チャップリン 作品とその生涯 (中公文庫 お)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064010

作品紹介・あらすじ

「このような時代においては、笑いは、狂気に対しての安全弁となるのです」。四〇〇巻のNGフィルムを全て閲覧した著者が、初期の短編、『街の灯』『独裁者』等の名作から幻となった遺作「フリーク」まで、喜劇王が作品に込めたメッセージを読み解き、新たな実像を提示する画期的評伝。文庫書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 著者のチャップリンへの私淑、傾倒が読み取れる。誕生から最終に至るまで、詳細な作品系譜の説明があり、21世紀になって直接語られることがめっきり少なくなった(と思われる)喜劇王の圧倒的な才能と努力を日本語で定着させる貴重な本になっていると思う。

  • 副題にある通り、チャップリンの作品を時代を追って紹介しながら生涯を辿る。簡潔ながら貴重なエピソードも随時挿入されており、著者のチャップリンに対する深い情愛がうかがえる。新潮文庫に入っている『チャップリン自伝』と合わせて読めば入門篇としては十分。

  • 黄金橋時代は様々な点で、それまでの潮流と言える。先ず以て、本作はチャップリンの特徴である喜劇と悲劇の融合一つのの極点となっている
    私は喜劇人だが、世界旅行で恐慌後の世界の現象をみると、経済人が喜劇人である程度には、私も経済人であるべきだと思った
    逸男の職業は何かと問われると、政治家と言うより先どうかと言ったほうがぴったりくる

  • 最も印象に残るラストシーンはどの映画のものか?と問われたら、迷わずチャップリンの〝街の灯〟を第一番目に挙げます。チャップリンは喜劇映画を芸術の域に高めた人と言われますが、このラストシーンを観れば、誰もが納得するのではないでしょうか。
    完璧主義のチャップリンは、NGフィルムはすべて処分するように指示していたそうですが、スタッフが密かに保管していたものが、近年大量に発見されました。著者は映画はもちろん、すべてのNGフィルムに目を通したそうですが、それが許されたのは、著者を含め、世界にたった3人だけなんだとか。
    本書にはチャップリンが映画にかけた情熱と、製作の秘密、波乱の生涯が綴られています。
    あらためてチャップリンの偉大さを知ることになりました。やはり彼は、映画のために天に選ばれた天才だったのですネッ。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 『黄金狂時代』『モダン・タイムス』『ライムライト』。色あせぬ珠玉の作品群と喜劇王の生涯を最新の研究成果を元に語る。世界初公開を含む収録写真170点。

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