新装版-讐雨-刑事・鳴沢了 (中公文庫 と 25-50 刑事・鳴沢了)
- 中央公論新社 (2020年6月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122068995
作品紹介・あらすじ
累計200万部突破
著者史上売上No.1シリーズ第6弾
連続少女誘拐殺人事件の犯人・間島を逮捕し、解散が目前に迫った捜査本部。裏付け捜査を担当した了は帰還途中、爆破事件に巻き込まれる。怪我を押して署に戻った了を待つ犯行声明。「間島を釈放しろ。さもないと、爆発は続く」。だが間島は、協力者の存在を否定する――。テロリストか、快楽犯か。爆弾魔の正体を暴き出せ。
感想・レビュー・書評
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鳴沢了シリーズ第6弾。
前巻の青山署から、この巻では東多摩署に転勤となっている。
冒頭、連続少女誘拐殺人事件の犯人・間島を逮捕した鳴沢たちが、署への帰り道、爆破事件に巻き込まれる。
「事件の方で俺を呼んでいる」と言う、鳴沢の面目躍如?
さらに続く爆破事件。間島の釈放を要求する犯人の正体は、間島の仲間なのか、それとも殺人事件の被害者家族なのか。
捜査は難航し、解決の目途がつかないまま、やがてSNSで警察たたきが始まる。
現代の小説では、やはりSNSに触れないわけにはいかないだろう。
書中、ある刑事が語る。
「法律の枠に入りきらない事件があるのはお前にもわかるよな。それどころか、法律が犯人を守ってしまうこともある。もちろん俺たちの仕事は法律を具体的に行使することで、法律そのものをいじることはできない。それは分かっていても俺たちが本来拠って立つべき法律に縛られているみたいで納得できないよな。そういう時、どうしようもない無力感を感じないか?」
終局では、やはりこの刑事が・・・
捜査活動が続く間中、題名通りに雨が降り続く。
「讐雨」の讐は、復讐の讐だったと、納得。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再び多摩に戻ってきたのは嬉しい。もう少し登場人物が多い方がアレコレ悩みがいがあったかも。結末は好き嫌いが分かれそう。次回作への伏線がかなり張られていたので期待したい。
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シリーズ第6弾。
連続少女誘拐殺人事件の犯人間島を逮捕。
裏付け捜査していた鳴沢了は帰還途中、爆破事件に巻き込まれます。
間島を釈放しないと、爆発は続くとの犯行声明が。
テロリスト、快楽犯、間島の仲間か。
警視庁が今まで遭遇したことのない事件。
動機は意外なものでした。 -
爆破事件に巻き込まれた了。やがて届く犯行声明。爆弾魔の要求は世間を騒がせた連続幼女誘拐犯の釈放であった。大人気シリーズ第六弾。〈解説〉内田 剛
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連続少女誘拐殺人犯・間島を逮捕した、東多摩署刑事課・鳴沢了。遺体遺棄現場からの帰り道、中央道で爆発事故に巻き込まれる。
犯人の要求は、連続少女誘拐殺人犯・間島の釈放。
テロか⁇
愉快犯か⁇
第2、第3の爆破事件が発生する…
間島の協力者か…
間島に怨みを持つものの犯行か…
通り魔に娘を殺された過去を持つ捜査1課・石井。
犯人逮捕に執念を燃やす…
子供を殺された親の気持ち…
死刑になろうとも犯人に憎しみはどうしても消えないだろう。
ヤクザであっても、子供への想いは同じ。
法律で人を裁くには限界がある…
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東多摩署に異動した鳴沢。
爆破テロに巻き込まれる。犯人は幼児殺人の容疑者の釈放を要求する。
アメリカで事件を知った親友の七瀬や恋人の優美と電話をしたりと仲は良い様子です。
事件はそれほど複雑な話ではないけど、法律で人を裁くことの限界。ひとを憎むことはいけないと、簡単には言えない世界観。そう言ったものを考えずにはいられませんでした。
第三者と当事者は考え方が違って当たり前かなと。 -
さすが堂場瞬一。
奇想天外なストーリーではあるが、読み進めていくとそれが少しずつリアルに感じられるようになっていく。
男臭さと、男ならではの切なさが残る作品。