- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140813867
作品紹介・あらすじ
ハルバースタムの再来と絶賛された若きジャーナリストは何を見たのか?ファルージャでは、若い米軍兵士のあとについて銃撃戦の中を走り回り、カンダハールでは、地雷原を楽しげに飛び跳ねる子どもたちに大声を張り上げる。非常事態と日常が交錯する戦地で、米軍兵士、住民、宗教指導者、反政府軍兵士などを丹念に取材。時代、国境、宗教を超えた人間の本質に迫る。全米書籍批評家協会賞、「ニューヨーク・タイムズ」紙年間ベストブック。
感想・レビュー・書評
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ニューヨークタイムズ紙の記者が2001年のアフガン、2003年から2006年のイラクで取材した内容を記したもの。
シリア・イラク地域で武装した自衛隊が何かポジティブなことが出来るというのはかなり飛躍した思い込みなんじゃないか、ということを確認させられた。
それから、最近はもっぱらあさイチのコメンテーターとしてテレビに出ている柳澤秀夫氏が巻末の解説を書いているのだが、それが鋭い。この人が湾岸戦争などの取材を手がけた記者だったことは知っていたけど、こんなことを書く人だったのか…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容はずいぶん古いのだけれど、いい本だった。
絶望、絶望、戦争とは何なのかすら、姿が見えない。 -
戦争を上から見下ろすのではなく、また見上げるという訳でもない。そこにいる廃墟の市井の人々特に子どもたち、テロリスト、したたかなリーダー、アメリカの少年兵、取材に協力してくれる友人など、エピソードも交えて丁寧に描写された紙面の中から、たち表れてくるやりきれなさ。全ての人がうんざりしているこの戦争を、どうして止めることが出来ないのか!
この本のタイトルが全てだ。 -
アメリカ版不肖宮嶋
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アフガニスタンや9.11後のイラク.内戦の様を呈し誘拐や殺人が日常的に起きている.米兵の任務も命がけである.著者もまた命がけの取材を行っていところがすごいと思う.戦争のいろいろな当事者へのインタビューも読み応えがある.必ずしもアメリカの政策の批判に終わらず事実を迫力ある描写で伝えているところが良い.
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2010/7/3
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先ずは読みやすい文体である。
イラクやアフガニスタンに展開する米軍(陸軍、海兵隊)に従軍した記者としての記録だ。映画の戦闘シーンの連続のような記述ではなく、淡々粛々と戦場となった日常を切り取っているような感じか。
日常と非日常、正気と狂気、アラブの習慣とアメリカとの距離など、生死を分ける狭間に身を置く現地住人の姿を分かり易く伝えている。迫撃砲や自動車爆弾の爆音を聞きながら、宗教対立やアルカイダに怯えながら暮らすイラクの人々の姿がある。
この本の結末まで読んで希望は無い。
有るのはタイトルの示すとおり、諦めだ。 -
【どこで?】
新聞の書評を見て。図書館で。
【なぜ読み始めたか?】
アメリカが進めてきたテロとの戦いの現場を、現地で取材しているジャーナイスとの視点から見ると、どう見えるのか・・・
【どんな内容?】
● アフガニスタンとイラクから、アメリカの進めてきたテロとの戦いが生々しく記述されている。
● 死と隣り合わせの状況や、戦争によって人間性までも破壊されてしまったかのような社会の様子が、現地で自分の目で取材をしなければ書けないと思われる迫力で描写されている。フィクションをはるかに凌駕していると思う。
● 現地で生きる人の視点からも、戦いを仕掛けたアメリカ軍側の視点からも、両方の視点から中立に書かれているように読める。
【感想は?】
● ぜひ読むべき本。世界の中には、このような現実もあるのだとういことを知ることができる優れた内容。
● このような状況のアフガンやイラクに、「民生支援」といって生半可に入っていくことが正しいことなのかどうか・・・日本の支援のあり方についても考えさせられた。