國語元年 (中公文庫 い 35-17)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122040045

感想・レビュー・書評

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  • 日本語に敏感な井上ひさしならではの戯曲。
    よくもまあこれだけ、方言を書けるなあと思うのだが、今まで井上ひさしがやってきたものの集大成なんだよな。
    岩手の言葉は賢治の小説があるから、遠州の言葉は新訳遠野物語があるから、吉原言葉は吉原の小説があるから。
    一つ一つの仕事をきっちりやってきているから、身についているものがあるんだろう。

    維新により、国境がなくなり、言葉が変っていく様子が、ほのぼのとしたお家の中で、しっかりと描かれている。
    一人一人のキャラクターがいいし、それぞれが無駄のない動きをしている。
    同じ戯曲書きの、シェークスピアに近いものがある。

  • お国言葉に由来するドタバタ劇、最高!

  • ことば

  • 図書館で。
    昔NHKで放映されていたの覚えてるなぁ。そのドラマの台本のようです。懐かしい。
    初ものを食べて東を向いて三回笑う女中さんとか、ふんどしの言い方とか結構覚えてるなぁ。そんな簡単に言語統一が進まなかったという終わり方も覚えてる。
    確かに再放送しても良さそうなものだけれどもしないのかな。今更、なのかしらん。

  • 脚本形式の小説は久しぶりに読んだ。
    以前、読んだのはたしか『父と暮せば』。
    同じく、井上ひさしの作品である。
    基本語彙以外の言葉、鄙の特産物などをどう統一した後の言葉で言うのか家族中で考えているところが面白かった。数日後、こまつ座公演『國語元年』を観に行くのが楽しみである。

  • 終わり方が情けないのでカタルシスが得られない。
    それにしてもNHKドラマは面白かったな。言葉は語られてこそ生きてくる。

  • 2012/11/12読了

  •  薩摩に婿入りした長州人の官僚が,新政府のため日本語(話し言葉)を統一しようと奮闘する話。この南郷家の使用人や書生,客も津軽,遠野,山形,名古屋,京都,会津と各地の出身で,意志疎通は大混乱。当時の日本の縮図?
     いやぁ,楽しい。お国訛りが飛び交うお屋敷。テンポの良いドタバタ劇。戯曲ってのもいいね。方言の音と意味をいっぺんに表すのにルビを大活用している。例えばこんな感じ。

    「困ったことがおこった!」に対して,ルビが
    「ヤツケナコツガトイヨセタ」

     これは薩摩弁。 ルビでは促音も拗音も同じ大きさで書くのでちょっと戸惑うところもあるのだけど,まあそれほど問題ない。方言て何か魅力的だよなぁ。よく調べて書いているし,さすが井上ひさし。

  • 昔ドラマで見たことがあり、面白かった印象があり、改めて読んでみた。
    分量としてはあまりないけれども、せりふを方言で読まないと意味がないので、読むには思ったより時間がかかるし、思ったより大変。
    もういちどNHKでリバイバル放映して欲しいと思う。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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