カラー版 - 電車のデザイン (中公新書ラクレ 336)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121503367

作品紹介・あらすじ

新幹線800系つばめや787系リレーつばめ、883系ソニック、885系かもめから「たま電車」まで。話題の車両デザインを手がけ、数々の賞を受賞した水戸岡鋭治の人と仕事を一冊で紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • オンラインセミナーの予習として。
    水戸岡氏がこれまでデザインした電車のカラー写真を中心としたもの。
    いわゆる観光列車というものにはおそらく乗ったことがないけど、九州にこんなに個性的で楽しい電車が沢山あるのはなぜだろう。JR九州の赤字からの頑張りなのか?首都圏でしか暮らしたことがないと、路線や会社の違いなど無いも同然の、画一的な通勤車両しか見たことがないのでとても驚いた。九州を電車で旅したらとても楽しそうだと思った。

    ・日本は元々経済だけを考えて生きてきた民族ではなく、経済と文化のバランスを取りながら、精神や心を大事にした民族。
    ・洋の上に和を乗せるから無理がある。和の文化の上に洋の文化を乗せる。
    ・戦後欧米的に自己主張することが常識になっているが、日本人のDNAには合わない。対立構造を作って居心地の悪い社会になっている。
    ・赤字こそ創造と変化のステップ。
    ・人が集い、安心して心地よく過ごす時間と場所を作り出すことがデザイン。

  • <目次>
    第1章  作品集
    第2章  仕事の現場

    <内容>
    JR九州の列車デザインで有名になったデザイナー、木戸岡さんの本。列車に寄る本かな?と思ったが、実際は木戸岡さんの仕事への立ち位置とアドバイスの本だった。第2章は意外と熱い。印象的だったのは、列車のデザインのコンペでも、絵ではなく言葉でプレゼンをすること。その方がイメージを共有できるという。そして、仕事をきちんとすること。信頼関係を作ること。対立関係を作らないこと、など仕事に対するイメージが鋭いし、理にかなっているような気がする。

  • 工業デザインの、というか鉄道デザインのカリスマ水戸岡氏のJR九州での仕事を中心に網羅的にカラー写真で紹介して、後半はエッセイという構成。
    水戸岡氏のデザインに臨む気持ちが伝わってきてとても楽しく読めた。

  • (特集:「箱根登山鉄道を知る」)

    ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00511230

  • 前半は鉄道の写真集で、後半は水戸岡さんの想いをまとめている。鉄道は昔から好きだったが、より一層好きになったのは、水戸岡さんの影響が大きいなぁと思う。九州の人間なので、JR九州車両には誇りを持つことができる。水戸岡さんは、やはり素晴らしいデザイナーだと改めて思います。。

  • 水戸岡さんのデザインした電車、すてきですね〜。実際に乗ったことがあるのはひとつしかないのですが、もっともっと乗ってみたくなりました。

  • 第2章の仕事の現場の章の水戸岡さんの話を読んだ上で水戸岡デザインにもっと触れてみたいと思わせる本でした。真摯で、常に成長することを怠らない姿に感銘を受けた。

    比較しない、不都合を受け入れる、対立構造をつくらないという仏教の言葉も印象に残る。

  • 単なる電車好きのためだけの本ではなく、企画とは、デザインとはどのようなものか、深く知ることができた、優れたビジネス書です。

  • JR九州をはじめとして、鉄道デザイナーとして名を知られる水戸岡さんのデザインした鉄道車両や駅を写真で紹介し、後半でデザイナーとしての考えを文章で語っている。写真パートが多いので、読む時間自体は非常に短い本。

    写真部分は、目を通して感情へ直接的に訴えかけてくる。単純に言えば「これに乗りたい」「この駅に行ってみたい」という感情。考えさせられることはいい意味で少なく、せいぜい実際に行こうとしたらどういう旅行プランがいいか、と考えるくらいしかない。

    文章部分は、反対に文字を通して直接的に考えさせられる。特別難しいことを書いているわけではなく、じゃあこういう考え方を自分の生活に取り入れるならどうか、とかそういうレベルでの話。

    デザイナーになるだけなら絵を描けたらあるいはなれるのでしょうが、デザイナーとして成功するためにはそれをとりまく人全体を見渡してそれをある意味では「デザイン」せにゃいかんのかもしらん。読了時間が短い割にはなんか感じ入るところの多い本でした。
    鉄道趣味的にはそれほど高度な内容はなく。「鉄道に多少興味がある」程度のライトさで十分読める内容の本。いい意味で軽く手にとってほしい一冊です。

  • 元々はイラストレータ。
    あるホテルの人の目に留まり、そのホテルのアートディレクションを。
    その沿線にリゾート列車を走らせる計画があり、
    JR九州にデザイン車両を提案。
    以来、色と素材に目をつけた提案で次々とヒット。

    心と体で気持ちよくなるものを作る。
    職人による木、本革、ガラス、アルミ、鉄、い草。
    自然素材を使う。プラスチックは見せない。和の感性。

    産み落とされた瞬間の自然な反応を五感で感じ取る。
    納品の最後の瞬間にも立会い、緊張感のある現場作りをする。
    一緒に仕事する世代と同じ歩幅で動く。

    デザインする前の基本認識
    1.まず考え方を決める。
    2.利用者の立場に立つ。
    3.コストパフォーマンス意識の徹底。
    4.好み・趣味・アートは二の次三の次とする。

    好き嫌いを言わない。
    不都合を受け入れよ。
     デザインの幅が広がる。
     自分流では人は伸びていかない。
     先人がやっている流儀を身に着ける。
     正しいデザインを生むことができる。

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著者プロフィール

1947年岡山県生まれ。県立岡山工業高校デザイン科卒業。サンデザイン(大阪)、STUDIO SILVIO COPPOLA(ミラノ)を経て、72年ドーンデザイン研究所設立。87年「ホテル海の中道」アートディレクション担当。88年「アクアエクスプレス」で鉄道デザインに進出。JR九州をはじめとする車両デザイン、公共デザイン、建築物・商業施設デザイン等に携わる。

「2023年 『水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水戸岡鋭治の作品

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