暗闘(上) - スターリン、トルーマンと日本降伏 (中公文庫 は 62-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055124

作品紹介・あらすじ

太平洋戦争をどうやって終わらせるのか?ポツダム会談は、スターリンとトルーマンの熾烈な戦いのはじまりだった。それぞれの黒い「時刻表」をめぐって野望と思惑と駆引きが交錯するようすを、国際的文脈から完璧に描き出す。読売・吉野作造賞、司馬遼太郎賞受賞作の単行本に新情報を追加した決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 第4章ポツダム会談は必読です。

    • katsさん
      第4章ボツダム会談は必読です。
      第4章ボツダム会談は必読です。
      2011/12/30
  • うーん。

    これは小説なのか。ノンフィクションなのか。
    全体に甘い感じが漂う。
    まあ、いろんな思惑の交錯は面白いのだが、スターリンも、ルーズベルトも普通の人として書かれていて、コミュンテルンの存在スルー。
    南京事件の発生と言及された時点で興味失せ。

  • ◎名著。
    【内容】太平洋戦争終結の裏に隠された冷徹なる日米ソの駆け引き。
    ・原爆を投下するための有力な根拠となった、日本上陸作戦「オリンピック作戦」100万人死傷説は誇大であり、実際の統合参謀本部の見積もりでは、6万3千~19万であった。
    ・モスクワへの近衛特使の交渉案「和平交渉に関する要綱」で通常伝わっている皇室、領土問題以外に注目すべきは、海外にある若干の軍隊を現地に残留させ、「賠償として一部の労力を提供することに同意」するとしていることである。
    ・トルーマンは米英軍事指導者による無条件降伏の修正緩和案の提案を、真珠湾攻撃への復讐からにべもなく却下した。
    ・と同時に同じ理由からソ連参戦前に原爆を投下されなければならないと考えていた。
    ・原爆投下命令は大統領の許可は取らず、軍事指導者の命令によりおこなわれた。
    ・ポツダム宣言発表直前に原爆2発が使用可能になった。そのため、ソ連参戦が必要なくなり、ポツダム宣言からソ連を除外した。
    ・トルーマンはポツダム宣言を発表時には日本がそれを拒否することを知っていた。それでもあえておこなった。その意図としては、それによって原爆投下を正当化できると考えていたからではないだろうか。

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。ワシントン大学で博士号取得。1977年アメリカ市民権取得。北海道大学スラブ研究センター教授、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部教授などを歴任。ロシア史、日露関係を専門とし、冷戦史研究も手がけている。日本語になった著書は本書(初版は中央公論新社2006、その後中公文庫・上下巻、2011)のほか『ロシア革命下ペトログラードの市民生活』(中公新書1989)、『北方領土問題と日露関係』(筑摩書房2000、1998年刊の原書は大平正芳記念賞)がある。本書の原書Racing the Enemy: Stalin, Truman, and the Surrender of Japan, Harvard University Press, 2005はRobert Ferrell Award、2006年刊行の日本語版初版は読売・吉野作造賞、司馬遼太郎賞を受賞、本書の原書版にもとづいてフランス語版(2014)、韓国版(2018)、ロシア語版(2022)も刊行されている。

「2023年 『暗闘 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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