三陸海岸大津波 (中公文庫 よ 13-5)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122011496

作品紹介・あらすじ

『海の壁』 (昭和45年刊) の改題

感想・レビュー・書評

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  • (1989.03.22読了)(1984.08.21購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    明治29年、昭和8年、そして昭和35年。青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲劇をもたらした。大津波はどのようにやってきたか、生死を分けたのは何だったのか―前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。

  • この本は、昭和45年に『海の壁-三陸沿岸大津波』と題して書かれた本です。
    三陸海岸を襲った、明治29年と昭和8年の大津波、そして昭和35年のチリ地震による津波の状況を現地で取材して書かれました。

    それ以前にも、三陸海岸沿岸の町は津波の被害を何度も受けています。
    なぜ人々は津波を恐れて逃げなかったのでしょうか?

    それでも、この3度の津波から、三陸沿岸の人々は津波への警戒を強めていくことになります。
    特にこの本で取り上げているのは、岩手県田老町の取り組みです。海岸線へ防潮堤を作り、避難道路も整備し、昭和8年3月3日の大津波襲来を記念して、毎年3月3日に町をあげて津波避難訓練を行っています。
    そんな中、昭和43年5月、十勝沖地震による津波が襲来しました。津波は2メートルの波高でしたが、防潮堤が津波を阻止し、漁船に多少の被害があった程度で済みました。

    東日本大震災が起きたのは、3月12日。しかも、岩手県田老町は、巨大な防潮堤がありながらも大きな被害を受けました。そう、この本で津波対策を取り上げられている田老町です。昨年も3月3日に津波避難訓練は行われていたのでしょうか?

    この本が書かれたのは昭和45年。
    明治29年から昭和8年までは、40年弱。
    昭和8年から昭和43年までは、35年。
    昭和8年から平成23年までは、80年弱。

    大きな津波の被害が生々しく記憶に残っているかどうか?
    結局は、津波被害を防ぐ一番の方法は、これなのかもしれません。

  • 資料番号:011358280
    請求記号:452.5/ヨ

    『仙台市荒浜地区の図書館員による、あのとき役に立った本』
    ※今回、ゆうき図書館3月のイベント棚では、仙台市荒浜区で被災した図書館員の方に、ご協力頂いています。

  • 高台に逃げるしかない。平成23年の大津波でも実にシンプルにこれでしか対抗できなかった。無力さと共に歴史は繰り返されることを痛感させられた。

  • 明治、昭和、チリ地震、それぞれの津波のことがわかりました。明治まで「ヨダ」って言ったんですね津波のことを。それにしても、いつの時代も悲惨ですね。

  • 明治29年の明治三陸地震、昭和8年の昭和三陸地震、昭和35年のチリ地震津波を取材

  • この度の東北大震災の翌日に手にとりました。

    明治29年、昭和8年、そしてチリ地震津波。
    過去の三大津波の経験をもってしても、この度の津波被害は想像をはるかに超えるものとなってしまった。
    今回は、そこへ原発事故の恐怖までもがのしかかってきている。

    見えない相手との闘いは、この先もずっと続くのだろうかと思うと…

  • 三陸沿岸をおそった,明治三陸津波(1896),昭和三陸津波(1933),チリ地震津波(1960)の惨状を体験者の証言を元に再現.

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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