日本の中小企業 - 少子高齢化時代の起業・経営・承継 (中公新書 2468)
- 中央公論新社 (2017年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024688
作品紹介・あらすじ
日本経済を支える数多くの中小企業。だが、近年は人口減少や、中国・アジアとの競争などがあり、かなり厳しい状態に追い込まれている。起業は減り、既存の企業も承継に苦しんでいる。なぜ、そのような事態に陥ってしまったのか? 今後の展望はあるのか? 経営学者が現場を徹底的に見て回り、課題と展望を論じる。
感想・レビュー・書評
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日本の中小企業の承継問題に興味を持って購読。なかなかこの問題だけを掘り下げた本がなかったのもあるが、他の話題の部分も多く、自分の目的にはイマイチ敵わなかった。事例のカタログに終始しており、So what?という感じで考察も甘い気がする。
中小企業の三分の一が後継者不在で、その最大の障害は、家族が承継しない場合に、従業員などが引き継ごうと思っても、個人保証と買取資金が準備できないこと。であればM&Aなんじゃないか?と思ったが、リードしてきた社長自身に価値があって、その社長がいないなら買う価値がないこともままあるよう。
思っていたより悩ましいことが分かっただけでも良しとしよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バブル崩壊以降起業率を廃業率が上回り、日本の事業所は減少している。特に3k色の強い領域である鍛造、鋳造等の領域は廃業の一途を辿り、周辺諸国への依存度が高まっている。本著ではそのような数値的実態の概観から始まり、既存領域などで成功を掴んでいく事例をかなり詳細に説明している。最近インターンで中小企業をメインにコンサルをしている企業のワークを行なったが、該社の考え方の一つである「時流適応」というのがやはり当てはまっているなあああとおもった
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中小企業の事業承継は喫緊の課題であるが、遅々として進んでいない。
代表者の意識改革はすぐには難しいことから、周囲の環境を変えていく必要がある。 -
日本経済を支える無数の中小企業は、人口減少やアジアとの競争などで厳しい状態にある。現場の目線から、その課題と展望を論じる。
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良書だと思います。
事例が豊富で、著者の経験に基づいた語りはとても説得力があります。また、わたしが知らないことも多々ありました。
・起業は全体的に少なくなっており、現在は福祉と農業関連が主体
・製造業については、ほぼない状態
・製造業のインキュベーション施設も近年あまり成果がない
また、事業を継承する際に、すでにビジネスモデルが陳腐化している状況がまざまざと描き出されています。頭ではわかっていましたが、現場はこれほどまでとは。。と思わずにいられませんでした。
廃業が起業を上回るこの国において、ではどうしたらいいのだろうか?特に地方ではどのような取り組みが必要なのだろうか?本書には答えはないですが、考えさせられる命題であると考えてしまいました。 -
事例豊富なのがいい。理論はない。事業承継に困った経営者は、どこへ助けを求めるのだろう。山形のニット産業に興味がわいた。
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企業というとかくもITをイメージしがちだが、本書ではIT以外の製造業などに焦点が当てられている。新規参入はほとんどなく、後継者不在による存続問題により衰退の一途をたどる中小企業の歴史、実情はよくわかったが解決案について掘り下げているとなおよかった。
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東2法経図・開架 B1/5/2468/K
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