名作うしろ読み (中公文庫 さ 73-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122062177

作品紹介・あらすじ

『雪国』『ゼロの焦点』から『赤毛のアン』まで、古今東西の名作一三二冊を最後の一文から読み解く、丸わかり文学案内。文豪たちの意外なエンディングのセンスをご覧あれ。

感想・レビュー・書評

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  • 名作やずっと前に読んで内容を忘れてた話の最後の一文が斎藤さんの解説とともに紹介され、大作も読めるかも⁈という希望が持てた。『細雪』『詩のこころを読む』『抱擁家族』読みたくなった。

  • 「古今東西の名作132冊をラスト一文から読み解く」
    つまり、名作の書き出しの一文は有名になるのが多いですが、作品最後の一文は忘れられてしまうようだ。

    例えば超有名な「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」の『雪国』末尾は覚えてない・・・。また、「下痢はとうとう止まらず、汽車に乗ってからも続いていた」というラスト文、わたしは「お見合いに行く令嬢に、これ、ないんじゃないのぉ!」とよく覚えていましたけども、この『細雪』の書き出しは、「はて、何だっけ?」

    斎藤さんはほんとにいろいろな切り口を見つけ出しますね。
    総数132冊、おもしろい名作案内でした。(続編もある)

    このような名作ガイドを読むとき、長年本に親しんでいたわたしは非常に嬉しくなります。
    ま、132冊のあれもこれも読んだからこそ、わかる文学論、いえ、高級文学ブログ本です。
    新聞連載をされて、まとめてあるものですが、もうブログのように楽しく読める文学案内ですから。
    1ページごとに一作品、簡単な作者略歴、時代背景がまとめられていて見やすい。

    なお初版発行年数が西暦なのもいい。もう、明治大正昭和では時代がつかめない。あ、それからここには平成の時代に発行された本は取り上げられてないですね。名作は30年かかって出来る!?

    ええ、ええ、国語文学史のサブ教科書を読むなら、こちらの方がよほど頭に入りますよ。

  • 自身の読書量の少なさを痛感。世の中まだまだ面白そうな本があるではないか。
    ビジネス書がどうしても増えていくなかで、過去の名作もしっかり読みながら、人間力を高めなければ。目次コピーして、手帳にしのばせ、紹介されている本を少しずつ、意識的に読み進めよう。著者とは違う感想や視点を持てると尚よい。

  • とはいえ、末尾の一文一場面「のみ」に特化して読み解いてゆくということでもなく、粗筋もわかるし冒頭の一文が紹介されているものも数多くあるし、作品によっては発表当時の時代背景などに言及しているところもあって、つまるところが見開き1ページで読める読書案内。

  • 最初も最後も印象的なのは「走れメロス」でしょうか。名作の最初と最後を書き出して比較するのも面白いかなと思いました。ピリッとした解説が良いですね。

  • 冒頭部分を取り上げることはあっても、最後の文を取り上げることは少ないという、着眼点に惹かれ拝読。
    名作へのとっかかりのひとつとしては面白いと感じるけど、個人的にはやっぱり書き出しのほうがその後の展開を秘めている感じがして好き。

  • 冒頭「<国境の長いトンネルを抜けると雪国であった>(川端康成『雪国』)<木曽路はすべて山の中である>(島崎藤村)『夜明け前』本は読んでいなくても、なぜかみんな知ってる名作文学の書き出し、すなわち「頭」の部分である。では同じ作品のラストの一文、すなわち「お尻」はご存じだろうか。」
    末尾「評論のラストはとかく説教臭くなるのが問題なのだ。」

    冒頭に書かれているように、各作品のラスト一文に注目した書評集。およそ3分の1の作品は読んだことがあって、紹介文を読むとその内容を思い出したりそんなに思い出せなかったり。というか、自分ではなんとなく読み過ごしてしまっていることが多くて、斎藤さんの書評を読むと「へー、なるほど」と思うことばっかり。ズバズバ切れ味良く切り込んでいく感じ、気持ちいい。文豪だろうが名作だろうが容赦ない。

    他の書評家とか知識人が紹介する作品と重なるものも多く、やっぱり名作というのはみんなが薦めるんだなと思った。本作中の12作品は積読済み。また少しずつ読んでみたい。
    齋藤さんの『文庫解説ワンダーランド』という本も積読済み。この切り口もまた面白そう。

    今年の頭から少しずつ読んできた。この本を読み始めてから、ブクログでその本の書き出しと末尾を記録してみることにしている。

  • 本の本

  • 2017.10.1一箱古本市にて購入。

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著者プロフィール

1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』(筑摩書房)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で小林秀雄賞。他の著書に『紅一点論』『趣味は読書。』『モダンガール論』『本の本』『学校が教えないほんとうの政治の話』『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』等多数。

「2020年 『忖度しません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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