曹操: 魏の曹一族 (上巻) (中公文庫 ち 3-31)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122037922

感想・レビュー・書評

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  • 陳舜臣先生の「秘本三国志」も曹操にフォーカスして書かれていましたが、この本はタイトルからして私の推し「曹操」! やっと手に取ることができました。サブタイトルに「魏の曹一族」とあるように、後漢末の時代を生き抜いたイコール勝ち残った一家の中心としての曹操が語られているな、と感じます。一家のことだから、戦記物では表立つことが少ない女性たち、特に曹操の従姉妹・紅珠が生き生きとしています。

  • ほとんどの人の曹操像は、吉川英治の三国志(原作は、三国志演義)から作られていると思う。吉川三国志は小説としては面白いのだが、書にも、詩にも、政策にも、学識にも、戦略にも超一流の能力を発揮した曹操を劉備の圧倒的な敵役として描いているため単調な感は否めない。それと比較すると、陳さんの描く曹操は、圧倒的な才能に恵まれつつも、いろいろなことに思いを巡し、悩み苦しむ人間くささがあり、実に生き生きとした像を結ぶ。小説とはこうあるべきでしょう。

  • 曹操かっこいい

  • 三国志演義からは少し距離がある作品で、これを読んで改めて三国志演義のお話としての完成度の高さを思わされた。曹操主人公で言うと蒼天航路の方が個人的には好み。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    三国志の曹操の生涯を物語にした内容となっている。
    三国志で書かれるような大きな戦いや出来事についてはあっさりとした記述なのに対し、曹操が賦した詩や残した文、政策などから曹操がどのような考えを持ち、どのように感じていたのかを書いている
    また、仏教が徐々に進出してきていたことや西域との交易が行われていたことが書かれており、中々、新鮮な内容だった。

  • 『三国志演義』は有名だが史実に脚色を加えて面白く書かれている。『演義』では劉備目線であり、(弱小)蜀の丞相・孔明は人気の人物。自分も三国志を子供向けの本で読んだ時は劉備贔屓であった。陳舜臣は、曹操を主人公に動乱期を書く。今は、『演義』で悪役になりがちな曹操にとても興味がある。関羽と曹操の出会いと関羽を迎えたい場面がさりげないが、後々も曹操が関羽を引き止めようとするが、この数行が伏線にもなっているようで下巻での展開が楽しみである。

  • 正史にしたがっているだけにフラットなのはいいけど、やはり盛り上がりに欠けるし、あの長い三国志の話を2巻で終わらせると、どこかにフォーカスしない限り、流している、ように感じてしまった。

  • 三国志演義をベースとした吉川三国志は大昔に読んだけど、蒼天航路を読んで正史に基づいた三国志も読みたくなっていたところでたまたま見つけた本書。

    り、劉備が出てこない...こんなところで関羽が出てくるの!? と、吉川三国志とはかなり違うけど、曹操はかっこいいし充分面白い。

    下巻も期待です。

  • いつまでたっても黄巾の乱が始まらなくて、どこまで描かれるのか不安だったけど、上下巻でちゃんと曹操が死ぬまで描いてた。
    戦よりも曹操の家族親族についての描写が多く、下巻では跡取り問題で苦心する姿も。蒼天航路で飲んだくれていた曹植の裏には、こんなストーリーがあったのかと感心した。他にも、蒼天航路を補完するようなエピソードが多くあって興味深かった。
    そして曹操の関羽Loveはしっかり描かれている。

  • 上下巻

    陳舜臣の三国志もの、「諸葛孔明」を読んだのは中学生のときか?
    「諸葛孔明」は、兄・諸葛謹との関係性について特に重点をおいた作品だったが、「曹操」も父、息子の丕、植、そして従姉妹の紅珠といった身内との関係性を重点的に描かれている。

    曹操の合理性を尊ぶ人間性も垣間見えるが、陶謙、孔融に対して発露した残忍性のようなものがどのように生まれたのか、曹操という人物像がいまひとつ、自分の中で像を結んでいない感があるままに読了。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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