俳句と暮らす (中公新書 2412)

著者 :
  • 中央公論新社
3.95
  • (5)
  • (9)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 100
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024121

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 俳句とは記憶の抽斗を開ける鍵のようなものだ。
    食材には旬がある。だからほとんどの食材は季語である。なるほど。
    あまり気負わず、普段の生活を詠めたらいいなと思った。

  • 俳人による新書。著者は俳人として活動し、俳句同人誌の編集長を務める一方で、サラリーマンとして関西に単身赴任中。そんな毎日の中で詠んだ句を、その時の状況や心情とともに紹介していく。合わせて、先達の俳人たちが同じような状況で詠んだ句も紹介する。
    句集ではなく、エッセイの中に俳句が混ざってる感じで、俳句を読み慣れない私でも読みやすかった。俳句を詠む人は季節の移ろいに敏感になるというのが、素敵だし、羨ましい。

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】
    ・小川軽舟ってどんな人?

    【ノート】
    ・母が俳句を趣味としており、著者の名前は聞かされていた。自分は俳句には全く興味がないのだが(と言いつつ歳時記は持ってるけど)どんな俳人なのかいなという興味で読み始めてみた。

    ・「ほぼ日手帳」が提唱している「毎日が記念日」の俳句版ということでって、それは最初の2ページで分かります。そして、それ以降は、なぜ俳句なのか、ということが全編にわたって述べられているのだけど、著者が銀行に勤める単身赴任のサラリーマンであり、そんな生活の中での俳句との付き合い方が開陳されているので、すこぶる共感度は高い。「付き合い方」というのは、日常生活の中で季節感や自分の心の動きなどを俳句に凝縮していくということだが、(少なくとも)自分には全く馴染みのない様々な俳句を引用しながら、俳句なフィルタリングを解説してくれるのが新鮮だった。

    ・散歩や料理の有用性を説くあたりは外山滋比古の主張と共通点が多く、自分も取り入れていかんとなぁと思った。また、「言葉を凝縮して整える」という行為についての著者の考察は、小林秀雄の「考えるヒント」の本居頼長についての言及と重なるところが多いのが興味深かった。

    ・安直だけど、ちょっと古今和歌集を読んでみたくなった。

    【目次】

  • 俳人である著者の、日々の暮らしと感じたことのエッセイと、俳句のアンソロジーです。個人的にはお喋りの部分をもう少し短くして下さるとありがたかったかなと思いました。

    著者の俳句だけではなく、師事を受けた方や、その師匠。そして歴代の俳人の紹介もあり、楽しく読みました。。最終章はなはや、松尾芭蕉で締めくくりですね。俳句は楽しい。しかし、奥が深い。細く長く続けて行きたいです。

  • 【新着図書ピックアップ】俳句は私たちの日々の生活と深いつながりがあります。職場や家庭その他いろいろなシーンから生まれた俳句を紹介するこの本には、現代を生きるアナタが同感できる一句がきっとあるはず。

    【Newly arrived】Japanese has long developed haiku at home, workplace and otherwise. The author of this book, a haiku poet/salaryman, shows many contemporary haiku poems composed in daily life, and invite you to enjoy them.

  • 同じように見えても、和歌短歌をベースとする人の場合は、古今の文学知識や自分の「芸術センス」をひけらけすペダンティックな印象を受けてしまう(ことが多いような気がする・・)。『折々の・・』とか。作歌という行いに、高みを目指したい、他からの良い評価を得たい、という臭みがつきやすいということかもしれない。
    こちらの俳句のほうは、自分の人生を自らの胸に収めるために符号化する作業ともいえるし、あるいは同じような立場、シチュエーションにいる人、また知己などが、その事柄、情景、心理に共感するためのよすがとして効果的にパッキングしておくという、コミュニケーションツールのような色合いが濃いということかも。

  • 花鳥風月を詠む優雅な趣味の世界――。これが俳句のイメージだろう。だが、日々の小さな発見を折に触れ書き留められるところにこそ、俳句本来の魅力がある。本書では、俳人にして単身赴任中のサラリーマンでもある著者が、「飯を作る」「会社で働く」「妻に会う」「病気で死ぬ」などさまざまな場面を切り取りつつ、俳句とともに暮らす生活を提案。平凡な日常をかけがえのない記憶として残すための俳句入門。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

昭和36年2月7日千葉市生まれ
昭和59年 東京大学法学部卒業
昭和61年 「鷹」入会 藤田湘子に師事
平成11年 「鷹」編集長
平成17年 藤田湘子逝去により「鷹」主宰を継承

●句集
『近所』(第25回俳人協会新人賞)『手帖』『呼鈴』『俳句日記2014 掌をかざす』『朝晩』(第59回俳人協会賞)
●著書
『魅了する詩型 現代俳句私論』(第19回俳人協会評論新人賞)『現代俳句の海図』『シリーズ自句自解Ⅰ ベスト100 小川軽舟』『藤田湘子の百句』『ここが知りたい! 俳句入門 上達のための18か条』『俳句と暮らす』

俳人協会評議員 毎日新聞俳壇選者

「2022年 『無辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川軽舟の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村田 沙耶香
恩田 陸
三浦 しをん
エラ・フランシス...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×