教育激変-2020年、大学入試と学習指導要領大改革のゆくえ (中公新書ラクレ 653)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121506535

作品紹介・あらすじ

2020年度、教育現場には「新学習指導要領」が導入され、新たな「大学入学共通テスト」の実施が始まる。なぜいま教育は大改革を迫られるのか。文科省が目指す「主体的・対話的で深い学び」とはなにか。
自ら教壇に立ち、教育問題を取材し続ける池上氏と、「主体的な学び」を体現する佐藤氏が、日本の教育の問題点と新たな教育改革の意味を解き明かす。巻末には大学入試センターの山本廣基理事長も登場。入試改革の真の狙いを語りつくした。

感想・レビュー・書評

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  • 池上氏と佐藤氏が2020年大学改革を巡り、『高校』『大学受験』『大学』といったテーマについて、対談する一冊。最終章は山本廣基大学入試センター理事長を交えた対談となっている。

    本書は2019年4月に出版された本であり、記述式の導入・四技能の測定の見送り・延期の決定前の話である。
    両者が倒れた今、高大接続改革はとん挫したかのように見える。
    しかしながら、池上氏・佐藤氏、そして山本理事長の三者のコメントから、今回の決断がその結果が予期されていたこと、そして改革は決して終了していないことがわかる。

    文部科学省が実行しようとした『上からの改革』は急進的過ぎて失敗した。
    ただし、改革の背景に存在する、偏差値教育が行われる高校教育の弊害,全入時代にあっての大学の存在意義,即戦力・高度人材が求められる社会への対応は決して看過してよいものではない。
    教育関係者、受験生の親御さんだけでなく、様々な人びとに読んでほしい。
    そうして与えられるのではなく、自ら求める学習を漸進的に実行し、高校・入試・大学を変革してほしい。こうした『下からの改革』が重要なのではないか。

  • 対談形式でサクッと読めた。
    池上さんと佐藤さんの対談本は、客観的な視点から問題提起ができている印象がある。本書でも教育に対して、複数の問題提起がされていてどれも納得できたし、どうにかしないといけないと思った。

  • 四年生大学では実質二年半しか勉強する期間が無い。
    大学院進学を視野に入れると、五年八カ月勉強できる。

  • 池上彰、佐藤優による大学入試に関する対談。
    自分が大学入試を経験したのが40年前。それ以降、学校教育にはほとんど関心が無かったので、これまでの大学入試と学習指導要領がどうなっているのか全く知らなかった。当時(共通一次の時代)と共通しているのは、教育についての議論はずっと続いているという事。いろいろ入試の制度が変わったが、その都度問題が発生している事。正直、これまでの問題点を知らなかったので、対談の内容がよく理解できていないけれど、二人とも今回の改革の新テストを支持しているという事だけは判りました。でもこんな議論は、大学入試というものがある限り、永遠に続いて行くのだろうなと思いながら読みました。

  • 大学の職員として、高校が何を教えているのかということにもっと関心を持たなくてはならないと思った。それを知った上でないと、有効な入試やカリキュラムは構築できないなと感じた。
    また、それだけでなく一般人としても親としても、共通テストの問題を解いて、どんな学びが求められているか、国が求めているのか、ということに敏感にならないとと思った。
    あと、宗教についての理解を深めることも大切だなと思った。

  • 文章読解力 共通テスト

  • これまた”身になる読書術”から。同書からは、かれこれ結構読んだな。この二人の対談、特に最近は多く触れていることもあり、だいぶすんなりと主張が入ってくるようになってきた。それにしてもセンター試験、そんなにバランスが取れた良いものだったんですね。確かに言われてみれば、受験人数からして桁が違う訳だし、携わる人間もその分多いはずだしってことになると、質が上がるのも必然とは思えてくるけど。そして、センター試験が良い入門編になるってのも納得。ここで取り上げられたセンター試験哲学の新書を、ちょっと読んでみようかな、と。

  • 冒頭で、教育現場のエビデンスにもとづかない議論について批判している筆者。
    しかし、結局この本も、池上彰と佐藤優という2人の知識人がエビデンスにもとづかない意見を述べているだけだった。2人の対談内容自体は興味深いが、客観性にかける内容。残念。

  • 【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000940716

  • なぜ教育改革なのか。この論議は過去から継続しているが、この度の共通テスト導入がどのような経緯でもたらされたのか。さて、学校教育は複雑な社会構造を生き抜く市民育成の責務に耐えられるのか。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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