出雲の阿国(上) (中公文庫 あ 32-11)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122059665

作品紹介・あらすじ

歌舞伎の創始者として名高い、出雲のお国は「城一つ持たぬが、天下一になった」女である。しかしこの、芸能を愛する者の「永遠の恋人」は、歴史書にはわずかにしか登場しない。大きく揺れ動く時代の中でお国はどう生きたのか。丹念な取材から見えてくるのは、この上なく陽気に、健やかに傾きつづけた女の真実である。本巻では秀吉の死までを描く。

感想・レビュー・書評

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  • 歌舞伎の始祖「阿国」の生涯を描いた、有吉佐和子畢生の大作。文庫で上下巻1,000ページ以上の長編だが、阿国の踊りにかける情熱と、阿国をとりまく男達の愛憎を描いて、息もつかせずに読ませる。

  • 歌舞伎の創始者、出雲のお国の物語。
    お国は出雲の村にいいなずけを置いて、村の娘たちと唄って踊る一座として大坂に稼ぎに出る。
    武将ではなく庶民の立場から太閤秀吉の時代が描かれていて面白かった。「天下さま」の気まぐれで城の普請にかりだされ、百姓は土地に縛りつけられ、民の暮らしはよくならない。「天下さま」って何がそんなにえらいのか?と素朴な疑問を持つ。上巻は、その秀吉が亡くなるあたりまで。

  • 戦国の世に芸一筋に生きた女性として、出雲の阿国の凛々しい姿を描いた歴史小説です。

    「身の内には火が燃えている」と評されたお国は、故郷の出雲を出て大阪で念仏踊りを披露します。そんな彼女が、秀吉に仕える大村由己梅庵に見いだされ、続いて観世座を飛び出した三九郎という男と結ばれます。彼女とともに出雲から大阪へやってきたお加賀たちは、やがて故郷へ帰りもとの暮らしへと戻っていきますが、ひとりお国だけは、みずからの内に燃え広がる踊りへの情熱を捨てて故郷へ帰ることを拒んで、京の都で踊り続ける生活を選びますます。しかし、客の前で踊って喝采を浴びることに情熱を注ぐお国と、天下人となった秀吉に接近しようとする梅庵や三九郎との間には大きな溝があり、そのことが彼女の運命を思いもかけない方向へと動かしていきます。

    本書について著者は、「この小説には私の、精一杯の芸術論のようなものを叩き込んであります」と語っていたとのことですが、実際に読んでみた感想としては、「芸道」よりも「女性」がテーマになっているような印象を受けました。もちろんお国の歌舞伎に対する情熱はさまざまな形で見られますが、むしろそうした情熱に動かされて戦国の世を生き抜いた一人の女性の姿に心を打たれます。

  • 2015/02/11

    有著煉鐵父母血統的お国出雲長大,由於斐伊川常常氾濫,當地農民常常出去賺錢,他們一行來到天滿跳舞,遇見大村梅庵。大村是秀吉旁邊常常幫忙撰寫天下人偉容文章的幕僚,將阿國「塑造」(仕立て)成出雲巫女的形象。阿國在大村處那裡認識了傳介和從觀世座脫離的打鼓的三九郎,瘋狂地迷戀上三九郎。阿國曾經賭氣要去看伏見城,在雪中流產。後來一座遊走於有錢人間,最終來到京都四條河原落腳。
    三九郎的野望是要在天下人前跳舞,阿國覺得在民眾間跳才會大家一起歡樂、沈醉,兩人的目標極為相左。三九郎在河原也只是暫時棲身,希望可以讓貴人看見,但遲遲無法實現,後來就跑到傾城街買醉。曾經一次秀吉在世時曾被西之丸召見,阿國燃起女人/失去小孩而不孕的對抗意識,和西之丸進行了無聲的較量,西之丸就拋下不潔的語句離開,三九郎不知道發生什麼事,感到很沮喪。
    秀吉死後德川家勢力強大,依附其下的觀世座也開始得勢。三九郎以前自觀世座出奔,下注錯誤感到更加失望,更加地不悅。而阿國雖然曾經經過三九郎女人風波、九藏在京都出現的驚恐後,雖然目標不同仍然巴著三九郎不放:但自從情同姊妹的阿菊參加一座,阿國就把她視為己出,把所有的熱情灌注在她身上。
    離開出雲12年,阿國們在四條河原小屋表演,某一天童年時曾看過阿國表演的山科言緒要求他們表演給天皇看,接著去近衛前子處表演,相當受好評。三九郎開始意氣風發,阿菊也覺得跳給貴人看比跳給庶民看好多了。
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    雖然戰國時代以前已經讀過好多本,但這裡面寫得風俗民情都是之前不知道的。出雲的風景,刀狩令和檢地令怎麼綁住農民、固定階級:祇園祭、京都人看巡幸和大名行列打扮、最前衛的南蠻風打扮等等。另外阿國的心裡描寫、和茶茶長期以來的對抗意識也寫得很有意思。

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著者プロフィール

昭和6年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学英文科卒。昭和31年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』など話題作を発表し続けた。昭和59年没。

「2023年 『挿絵の女 単行本未収録作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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