復興計画 - 幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで (中公新書(1808))
- 中央公論新社 (2005年8月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121018083
作品紹介・あらすじ
日本の都市は街路が狭く、木造家屋が密集し、公園などオープンスペースに乏しい歴史的な都市形態をしていることが多い。そのため、自然災害や大火などによって甚大な都市災害が引き起こされた。地震、戦争、そして明治以降頻発した大火で崩壊した諸都市は、どのような復興計画を立案し、実行してきたのか。安全で暮らしやすい都市環境の整備に知恵と努力を注いだ、近現代日本の復興の歴史を辿り、今後の都市づくりを展望する。
感想・レビュー・書評
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配置場所:摂枚新書
請求記号:518||K
資料ID:95050438詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
街に対する新たな視点。これを持って街歩きをする。
多くが忘れ去られている教訓。
・防火のための道路拡幅
・都市計画法の生い立ちにおける縮小。予算と規制権限
・東京市民によるものとして発起した関東大震災からの復興
・1930年からの平時の都市計画への財源確保
1.郊外における街路網の決定
2.駅前広場と高度利用の計画
3.郊外地統制と区画整理
4.大都市膨張抑制のためのグリーンベルト計画(〜緑地)
・災害復興の国庫補助(受益者負担の限界)
・戦災復興における国の関与、予算化の経緯
・国有地の緑地化と維持・継承
何をどんな段取りで、いつ頃までに決めるのが良いのか、これまでの経験から大まかな指針をつくることはできないか。 -
復興、あるいは防災のための都市計画といったことの、明治以来の流れについて、横並びで眺められるのが面白い。発想、制度、実行力、成果といったことについて、各時代のことを振りかえって評価できるかのよう。
東京にとっては震災復興の成果が大であり、戦災復興はほとんど失敗に終わった、くらいにおもっていたけれど、東京はさておき、各地に与えた戦災復興のインパクトは大きかったのだ、と認識。
また、地方の頑張りしだいで地方の活力(都市づくりの成功度)がきまる、という現代の傾向は、戦災復興や、その前の1930s頃からだなぁとも知った。 -
<閲覧スタッフより>
「我が国の都市計画、まちづくりの歴史をふり返ると、災害復興の繰り返しであった」。近代から阪神・淡路大震災まで、日本を襲った様々な都市災害とその復興の歴史。今後の都市計画にどう活かすことができるのでしょうか。
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所在記号:新書||518.8||コシ
資料番号:10169296
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2o11年は東日本大震災で大揺れしたし、1945年は米軍空襲で国土は打撃をうけた。しかし、火山列島の我が国に洪水・台風・大火。被災と復興は住民の自己責任から、公共の福祉に転じた。
都市計画技術者のなかでは明瞭であった「復旧」と「復興」の概念(ii)。被災の大きさで、その概念規定は政治家、そしてメディアにも浸透したかの感がある。
「全国一斉に都市が建設された時代」(iii)という見方がおもしろい。徳川政権創設後の城下町建設と1945年以降の戦災復興をさす
大正8年、都市計画法が制定。関東大震災があって、1930年代は法施行が大都市から中小都市へも拡張される。
都市化の進行ばかりではなく、冷害による農村救済のための道路工事など公共需要が増加したためとする。
石川栄曜(ひであき)氏についても、紹介されている(150&180p)。
都市計画や都市再開発は、技術サイドですすめられる都市経営の領域。背後に国の補助金政策が不可欠。
それぞれの都市ですすめられる具体的な取り組みは目の前に示されていても、理念の形成や助成制度による加速の側面は、当事者以外には見えにくい点を、本書は描きだしてくれている。 -
幕末から現在までの様々な災害とその後の復興について書かれた本.
これを読むと後藤新平をはじめとする明治時代の政治家の先見性や,都市計画の大切さがわかる.
東北地方の被災地も,ただ戻すだけでなく,付加価値を与えて復活させる「復興」を目指して行って欲しいと感じた. -
2005年の本でしたが、3.11の東日本大震災を受け、改めて読んでみました。復興の歴史に学ぶという姿勢は非常に大事だと思いました。意義深いものがあります。自分の仕事に活かしていければと思います。
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【出会い】
学部時代、生協で見つけ購入したような。震災を機に読みなおし。
【概要】
幕末・明治の大火復興から関東大震災後の帝都復興、戦災復興、そして阪神大震災の復興まで、誰がどのような施策・制度設計を行い、それがいかに現在まで正負の遺産として引き継がれているのか、コンパクトに解説。
【感想】
新書版ながらエッセンスがまとまっている。特に人に焦点を当てている点、その努力あるいは失敗が現在まで残っているという連続性が読んでいて興味深かった。
過去の事例を振り返って、改めて今回の震災はそれらと性格を異にする部分が大きいと認識。
とはいえ、早期に確固としたビジョン・計画・組織・財源が必要であり、実現のため公と私の折り合いをつけていくという部分は変わらないのでしょう。 -
参考文献が多いのでパラ読み。
復旧なのか復興なのか。
その違いがテーマ。