日本の地方政府-1700自治体の実態と課題 (中公新書 2537)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025371

作品紹介・あらすじ

日本には都道府県47、市790、町745など、1700を超える地方政府がある。一般に地方自治体、地方公共団体と呼ばれ、行政機構のみが存在する印象を与えてきた。だが20世紀末以降の地方分権改革は、教育、介護、空き家問題など、身近な課題に直面する各政府に大きな力を与えた。
本書は、政治制度、国との関係、地域社会・経済の3つの面から、国家の2.5倍の支出と4倍の人員を持つ地方政府の変貌と実態を描く。

感想・レビュー・書評

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  • M+1原則
    市町村議会の票割りのとこ面白い。選挙見るの楽しくなりそう
    何かと話題になる「ツタヤ図書館」、指定管理者制度とかでやってるのね

  • 地方自治体の歴史や政治制度、諸外国との比較などコンパクトにまとまっている。あんまり注目してこなかった分野だが、結構面白かった。特に都市計画や地方活性化などに直結するため、ビジネス的な視点で見てみても面白そう。

  • 日本の地方政府の成り立ちと現状等について述べたものである。本書を読むと、国土の均衡ある発展という観点がなければ都市部にお金を投資すべきということがわかる。また、国政と違い地方政府においては、政党が機能していないことがわかる。また、地域の発展を評価する指標として人口のみが考慮となっており、それ以外が考慮できていないこともわかる。

  • 【人口という基準、画一的な政治と行政の制度、大規模な財政調整制度という三点セットは強固だ。一九九〇年代以降の改革の時代により、さまざまな変化が生じたが、それでも根幹は変わっていない。しかし、これがどこまで維持できるのか】(文中より引用)

    身近な存在でありながら、複雑さと多様性でなかなか理解が難しい地方政府のシステム。理解のための第一歩として地方政府がどのように成立し運営されているかを概説した作品です。著者は、父親が市役所の職員であったことから地方政府に関心を持つようになったと語る曽我謙悟。

    教科書的な記述が続くために正直なところ読みづらさを感じる部分もありましたが、網羅的に地方政府についてまとめられており、学習のためには適した一冊かと。現在の地方政府が抱える問題を端的に示した部分は特に読み応えがありました。

    あまり普段読まないタイプの作品でしたが☆5つ

  • 日本の地方政府を、鳥の目と虫の目から、また歴史的な発展も加えて、今ある姿とその背景を解説している。
    統計データに基づいた解説なので説得力がある。また、諸外国との比較で地方政府を世界の中で客観的に評価しているので、世界の中での位置付けや特徴、ひいては今後どのようにすべきかの示唆が示されていて、とても勉強になる。

    以下は、共感したところ。

    地方公務員では、ジェネラリストを志向するのか、スペシャリストを志向するのか明確ではない。

    地方政府では、多くの場合で総合計画が成功しているとは言えない。企画部門はホチキス部門と揶揄され、各部門が出す計画を束ねる存在に終わることも。

    日本の行政機構では、人事、予算、評価、企画、法務の最大5つのマネジメント部門があり、過剰。

    政策アウトカムの測定は容易でない。

    移動する人としない人の双方から構成される住民の特性を踏まえて、政治、行政のあり方が考えられるべき。

    都道府県の存在意義は、警察と教育という地域間再分配、リスクへの対応。

    日本での政策の普及は、S字つまりロジスティック曲線を描く。

    地方政府どうしは相互参照で政策を補完するため、総体として高い政策形成能力が実現する可能性はある。

    地方政府は、その財源確保を国に保障してもらうことと引き換えに、地方税制の税目や税率、地方債の発行の自由度という歳入の自治、責任と権限を放棄した。

    地域と都市の調整が国政で論じられていないことが問題。この解消には、地域で政党政治により争点を中央に上げることが必要。

    日本の組織は内輪には安心するが、距離をとった関係構築が苦手。試行錯誤を嫌い、明確な組織原理に沿った組織再編が行われない。

    人口という尺度だけで政策を行うことは、住民の他の活動を見落としている。

    どれだけの負担を背負ってどれだけのサービスを受けるのかをセットで考えることが、民主主義の基本。

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/633240

  • 今年の1冊目。
    それぞれの章で時間が空いたので全体的にぼんやり。国と地方政府の関係は印象的であった

  • 背ラベル:318-ソ

  • 研究アイデアが湧きそうな本。たまにこの本に戻って来たい。
    ・首相公選制は議院内閣制の拡張とも大統領制の拡張とも見れる
    ・現行の市議会選挙は当選者の得票に死票を多く抱えているという意味で非効率
    ・知事の党派の変遷

  • 地方政府について全く知らなかった。父の仕事と関連付けて楽しく読めた。

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著者プロフィール

京都大学教授

「2022年 『行政学〔新版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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