ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実 (中公新書 2488)
- 中央公論新社 (2018年5月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024886
作品紹介・あらすじ
18歳未満の子どもや若者が家族の介護を行わねばならない状況を論じた一冊。高齢社会を迎える中、子どもや若者と介護の関係は、目を向けるべきテーマだ。本書は、調査の結果や当事者の声、そして海外のケースなどを踏まえ、今後の取り組みを考える。
感想・レビュー・書評
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「大介護時代」
少子高齢化が進んで
単身高齢者
が激増している今
家族が多様化する中で
ひとり親家庭
障がい者家庭
も増えています。
そうなると介護の中心が大人では賄いきれなくなるのは当然といえば当然の流れです。
共働きが当たり前になって介護の担い手が激減してる中で介護保険がちゃんと機能してないのは致命的やなと思います。
「自分が学校と言われるところのルールから逸脱していくのが自分の中で耐えられなくなる」
同世代と異質な経験をしているだけでなく周りのルールに合わせることができなくなってくる自分をどうにもできない焦燥感。
遅刻したくてしてるわけじゃない。
でも1回目2回目と続くと理解されずに怒られることになる。
「自分が学校のルールを逸脱していてそれが低い評価につながっているという意識を持ち、なんとかがんばろうとするものの自転車操業で疲れていき、到達可能なゴールが見えずにあきらめる」
これは子供の心身に大きなダメージを与えると思います。
努力ってなんとかなるゴールに向かうからできるんであってそもそも到達しそうもないゴールに向かう努力は大人にもできないです。
これがヤングケアラーを取り巻く現実なんやと思います。
この問題をなんとかしようと思ったら今ある支援の内容を須く把握して子供達に翻訳して伝える能力が必要です。
これをマニュアル化というかスマホで見れるようにするだけでも大きく違うのかなと思います。
YouTubeやLINEで簡単に伝えられるように。
その作業が行政に求められるように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
◯昔で言えば、家族同士でこなしていた家事も、核家族化や経済面での要請に応じた共働きの発生により、実はヤングケアラーのような人たちはかなりいるのではないかと思われる。
◯しかし、この本でも言及されているように、なかなか顕在化しにくい。その理由を分析するに際して、実際のケアラーたちの生の声を聞くことができるという意味では、有意義な本。
◯思うに、日本では家族同士で助け合うことは美徳とされていることや、家族の中に他人がはいりづらい文化的側面などが理由ではないだろうか。
◯現状の政策で対応できない部分などが、ケースによってかなりバラバラであるようにも感じられるため、今後どのように行政や地域がアプローチしていくか、今後の研究が待たれる。 -
(主に家族の)介護を担う18歳未満の子どもが、日本にも一定数いるというこは、あまり知られていない。
介護のために学校に行けなかったり、同世代との交流が図れなかったりして社会から孤立していく。また社会資源を知らないため、どのような支援が受けられるのかを知らずに苦労を重ねていく若者も多い。
この分野ではイギリスが進んでいるという。
まずは、ヤングケアラーという存在を世の中に広げていくことが必要だ。その中から当事者として自らの体験を語る人が出てくれば、社会としてどんな支援ができるのかという議論が生まれてくる。
もしかしたら私の身近にもヤングケアラーは、いるのかもしれない。 -
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→
https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11413285 -
背ラベル:367.61-シ
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小論文対策推薦図書 福祉系
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ヤングケアラーについて、国内やイギリスにおける調査や取り組み等が紹介されていて、参考になりました。
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気になるテーマではありましたが、予備知識はそれ程ない中、読みました。制度政策の充実が求められることは勿論、かつ現状現在においてどのような支援が可能なのかと、考えさせられました。