東京駅「100年のナゾ」を歩く - 図で愉しむ「迷宮」の魅力 (中公新書ラクレ 514)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505149

作品紹介・あらすじ

赤レンガ、地下街、高層ビル…進化し続け100周年を迎えた東京駅。その複雑な構造を1分間で理解する暗号「川田十」とは?ビジュアルを使って、ディープな内側を紙上体験!「最適な待ち合わせ場所」「抜け道・寄り道・迷い道」「近未来予測」など、目からウロコのお役立ち情報満載。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルや帯から、もっとライトで俗っぽい内容なのかと思っていたら、建築家の先生がわりとしっかり建築の観点から東京駅の歴史を語っていた。
    東京駅という建築が、何を背負っているのかがよくわかり、この建物がもっと好きになった。

  • 東京駅開業100年の2014年に書かれた本。駅の建築構造と歴史を中心に、中央駅たる東京駅を語る。

    東京駅の構造を語る上で良く出てくるらしい「東京駅 ×一トU 川田十(バツイチというかわだじゅう)」という言葉が度々出てくる。その構造を語呂良く(?)まとめたものらしい。日本の発展と共に継ぎ足され、出来上がっていった形だ。

    その歴史から赤レンガに象徴される建築様式まで、駅ひとつで一冊の本が出来てしまうのはさすが。東京駅以外に、地方の駅でもこんな本があれば面白そうだ。

  • オススメコメント「東京駅の駅長も驚いたことを見てみましょう!」

  • 【つぶやきブックレビュー】12/20は東京駅のお誕生日(開業日)だそうです。102周年。

  •  東京駅の歴史をいろんな角度から切り取った一冊。
     本書によれば、1872(明治5)年、新橋~横浜間に最初の鉄道を通すとき、軍部は鉄道の価値を見いだせずに、敷地を鉄道が通るのを拒んだが、1906(明治39)年には、鉄道国有法を制定し、主要路線の国有化に走ったんだとか。

     ベンチャーの創業期を邪魔して、有望産業に育ったら業界ごと傘下に入れちゃうみたいな話だね(笑)。

     どう見ても京葉線東京駅は、JRだと有楽町駅が近いと思ってたんだけど、今は乗り継ぎできるのか。今度やってみよう。

  •  今年は東京駅10周年を迎えた。12月20日がメモリアルデ―に当たる。そんな日にニュースで話題になったが、東京駅開業100周年記念Suicaを買うために朝から長蛇の列と東京駅の発売するところが混雑して、JR東日本が事態の収拾を図るために発売を中止して騒ぎになりました。IC乗車券の発売なのだからインターネットで予約、あるいはインターネットを使わない方のために電話と郵送で受け付けるぐらいの対応をしておけばよかったのにとふと思った。

     著者は以前、渋谷駅の複雑さに関して『迷いに迷って渋谷駅―日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く』(光文社)という本を書いている。それにて対して東京駅の方が迷うという意見が出たとある。確かに渋谷駅も改修工事に伴って複雑さを増している。東京駅はどうかというと、渋谷駅に負けず複雑だ。東京メトロとJRの距離が離れていて歩くことが多く、またJRでも東京ディズニーランドに行く方が利用する京葉線は地下深い所にあるので山手線などと違って歩くからなあ。

     丸の内と言えば丸ビル、新丸ビルなどを所有しているのが三菱地所なので「三菱村」と呼ばれている。しかし、著者によると明治初期のころの丸の内は何もない所で、政府が買い手を探していたが見つからず、1890年ごろに政府が三菱財閥の2代目総裁の岩崎弥之助に払い下げを行った。「三菱ヶ原」と呼ばれるようになった姿を見て、岩崎弥之助は「竹でも植えて虎でも飼うさ」と言ったそうだ。その土地が今では金のなる木になっているのだから先見の明があったということか。今の姿を見てあの時買っておけばよかったと、草葉の陰で地団太を踏んでいる政府から頼まれたのに断った旧財閥の経営者はいるかもしれない。

     丸の内にしても八重洲にしてオフィス街でショッピングや食事を楽しむ場所ではなかったのにいろいろな施設ができて観光やショッピングを楽しむ人が訪れるようになっている。

     国鉄が民営化してJRになってから東京駅の中が変わったとある。他の所でもあるエキナカでいろいろな店をテナントに入れるなんて国鉄時代には考えられなかったことだ。

     東京駅の丸の内駅舎を「後世の修理で改造された部分を原型に戻すという意味で復元ではなく復原とされた」と著者は書いている。そのおかげで、赤レンガの駅舎が開業当時の姿で拝める。高層ビルの駅舎では味気ないし、ランドマークとして観光客を呼ぶこともできない。
     
     そういえば、今日まで東京ミチテラスという照明演出を行っている。金曜日に見たが色鮮やかでいい目の保養になった。

    東京駅200年に向けてどう変わっていくのか気になるところだ。

    東京ミチテラス

    http://www.tokyo-michiterasu.jp/

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著者プロフィール

一級建築士。昭和女子大学生活科学部環境デザイン学科准教授。1970年東京生まれ。95年早稲田大学大学院理工学研究科建設工学(建築)修了。98年ベルラーヘ・インスティチュート・アムステルダム修了。98~99年UN Studio勤務。99~2002年FOAジャパン勤務時に横浜港大さん橋国際客船ターミナル(02年)の設計・監理を担当した。著書に『迷い迷って渋谷駅』(光文社)、『東京駅「100年のナゾ」を歩く』(中公新書ラクレ)。

「2016年 『新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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