修理さま雪は (中公文庫 な 46-4)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045798

感想・レビュー・書評

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  • 幕末会津藩の短編集。しみじみ悲しくて味わい深い物語だった。

  • 幕末の会津の人々を取り上げた短編集。
    神保雪、中野竹子、西郷頼母、山本(新島)八重、飯盛山の農民、、
    表題の 修理さま雪は が読みたくて手に取ったのだけど
    残念ながら修理没後の話だった。。
    一般に史実だと信じられている話よりこちらのほうが信憑性高そうだけど
    できればそうであってほしくない。

    八重の桜が大河決定のかなり前に出版されている本。
    ドラマでも出てきている人物たちの細かい描写興味深く読み進めた。

  • 「修理様 雪は」読了!

    幕末会津藩関連の短編7集。
    ちょうどNHK大河ドラマ「八重の桜」と重なります。

    取り上げられているのは各編、神保雪、中野竹子、西郷頼母、山本八重子、飯盛山の農民、鈴木為輔、郡長正という7名

    表題の「修理様 雪は」・・・神保修理の妻・雪が敵に捕まり陵辱され自刃するまでの哀切極まる末路。ドラマでは芦名星が演じています。

    「涙橋まで」・・・才色兼備で薙刀の名手、中野竹子の壮絶な最期を書いた作品。
    ドラマでは黒木メイサが演じています。

    「残す月影」・・・会津籠城戦を、男装して戦った山本八重の生涯。
    砲術師範の娘に生まれた八重は、銃砲の取り扱いに優れ、その才能を生かして果敢に戦う姿を描いています。まさに大河ドラマの主人公で綾瀬はるかが演じています。

    「第二の白虎隊」・・・萱野権兵衛の遺児・郡長正が、会津武士の名誉を守るため留学先で切腹を遂げるまでの経緯が悲しい。

    7つどの作品にも男女それぞれのドラマがあって、どれも興味深い。
    白虎隊の遺骸から金品を盗み取った百姓の話し以外は会津魂ここにあり!…を感じる事ができました、

    特に「修理様 雪は」は独特の味わいがあって好きでした。
    物語としてはとても悲しい話しですが。

    単行本・文庫本とも版元品切れ、中古のみ流通していて、自分は中古を見つけられなかったので
    iTunes ブックスで購入しました。

    2005年発行なので、大河ドラマのブーム目当てで慌てて書かれた物とは違い、
    しっかりと内容あります。

    「八重の桜」を毎週楽しみにしている人にはぜひお勧めの本です。

  • 以前に一度読んだのですが、『八重の桜』をみているうちに、もう一度読みたくなりました。
    『八重の桜』の解説書のようで、うなずきながら読みました。

  • 以前は会津のことはほとんど知識がないまま読んでいたので、再読しました。
    全7編の短編集

    「修理さま、雪は」・・・藩主松平容保の側近 神保修理の妻 雪子の物語

    「涙橋まで」・・・現在も"会津女性の華"とよばれる中野竹子の物語

    「雁の行方」・・・家老 西郷頼母改め保科近のりの晩年

    「残す月影」・・・新島(山本)八重の人生劇

    「飯盛山の盗賊」・・・白虎隊の悲劇の裏側

    「開城の使者」・・・会津降伏の使者となった鈴木為輔の物語

    「第二の白虎隊」・・・降伏から数年後、豊津藩へ留学していった郡長正と少年たち


    官軍側の薩摩・長州側の人たちからみれば、一方的に会津側に立った著者の本はどれも受け入れにくいかもしれないですね。

    会津で生き残った者の中でも、充実した人生を送った新島八重もいれば、西郷頼母のように何時も死に場所を失い孤独な人生を送った者もいる。
    人生って一体なんなんだろうなと、ふと考えさせられます。

  • 歴史に基づきながらも、小説として描かれているので、当時の複雑な事情もかなりわかりやすかった。
    これまでの歴史書では堅苦しく、難しいものが多かっただけに、小説として読むと心情的な部分で共感しやすくなり、この時代に生きた人々の痛み苦しみが強く迫って、辛かった。
    意志を以て人生を選び取った女性もいれば、時代や立場に従い全うする人生だった人も。壮絶な人生を送った女性たち。ただただ凄まじさに圧倒されるばかりでした。

  • 戊辰戦争での会津藩を舞台に描いた短編集。「修理さま 雪は」「涙橋まで」「雁の行方」「残す月影」「飯盛山の盗賊」「開城の使者」「第二の白虎隊」の7編収録。強くて悲しい話たち。

  • これは会津の戦いで運命に大きな影響を受けた7人が取上げられている。取上げられているのは神保雪子、中野竹子、西郷頼母、山本八重子、飯盛山の農民、鈴木為輔、郡長正という7名である。
    7人の男女に各々のドラマがあり、それぞれに興味深い。個人的には「その後の西郷頼母」を綴った作品が面白かったが、標題作の『修理さま 雪は』の“あじわい”が非常に好い。

  • なんかうける彰彦の口調。

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著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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