黒船以降: 政治家と官僚の条件 (中公文庫 な 46-11)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051126

感想・レビュー・書評

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  • 山内先生はどれだけ博学なんだ。日本史の対談もできるとは。論理がきちんとしている人の空想にしては大胆すぎる発言もしばしば。
    砕けた対話形式での会話の引出し手として、中村氏もすごい方だなと思う、ただ「大隈綾子が小栗上野介の養女」とか、出典不明の俗説が混じっているのはいただけないか。
    旧幕臣の義侠心や、それを生んだ保科正之などの名君、そして新政府側の好戦的体質、何より水戸国学の害悪についてきちんと総括しているという点で、
    一般向け歴史書としては司馬●太郎の何倍もよい本だと思う。小説家は雄弁である以前によい聞き手であるべきだし、資料の読み手でなければならない。

  • 徳川斉昭と水戸学。理念先行の尊皇思想は非常に貧しい藩財政の中でこそ生まれたこと、斉昭が先を見通せない単なる攘夷家だったこと、明治維新後も天狗党と諸生党との死闘が続いたこと、などなど、興味深かった。明治維新後、尊皇攘夷思想のエネルギーが開国攘夷、すなわち大陸進出へとつながった、という見方も面白い。水戸光圀が宗祖の水戸学が明治維新のみならず太平洋戦争に続く思想へと続いていたとは。

  • 本書はその名の通り黒船来航以降の幕末史に関する対談の記録である。
    色濃内容であり両氏の博覧強記ぶりには舌を巻いてしまう。幕末好きにはたまらない内容なので好きな方にはオススメです。

  • ま、対談ですから。

  • 幕末史は近年、西洋一辺倒を再評価する流れから良書が多いですが、本書もそれに当たると思います。
    黒船以前とあわせて、お読み下さい。

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著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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