宗麟の海

著者 :
  • NHK出版
3.38
  • (5)
  • (7)
  • (12)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 86
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140056905

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安部龍太郎氏の小説は三作目。

    大友宗麟という人物の情報は、戦国時代の九州の雄であり、キリシタン大名だったくらいだった。また、赤神諒氏の「大友二階崩れ」を読んでいたのもあって、宗麟に対するイメージはあまり良くなかった(本小説との差という意味では、吉弘鑑理の描かれ方があまりにも異なっており驚いた)。

    その点で、本作は宗麟が如何に凄いのかが非常に合理的に描かれていた。序盤に老臣の吉岡長増から出された課題、①強力な水軍、②寺社の統制、③大内家の討伐(周防・長門の領有)を、時間をかけて達成していく。銀山の開拓→南蛮貿易→国力の増強、国衆の統制といった経済と政治の関係が明瞭で面白かった。毛利勢の撃退後の長増との会話のシーンは痺れた。

    本作のもう一つの軸は宗麟とキリスト教の関係。ただ、本点に関しては、宗麟はただの一信者であり、政教分離を苦心して実行しようとするも、なかなか上手く操れなかったという「失敗談」に見えた。事実、日向に作ったキリスト教街はすぐに破綻しているのだから綺麗に描くのが難しいのだろうが。

  • 毛利との駆け引きと鉱山開発、南蛮貿易がとてもよくまとまって描かれてる印象です。寺社統制やキリスト教の扱いなんかは本当に難しいのも再認識しました。

  • 戦闘以外の面が知りたかったが戦いに明け暮れてた

  • 名前はよく聞くが実際にどのような生涯を送ったのかよく知らなかった大友宗麟。
    若くして家中の争いで父を失い、生まれつきの病気を抱えた体で毛利家と熾烈な戦いを繰り広げ、キリスト教に惹かれ入信して生涯を終えるまで。面白かった。

  • 久しぶりに安倍龍太郎の本を読んだが、面白かった。この人は意外な人物を取り上げて、良い話にするのが上手いと思う。昔の作品は寝るのも惜しんで読んだものも多かったので、割と好きな作家。

  • 後半、読む気がなくなった。
    NHK出版だから、期待したんだけど。。。
    人物として小説にするには、無理があるよなぁ~。
    安部龍太郎を読みたくなくなった。

  • 大友宗麟というか戦国時代の吸収のことをよく分かっていないけど、ちょっとテンポが悪くてかったるいというのが詠んだ率直な感想。小説そのものは手堅いないようなので、こんなこと言っちゃ悪いのだけどさ・・・

  • 南蛮貿易により国力を増強し、宿敵毛利元就との戦いを制し、九州六カ国の太守となった大友宗麟。斎藤左馬助鎮実、戸次鑑連らの豪傑とともに、戦国の世を駆け抜ける。

  • 2018年3月18日紹介されました!

  • キリスト教に心惹かれていく大友宗麟。
    この頃の日本では神仏のみが信仰の対象であった。
    キリスト教は、日本を滅ぼす悪魔として弾圧されていた。
    そのため、国王として入信するのに躊躇いがあった。
    苦悩に身悶えする様と残忍で冷酷な様を重厚な文章で鮮やかに描き分けている。
    重厚過ぎるほど重厚で圧巻の物語。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安部龍太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×