どこの家にも怖いものはいる (中公文庫 み 50-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064140

感想・レビュー・書評

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  • 別々の怪談なのにどこか共通している。
    それがほんのり怖い。
    実話怪談風に語られる怪談と、解釈がだんだんつながっていく感じは気分がいい。
    最後まであんまり意味がわからないところがあり、少しばかり消化不良。
    文庫につきものの解説も、この怪異譚の一部のようで面白かった。

  • べらぼうに怖い……(༎ຶ⌑༎ຶ)

    『のぞきめ』の時もそうだったけど、三津田作品は私の恐怖ツボ付いてくる…((((;゜Д゜)))



    『幽霊屋敷シリーズ』1作目!

    三間坂という編集者と意気投合し、頭三会という飲み会をしながら怪異譚に花を咲かせる『私』こと三津田信三。

    三間坂が『私』に見せた3つの幽霊屋敷のテキスト——。

    一見バラバラな話なのだが、共通点があるように思えてならない。

    すると三間坂が四つ目の話を見つける。
    2人は飲みながら考察を重ねるが…。


    まず、文句なしに面白い!!!

    次に、めちゃくちゃ怖い!!!

    最後に、1つのテーマを何ヶ月も費やして資料を集め、深掘りし、それを飲み会しながら考察するなんて——こんな有意義で知的な飲み会最高すぎる!!参加したい!!!


    ………というのが、この本を読んだ端的な感想です!!笑

    作者自身が主人公で、手に入れたテキストが話のメイン。
    出所も時代も憶測しか出来ず、日記や小説といった形式から、不気味さしかない。
    後から徐々に追加されていくテキストは奇妙さを上乗せさせるモノで、詳細が明らかに(考察されて)なるにつれ、徐々に業の深みが見えてくる…。

    構成が秀逸すぎて、何も言えんですよ(^▽^;)
    どうしたら読者を震え上がらせる事ができるか把握していらっしゃる…。
    ちびりますから。

    読み進めていくのに、ある意味覚悟が必要でした。
    怖すぎて途中で読むのをやめる!なぁんて選択肢は毛頭ないので、一旦本を閉じて休憩と深呼吸しました笑
    満を持してリスタートした時ちょうど震度1の地震があって、過剰に反応しました(-_-;)ヤメテヨ

    そんな感じで途中ビビって中断したものの、総合的には一気読みに近い…!!
    だって、読むのやめられなかったんだもん。

    それくらい面白かった!!
    怖いけど…面白かったが勝つ!!

    次巻は『わざと忌み家を建てて棲む』

    さて、今夜は無事に眠れるでしょうか……。
    それだけが心配です。

  • 時代、場所、現象もバラバラなのに奇妙に共通するものがある幽霊屋敷怪談が5篇あり、作者がその繋がりをラストに紐解く、という凝った趣向のホラーミステリー。

    ミステリー部分は無くても満足なほど、怪談が怖い!夏にぴったり。
    一人暮らし時代だったら途中で読むのやめたかも。
    母親の日記調で不気味に綴られる「一つ目の話 向こうから来る」と、初登場「割れ女」がめちゃくちゃ恐ろしい「二つ目の話 異次元屋敷」が特に怖かった。


  • 流石!期待を裏切らない!三津田信三先生〜
    安定の怖さと面白さを叩き出してくる〜

    何かとおすすめホラー小説で出てくる
    幽霊屋敷シリーズの第一作の本作…うむ!
    ヤバい!!めちゃ面白い!!

    某県に住まい方は…マジどんまいです!笑笑

    本作の著者、三津田信三先生の元に河漢社の
    三間坂秋蔵がある三つの怪談話を持ち込んできた
    事にこの話は始まる。
    一見バラバラに、見える話だったが…ある類似点を見つけた2人は導かれるように、はたまた取り憑かれたようにバラバラの怪談話の繋がりを探す事に……

    冒頭からお願いと称した文章から始まており
    これは『実話ですよ』と言う事を読者の頭に叩き込む!まぁ〜軽めのボディブローを喰らう感じですね。こんなへっちゃらだぜッ!!

