曹操残夢: 魏の曹一族 (中公文庫 ち 3-42)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122050228

感想・レビュー・書評

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  • 「曹操」の続編。
    曹操、劉備、孫権の後が描かれていておもしろいのだが、フォーカスがあまり絞られずに、全編通じて「エピローグ」的な印象。
    強いて言うなら曹植が主軸なんだけども。
    また、出典が雑誌での連載であったためか同じエピソードが何度も繰り返されていて、「その話はさっきも出てきたよ、、、」と少し興ざめの感もあった。

  • 『三国志』における私の推しは、何を隠そう、曹操です。この作品は、曹操の死から始まりますが、魏の衰退が冷静に語られるのが切ないです。

  • 曹家物語。
    詩がたくさん登場するので、曹植ファンにおすすめ。

  • 三国志の主人公の一人である曹操の死後の物語。『三国志』は、諸葛亮孔明の死で終わるが、歴史は続いていく。偉大なる英雄の後も体制や国勢を維持することは、なんと難しいことか。
    曹一族は、対立を回避するため皇帝に権力を集中し皇族の勢力を削ったが、皇帝のピンチに皇族が助けることができず、一族は権力を失う。後に続いた帝国である晋では、この反省から皇族に勢力を持たせたが、皇族同士の内乱で滅亡する。どないしたら、ええねん、、、

  • 曹操の死後からスタートするその後の三国志。というよりこれからが本当の三国時代なのだが主役不在の感は強い。
    曹丕と曹植の仲について新しい解釈がなされていると思います。

  • 2014/01/09【古】 80円

  • 古本で購入。

    『曹操 魏の曹一族』の続編。
    前作のラストで曹操は死去しているので、彼自身は登場せず。
    続編の本作では、その息子たちの時代から司馬氏によって魏が滅ぶまでが描かれます。

    これまで陳舜臣の作品は幾つも読んできたけど、その作品の特徴は「物語に大きな波乱・起伏がないこと」だと思う。
    どんな乱世を描いても、何と言うか、とても穏やか。
    それは本作も同様で、たぶん作者の描きたいのは血腥い戦国絵巻じゃないんだろうね。

    唐代に杜甫が現れるまで「詩聖」と謳われた曹植を主人公格にして、曹一族の栄枯盛衰を語る。
    感覚的には、合戦シーンをはしょって家族のドラマを描く最近の大河ドラマに近い。

    「三国志モノ」として読むとちょいと物足りないですな。
    諸葛亮を天才軍略家とするのは個人的に肯けない部分。要は全体として何か軽い。だからすぐ読めちゃいます。

    ただ、中国の周辺部を巻き込んだ「東アジア史」として三国時代後半を描写しているあたりがなかなかおもしろい。
    解説にあるとおり、東アジアの各地で世界が広がっている様子が感じられます。

    最後に注意点。
    この作品、呉ファンは読んじゃダメです。陳舜臣の呉に対する評価低すぎ。
    僕は呉嫌いなので全然構わないんだけど。

  • 逸話に次ぐ逸話で本筋がわからなくなる

  • 曹操の死から始まり、魏の滅亡でしめくくられる。曹丕、曹植の世代が長く、そこが終わると急に駆け足になる。曹丕が親族を弱めすぎたと言うのはあるんだろうけど、もうちょっと長生きしていれば違ったんだろうな。

  • 漢と魏の禅譲から尊い歴史をもつ皇室は
    大事にいとおしんでいかないとと思う
    今日この頃です。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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