蛸足ノート (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
4.21
  • (35)
  • (39)
  • (8)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 567
感想 : 44
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120057144

作品紹介・あらすじ

胃カメラの飲み方を褒められ、似合わない服装に赤面し、おばちゃんの会話術に学ぶ。日常に予期せぬ笑いと魔法が絡みつくエッセイ集。読売新聞人気連載がついに書籍化!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 穂村さん、海が似合わないと気にされています。
    短歌はかっこよくて、海、似合いそうですけどね。
    大学生の時赤いバンダナをしていた話は笑いました。

    穂村さんの作歌方法はなるほどと思いました。
    そうめんを箸で掬っていてコップにつけてしまった話は年齢のせいじゃないと思いました。正解は「めんつゆ」。穂村さんだからです。
    飾り玉のために土下座返しをした子供の頃の話も、「そんなばかな!」と笑いました。


    奥様も、天然感のある方ですね。
    壊れた洗濯機のふたを計量スプーンで10年間、開け続けた奥さんは凄い!
    ミスドの景品が欲しくて、カードを捨てようとする人に声をかけて集めていた奥さん。24歳くらいの時に。
    ウォーキングのレベルが「梅だ」という奥さん。


    どのエッセイを読んでも笑いがこみあげてきます。
    でも、なんだか心が温まる話ばかりでした。
    各エッセイの目のつけどころはセンスが感じられます。


    これも才能だと思いました。

    • まことさん
      傍らに珈琲を。さん、こんばんは♪

      赤いバンダナのエピソードは、私もレビューに書こうと、メモしてました。でも、私のレビューの書き方では、どこ...
      傍らに珈琲を。さん、こんばんは♪

      赤いバンダナのエピソードは、私もレビューに書こうと、メモしてました。でも、私のレビューの書き方では、どこがどのように面白いのか、わからないですよね。手抜きしてしまいました。
      チェッカーズの、フミヤは、私の同級生で、地元で、以前付き合ってたと、言ってた子がいました。
      私は密かに、虚偽ではないかと思っていましたが(笑)。

      奥様、なんか、凄くいいですよね。女性でも、癒されます。
      穂村さんに、お似合いですね。
      この、連載まだ続くようですね。
      家は読売新聞とってますが、地方なので、夕刊がないのが、残念です。
      2023/12/02
    • 傍らに珈琲を。さん
      虚偽 笑笑
      そうかもしれませんね。
      あの頃はSNSも無いですし、言ったもん勝ちです 笑

      同級生に奈々ちゃんが居て、これ見よがしに「NANA...
      虚偽 笑笑
      そうかもしれませんね。
      あの頃はSNSも無いですし、言ったもん勝ちです 笑

      同級生に奈々ちゃんが居て、これ見よがしに「NANA」をいつも歌っていました。
      「私のための歌だー!」とか言いながら。
      私たちファンは羨ましく思ったものです。懐かしいなぁ。

      連載が続くようなら続編に期待ですね♪
      ポップで可愛いのだけど、その時は表紙の素材をもう少し読みやすい物に変えて欲しいなぁ。
      2023/12/02
    • まことさん
      傍らに珈琲を。さん♪

      フミヤの元カノだったと言った子は、私が、陰口を叩いたのがバレたのか、スッゴい険悪になりました。確かフミヤって、長くお...
      傍らに珈琲を。さん♪

      フミヤの元カノだったと言った子は、私が、陰口を叩いたのがバレたのか、スッゴい険悪になりました。確かフミヤって、長くお付き合いした、地元の女性と結婚しましたよね。あの子では、なかったもの、やっぱり、嘘ですよ。

      この本の表紙は斬新だな~と思いましたが、ちょっと扱いにくいですかね。
      2023/12/02
  • ほむほむこと歌人・穂村弘さんのエッセイ。
    読売新聞の夕刊に2017年4月から2023年9月19日まで連載されたもの。
    さらさら読めてくすくす笑える、どこか上品なエッセイ。
    今回は奥さまのエピソードがたびたび出てきて、おふたりの仲の良さと、奥さまの地上から5ミリ浮いているような天使感にほっこり。
    穂村さんもちょっとだけ浮いているイメージのお方なので、子供の頃薄氷の張ったプールに落ちてしまったエピソードは印象的。ほむらさんも人間だったんだ。
    『世界中のひとが全部じぶんじゃなくて良かった』エピソードは、私も全くおんなじことを思っていたのでびっくり。
    ファンが推しに似る(寄せていってしまう)のか、それとも似ているところがあるからファンになるのか、いやいや、意外とみなさん、一度は思うことなのか、と、考えた。
    でも、世界中の人々がほむほむになったなら戦争はしないらしい。(そんなエネルギーはないそうだ。)
    だったら、世界ほむほむ化計画とかあってもよさそうではないか。
    世界中の言語にほむほむのエッセイが翻訳され、それを読んだ読者がほむほむ化。
    そうしたら平和が訪れるかもしれないのに、と、空想する。

