華の碑文: 世阿弥元清 (中公文庫 A 97)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122004627

感想・レビュー・書評

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  • 世阿弥(元清)の幼少期から亡くなるまでを弟の元仲の視点で語られた物語。単なるエンタメであった猿楽を能という芸術までに昇華させたサクセスストーリーであり、その中で政治に翻弄されたり、天才の葛藤があったり、BLがあったりとドラマチックな展開が、古めの淡々とした美しい日本語で描かれていた。大河などで映像化したらぜひ観てみたい。

    この本の後、もちろん「風姿花伝」を手に取った。

  • 当時の社会的な背景などがよくわかるものだった。とても熱烈で繊細な美しさのある小説だったが、文章は難しく読むのに時間がかかる。

  • 観世親子は将軍足利義満の加護の元、一世を風靡し、武家階級の教養となり今日に至る、と思いきや、将軍の交代や南北朝の余波に翻弄され続け、能楽の草創は不安定な時期でした。世阿弥は抜きん出た天才で、今日に至る能楽の高い芸術性を完成させた偉人ですね。冒頭から衆道のダークサイドが生々しく活写されますが、世阿弥のダークサイドです。衆に媚びない、不易の美を追求した孤高の男の物語でした。

  • 世阿弥の不変の美を描く孤独を描く。芸術家は本当に鬼の道だね。

  • 能楽堂へ見学に行くので予習のために読みました。
    世阿弥の弟の視点からの大河小説です。
    時代背景がよくわかった。現代まで残る芸にするための苦労というのがすごいなと思った。
    最後のページ、世阿弥が没したのは11月7日とあってびっくり。

  • 能の成立過程がよくわかった。

  • 世阿弥と足利義満の物語。最高に面白いよ。
    杉本苑子の本がほとんど絶版なのは本当に悲しい。

  • 芸に囚われていく兄世阿弥を、弟の視点から描く手法がとても興味深かったです。

  • 壮絶な物語でした。世阿弥の孤独な生き様に胸を打たれました。

  • 世阿弥の生涯を弟の元仲(竹若)の視点から書かれた話です。周りの人の世阿弥に対する気持ちが、みんな空回りしててやるせなかった。個人的に脇役の義満の息子の義円と元仲の息子の千代童の2人が印象に残った、というかオイオイと、汗を流しながら読みました。

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著者プロフィール

杉本苑子

大正十四(一九二五)年、東京に生まれる。昭和二十四年、文化学院文科を卒業。昭和二十七年より吉川英治に師事する。昭和三十八年、『孤愁の岸』で第四十八回直木賞を受賞。昭和五十三年『滝沢馬琴』で第十二回吉川英治文学賞、昭和六十一年『穢土荘厳』で第二十五回女流文学賞を受賞。平成十四年、菊池寛賞を受賞、文化勲章を受勲。そのほかの著書に『埋み火』『散華』『悲華水滸伝』などがある。平成二十九(二〇一七)年没。

「2021年 『竹ノ御所鞠子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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