼ばれるアマゾンの失われた都市を巡るノンフィクション。
20世紀初頭の探検家を主題にしながら、著者自身が行方不明になったその探検家の足跡をたどるという、凝った作りになっている。
アマゾンの自然の厳しさ、原住民の生態、20世紀の探検史、謎の古代都市。読みどころとテーマが満載の一冊であった。 -
南極と山岳遭難モノは凍傷による指もげが定番だが、アマゾンは虫だった!!エベレストや南極のように探検家には心奪われ魂を持っていかれてしまう場所というのがあるようで、パーシー・ハリソン・フォーセットがとり憑かれてしまったのはアマゾン。虫や吸血コウモリにまとわりつかれ、変な皮膚病や足が腫れる病にかかり、土地を侵し部族を奴隷にして虐殺した西洋人を憎み、殺されてしまうかもしれない現地民がいる場所だ。1911年のジェイムズ・マリーとの探検は、アマゾン探検とフォーセットの本質をよく表している。極地探検家のマリーはアマゾンには全然向いてなくて、身体中を虫にさいなまれながら半分おかしくなって、フォーセットに置き去りにされる。さすがに死ぬのかなぁと思ったらこれが生きて帰ってくるあたりはさすがに探検家だ。いろいろな探検記を読んでると必ず出てくる王立地理学協会のエピソードが盛りだくさんなのもツボで、この協会が輩出した変な人物が続々出てくるのもうっとり。フォーセットを探検家として養育したエドワード・エイアスト・リーヴスはまともだが、あらゆるものを計測して数値化せずにはいられなかったフランシス・ゴールトンはかなりきてた。彼が書いた探検家非公式のバイブルという「旅人の心得(Hints to Travellers)」はかなり面白い。最後の章に出てくる、アマゾン流域の太古の文明の可能性を指摘する考古学者のマイケル・ヘッケンバーガーも印象深い。アマゾンは私も大自然の驚異を感じるのでとても好きな場所なのだが、この本を読むとちょっと行くのは無理かも。
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伝記であり、探検史であり、探検譚でもある。
ジャングルは石が少ないので、文明は有機物を材料に作られた。よって、それはいずれ分解し、消滅する。
文明は必ず無機物でモニュメント的なものを作るという発想から逃れられていないのが、19世紀の西洋文明の限界か。