- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122054448
作品紹介・あらすじ
アウシュヴィッツに送られたユダヤ系ポーランド人のレナと妹のダンカ。死と隣り合わせの過酷な状況にありながらも、レナは妹を守り、生き延びると誓う。わずか二十歳の女性を支えたのは、希望、理性、そして愛する者との絆だった。時代、国籍を越えて人間存在の尊さを謳う奇蹟の体験記。
感想・レビュー・書評
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文庫になったと知り、手元においておきたかったので購入。
大震災の今読み返すと、改めて人間の精神力というものの強さを感じる。
人は日常の中でいろんな困難に立ち向かうが、究極になったときに変わるのではなく、生きてきた過程でその一つ一つの出来事を消化するのかが、結果大きいことが起こったときに出るだけで、そのことの大小はあまり変わらないと思う。私にとって貴重な学びのひとつだった本です。 -
ごく初期にアウシュヴィッツへ収容されながらも妹とともに生還した女性の記録。
ホロコーストの実体験を記す書籍で、女性によるもの、それもこれほど克明なものはほかにあるのでしょうか。
私は初めて知り、読みました。
(男性なら『夜と霧』がありますね)
過酷や壮絶という決まりきった形容詞を用いることがはばかられる。
意図するとしないとにかかわらず記憶が変容していたり、ここには語られていないことも多々あるでしょう。
それをふまえてもここに書かれた事実のあまりの重さに打ちのめされる。
妹や家族を想う心と魂の尊さ、人としての誇りを保つ壮絶な決意に揺さぶられる。
少女のみずみずしい可憐さ、哀れさに胸をしめつけられる。
一冊の物語としてとてつもない力をもっています。
たぶんもう一度読み返すと思う。
口述をみごとにまとめあげたヘザー・D・マカダムの手腕も見事でした。 -
翻訳の先生に勧められて読みましたが、こんなに凄い内容が残った上に日本語に翻訳され読む事が出来た事が嬉しいです。
レナと妹ダンカが生き残ったからこそ、後世に残す事が出来た真実でした。
途中で読むことをやめることが出来ず、只ひたすら彼女らが自由になるまで読み進めてしまいました。 -
壮絶。でも人間ってすごい。
で、こういうのを読むたびに、イスラエルが占領地でやってることが理解できない。
心掛けとして持っておきたいですが、、、なかなか「常在戦場」とはいきません。精々「悲観的に準備して楽観的...
心掛けとして持っておきたいですが、、、なかなか「常在戦場」とはいきません。精々「悲観的に準備して楽観的に行動」出来るくらいでしょうか?