保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024299

作品紹介・あらすじ

毎年2万人以上の待機児童が生まれる日本。厳しい「保活」を経ても、保育園に入れない子どもが多数いる。少子化の進む日本で、保育園が増えてもなぜ待機児童は減らないのか。なぜ保育士のなり手が少ないのか。量の拡充に走る一方、事故の心配はないのか。開設に反対する近隣住民を説得できるのか-。母親として、横浜副市長として、研究者として、この課題に取り組んできた著者が、広い視野から丁寧に解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689609

  • 仕事に必要なので読みましたが、分かりやすい本でした。
    ペイフォワードな世界が広がるといいな。

  • いまの保育園事情が分かりやすく書かれている。
    入門書としては最適。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689609

  • 序章 保活に翻弄される親たち
    第1章 日本の保育制度をつかむ
    第2章 待機児童はなぜ解消されないのか
    第3章 なぜ保育士が足りないのか―給与だけが問題ではない
    第4章 「量」も「質」ものジレンマ
    第5章 大人が変われば、子育てが変わる
    あとがき
    参考文献

  • 待機児童、保育所開園を阻む住民運動、過疎地での少子化と保育所閉鎖、欧米先進諸国とアメリカ・日本・韓国の比較から見えてくる日本の課題等々。

  •  2017年5月2日(火)にbookstudio姫路店で購入。同日読み始めて3日(水)に読み終える。本書では保育園問題の所在について日本の社会変化と重ねながら、また諸外国と比較しながら、わかりやすく説明されている。基本的なことがよくまとまっているので、保育園問題について何が問題になっているのか知りたいという人は、本書を読めばだいたいの状況が理解できるだろう。根拠となるデータも(どのように取捨選択しどのように分析するのかという問題はさておいて)たくさん紹介されているし、読者がそうしたデータや文献に直接あたれるように参考文献も巻末についている。

     ただ、保育園問題についてある程度考えたり調べたりしたことのある人にとっては、本書は物足りないと感じられるかもしれない。というのも本書で紹介されているような事例はよく取り上げられているような事例だし、著者の紹介する論点もごくごくありふれたものであり、一般の人がなかなか気づきにくい当事者、行政の立場、あるいは研究者ならではの視点というものが見当たらないからである。

     全体的に「Aという意見もあれば、Aに反対という意見もある」という意見の紹介で終わっており、どのような意見にもそれと反対の意見の人はいるだろうから、これでは何も言っていないに等しいだろう。新書というものの制約もあるだろうが、そうした意見の対立をどのように調整・解消・解決するべきなのか、著者にはもう少し踏み込んだ主張をしてもらいたかったところ(ところどころ著者の主張らしきものもあるが、それとは反対の意見もあるという形で結ばれているものが多く決定的なものではないし、第5章の終わりの方にある8つの提言もどこまで現実的なものなのか懐疑的)。

     本書はある意味で現在の日本における保育園問題の重要な点を指摘している。ただ、本書で取り上げられているのは、両親がともにフルタイムの正規雇用で働いているようなケースに偏っているきらいがある。著者自身もわずかながら指摘しているように、両親のどちらかあるいは両方が非正規雇用の場合には、この問題は本書で描かれているよりももっと深刻であるし、場合によっては生活の破綻につながりかねない。「保育園落ちた日本死ね!!!」(http://anond.hatelabo.jp/20160215171759)とブログに投稿した人が記事のなかで「どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ」と書いてあるように、非正規雇用の者にとって保育の受け皿がないということはそのまま職を失うことにつながり、生活の糧となる収入源を失うことにつながるのである。もちろん両親がともにフルタイムの正規雇用である場合も深刻であることは間違いないのだが、事実上の逃げ道がない非正規雇用者やその他の人たちにも焦点があたることを願いたい。

  • 横浜市副市長として待機児童ゼロに尽力した筆者が豊富なデータをもとに行政の視点から保育園問題について解説と提言を行っている良書。 待機児童の定義一つ統一できていないというのは驚く。具体的に言うと、認可保育所に入れることができなくても認可外保育所に入っていれば待機児童と数えないなど自治体によって定義が異なる。そもそも育休延長をするために、わざと倍率の高い好立地の保育所に申し込む人もいるというから問題は複雑である。制度を緻密にするほど、人々の行動も複雑に変化し、またそれに対応するために制度が複雑化してゆくという循環に入り込んでしまっているように感じる。 育休の2年までの延長というのは弊害が大きいというのは同感。 最後行きつくところは男性も含めた働き方改革をしない限り保育園問題も少子化対策も解決しないというのも全くその通りだと思う。

  • 保育の制度は子ども子育て新制度もあって非常にややこしい。改めて勉強しなおした。

  • 現在の保育園問題が非常に良く整理されていてわかりやすい良書。様々な方に読んで頂きたいと感じた。

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