    しかし……中盤あたりから徐々に怪談話の恐怖に
    慄きそれに伴い、これって実話ですよねー(⌒-⌒; )と
    冒頭のボディブローが徐々に効き始める。
    しかしそれだけでは終わらせない。
    三津田信三先生による読者を恐怖に陥れる。
    必殺技の『自己責任でお願いします』
    うわーこれ言われたらもう無理!無理!(T^T)
    確実にページを捲る手が止まる事間違いなし!
    間違いなく躊躇してしまう。
    だが…ここで止めるわけなでしょ!
    いざ!勝負の後半戦開始!!

    読み終わってみると…惚れ惚れしてました。
    三津田信三先生に…( ⸝⸝ʚ̴̶̷̆ ̫ ʚ̴̶̷̆⸝⸝ )
    だってめちゃすごかったんだもん
    先生による5つ怪談話の考察が面白すぎる!!
    文献などを用いてしっかり考察してくれる
    願わくば僕もこの場に居たかった〜(⸝⸝o̴̶̷᷄ ·̭ o̴̶̷̥᷅⸝⸝)
    それぐらい読み応え抜群のラストでした〜
    今回は怖さと面白さが丁度いいバランスで
    とてもよかったです。
    さてさて…次作はまた次の機会にと思っていましたが!
    もうこれは!続けて読むことにしましたよ!!
    ( •̀ᴗ•́ )و

  • 【どこの家にもいてほしくない 〜こわいので天気のいい風の少ない日に暖かい部屋で一気に読みましょう!〜】

    この手のホラー系ってのは
    物音を絡めてくるじゃない。
    ジャッジャッ
    これは普段きいたことないけど
    (途中でどうか、かの妖怪小豆洗いの物音であってくれと祈ってしまったじゃないか)
    コロッと小石が転がる音とかは
    するじゃん!
    あられとか降ったらさー
    するじゃん!
    本書では屋根で小石の転がる音が〜
    ていう怪奇現象が出てくるんだけど、
    今これ読んでたのはちょうど大寒波ですわ。
    ビュービュー風がふき
    ポトポトと水の垂れる音がし
    こわいのなんのと言ったらない

    そして、そんな音がしたらどうぞ途中でも本を閉じてくださいって注意を促すのよ。
    怖がらせ方うまいよね…
    最後参考文献とかも載せてて
    そのあたり本当にある文献なの?
    すごい気になるけど調べたくないなぁ…
    と思わせ方も秀逸じゃん。
    心拍数あがりながら
    怖いもの見たさで読み切ってしまった。
    しびれるーっ

  • 短い一つ一つの怪談が実は全て繋がっている……というのは私のとても好きな手法。

    最後のシーンを読んだ時、ちょうど旅行中で千葉県のホテルに滞在していたので少しゾッとしました。

  • とても怖かった。単純に恐ろしい描写が多い。作者と同名の人物、三津田信三と、三間坂秋蔵が、《家》に関する五つの怪談の奇妙な類似を調べる。ミステリ的な要素もあり、終章ですべての話がつながり伏線が回収されていた。

  • 実話階段っぽいホラー小説。実際には違うのかも知れないがもし自分の家や周辺にそんなことがあったらなと考えるとゾゾっとします。それとこの本を読んでいる時に部屋のドアが勝手に開きました。偶然ですよね


  • 初めてこの方の作品を読みましたが、出し惜しみせず濃い作品だな、という印象。
    前置きが長いけど退屈しない、むしろワクワクするホラー好きの豆知識を披露してくれ、さらに深い本題へ。
    異なる複数の怪談がどこか似通っていて著者と編集者がその謎を辿って行くストーリー。
    そのそれぞれの話がまずめちゃくちゃ怖いし、参考に話に上る記述もいちいち興味をそそられる。
    怪談好きには堪らない構成。

  • とにかく割れ女の話が怖すぎて、息を止めて読んでました。怖い。
    光子の家の話より、割れ女の話のほうが不気味で悲しく、印象的でした。
    屋根の上で踊る老婆とかも実際見ちゃいそうで恐ろしい。
    最後はあっさり終わったけど、文献で見つけたものだからそういうものかなと。
    家が今でも存在し、怪異が終わっていない、ということがいい読了感でした。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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