23区格差 (中公新書ラクレ 542)

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  • 中央公論新社
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505422

感想・レビュー・書評

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  • 東京23区は、それぞれ地理的にも個性豊かである。そこから、なんとなーくのイメージがそれぞれできているが、それらを定量的に評価したのがこの本である。
     切り口は高齢化、少子化、学歴、高収入、子育て、シルバー、就業などなど。元々、どのような街が発展してきたか、(大名屋敷→山の手→100坪の戸建ての世田谷や、埋め立て地→中心地→タワーマンション林立の中央区・江東区などのようなこと)が、その後の街の問題点(少子化による空き家問題、相続で細かすぎる区画)につながってくる。
     我々はなんとなくのイメージで判断しがちだが、家を買う・借りる、働くなどの判断をするときには、ちゃんと定量的な裏付けが必要になる。そういう意味で有益である。

  • 知名度順の通信簿
    新宿区 ひとり暮らしと外国人の天国
    渋谷区 東京のアイコン、スクランブル交差点ではじける自称主役達
    品川区 何でもあるけど何もない、お節介な商店街の街
    港区 ヒト、モノ、カネ、情報が集まる昼間人口トップの東京ドリーム
    世田谷区 奥様文化を象徴するサザエさんのまち
    目黒区 女性比率が高い住みたい街は財政面に課題を抱える
    中野区 若者が暮らす神田川の世界に子供はいない
    千代田区 お屋敷の麹町よりも人口が増える新神田っ子が都心再生の鍵
    中央区 人口増は日本橋>京橋>佃・月島、問題はオリンピック後
    練馬区 東京の田舎でクール・ジャパンのアニメが生まれた
    杉並区 パラサイト男子が狭い道をポルシェで駆け抜ける
    江戸川区 未婚者も一人暮らしも少ない家族が住む海抜ゼロメートル地帯
    葛飾区 一戸建ての穴場、ちょっと狭いが
    台東区 家業が支えるコンパクトシティ、ドヤ街もバックパッカーで生まれ変わるか
    豊島区 消滅可能性都市?は若い男が集まる
    大田区 よりもものづくりのメッカで世界に繋がる蒲田、田園調布の大森は変われるか
    板橋区中心地はない、しかし病院、大学、起業が多い
    墨田区 隅田川沿いに見どころが広がる職人とおかみさんの街
    文京区 丘の上の学生と研究者、谷千根は庶民のエネルギー
    足立区 区内最低所得も大阪よりも多く全国では勝ち組のヤンママの街
    江東区 21世紀の渋谷に成れるか?子供が多い人口増加地帯
    荒川区 都電荒川線が代表する昔からのコンパクトシティ
    北区 過成熟の街に大逆転はあるか

    資産価値では山の手かもしれない、でも住んで面白そうな街はむしろ谷底と水の近くにある。

  • ここから先の数冊の感想は、あまりにも業務が多忙で、読後すぐに書くことができなかった。
    事後的に、思い出しつつ、できるだけ短くまとめるようなつもりで記載を残すこととする。
    書いている時点で手元にない本もあり、不正確にならないように努めるが内容に記憶違いが含まれている可能性は排除できない。

    珍しく新書を読んだ。2015年に出ているということで、その当時にも読みたいと思っていたが、その後再び目にしたので、読むことになった。
    タイトル通り、東京23区について、ランキング形式の様々なデータの紹介と著者の考察などについて述べられている。
    データは出典も含めきちんと提示されていたうえで、著者がそれに基づき考察や見解を加えているものであり、その点、フェアな印象はある。ただ、そのデータから本当にその内容を指摘しても良いのだろうか?と思うような点もあった。
    その一方で、意外だと思うデータやランキングもあり、23区に関する雑学的な内容を取り扱った読み物として、素直にとても興味深く読めた。
    新書の形式だし仕方ないと思うが、例えば1つのテーマについて23区それぞれの状況を概観する場合でも、仮に文字通り23区分の記述をするようなことを考えると、うまく短くまとめるのは難しいのではないかと思う。
    つまり、どうしても、広く浅い説明や紹介になる面があるのは仕方ないのではないかとも感じた。
    自分の住んでいる区がランク付けやグループ分けであまりいい位置にいないと嫌に思うこともあるかもしれない。ただ、当然だがそれぞれの区に特徴があって、今後も東京に住むのであれば、なじみのない区も含めてもっと知りたいと思う。特に成立史のようなものもいつか勉強してみたいと思う。

  • 次に引っ越すならどこか?、自分が住んでいる地域の問題点は?など、身近な問題の検討材料になるかと思って読んでみたが、読み物としてはあまり面白くなかった

    もっとも、資料はそれなりに豊富で、目的意識を持って読むならリファレンスには使えるかもしれない。
    読み物として面白おかしく記述されても却って胡散臭く感じられるかもしれないことを考えると、そもそも読み物としての面白さを求めたのが間違いだったかもしれない

  • 少子高齢化の話とかの統計の話を見て、どうも東京(というか23区)だけは別じゃない?と思う事が多かったのでこの本を手にとってみた。少子化してないし都心3区では高齢化も止まっていると。高齢化は3区だけだったか。

    知っていることも意外なこともあって面白かった。
    東京で標準化の指標で便利なのは面積(人口だとなんでも千代田区が一番になるから)っていうのも知らなかった。へー。

    23区においても持つものは益々豊かに、持たざるものは…という富の集中が露骨に進んでるのね。

  • まあ一般的に言われている23区のデータを並べているだけという印象で特に目新しい情報はなかった。

  • 東京の田舎 練馬区

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001196604

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691671

  • こういう本はエンタメがその本質であり、モノの見方が主観的過ぎて結論が強引じゃね?と文句を垂れるのは野暮である。読んでる間が楽しければそれでよい。が、訳の分からぬ帰属意識が頭をもたげてくると、いろいろ思うところが出てくる。板橋区が”格差”上位に来ることはあり得ないが、江戸川区より下なのか!という心境も正直ある(江戸川区民さんゴメンナサイ。。。)。
    訳あって今は江東区に住んでいるのだが、最初板橋区と街の見え方があまりにも違うことに驚いた。とは言え、板橋と言っても三田線沿線と東上線沿線では雰囲気が異なるし、江東区も深川と砂町は別の街だ。一概に「〇〇区はこうだ」と決めつけるのはあまりにも乱暴だ。
    だが、これはエンタメ本である。こまけぇこたぁいいんだよ!と受け流すのが粋である。

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