    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さんも難しく感じてらっしゃるのですね。先月の蓋は私はまったく思いつかず、自由詠1首のみでした。
      採用された歌はどれもホームラン級の...
      5552さんも難しく感じてらっしゃるのですね。先月の蓋は私はまったく思いつかず、自由詠1首のみでした。
      採用された歌はどれもホームラン級の秀逸で私がとうてい思いつかないレベルで、最近は諦めモードです。まさしく今冬眠しているような状態なので、NHK短歌に集中しようかなと思ってます。

      こちらの蛸足ノート、近くのショッピングモールに数冊置いてあってびっくり。購入しようか迷い中。背表紙がなんだか素敵ですね♫
      2024/01/03
    • 5552さん
      短歌くださいに採用される歌は発想がすばらしいですよね。
      毎号ぎゃふんと言わされています。
      NHK短歌とはまた違う場の空気を感じるような気がし...
      短歌くださいに採用される歌は発想がすばらしいですよね。
      毎号ぎゃふんと言わされています。
      NHK短歌とはまた違う場の空気を感じるような気がします。
      ☆ベルガモット☆さんでさえも諦めモードですか。
      私ももう一生採用されない気がしつつ投稿し続けています。
      渡しの場合、一度採用されただけで奇跡なのですけれど。
      NHK短歌は四人の選者と四人の題詠があるので、投稿しがいがありますよね。
      ☆ベルガモット☆さんなら、一席や複数の選者に採用されるということも現実にありそうです。

      蛸足ノート、装丁が素敵なんですよね♪
      ブクログの表紙画像じゃわからなかったけれど、手にとってみると圧倒されますよね。

      そういえば、1月10日のNHKアカデミア、穂村さんですね。
      数十分じっくり拝見できるので、姿勢を正して見ようと思います。
      2024/01/04
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん、ご指摘の通り短歌くださいとNHK短歌の場の空気感の違いありますね。採用されるには投稿し続けるしかありませんが、気軽に投稿できる...
      5552さん、ご指摘の通り短歌くださいとNHK短歌の場の空気感の違いありますね。採用されるには投稿し続けるしかありませんが、気軽に投稿できるのがメリットと思ってます。
      蛸足ノート購入することにしました♪
      1月10日のNHKアカデミアお知らせありがとうございます!
      早速予約しました、楽しみです♡
      2024/01/05
  • ブク友さん達からの情報で全国短歌大会を見逃し配信で楽しんだ後本書を読む。穂村さんの中には永遠の少女がいるような気がする。「風邪の原理」「透明人間たちの飲み会」「可愛さのピークを保存」「猫の集会を見た」がきゅんとなった。

    • 5552さん
      111108さん、全国短歌大会ご覧になられたんですね。
      私も観て、スタジオの穂村さん、俵さん、山崎さんの並びにうひょー、と喜びました。
      あの...
      111108さん、全国短歌大会ご覧になられたんですね。
      私も観て、スタジオの穂村さん、俵さん、山崎さんの並びにうひょー、と喜びました。
      あの会場にいらっしゃる方たち、みなさん、歌詠みなんだ!と、思うと、それもまた、感慨深いものがあります。(受賞された方のご家族もいらっしゃるかもしれませんが)
      目玉おやぢの歌が特に好きでした。
      穂村さんの心の中の永遠の少女!
      たぶんその少女は大島弓子さんの漫画に出てくるような、繊細で大胆な魅力的な少女なのでしょうね。
      2024/04/29
    • 111108さん
      5552さん♪
      実は皆さんのコメントやりとりの中で5552さんが目玉おやぢの歌の事話題にされてて、どんな歌なの?と興味津々だったので配信観た...
      5552さん♪
      実は皆さんのコメントやりとりの中で5552さんが目玉おやぢの歌の事話題にされてて、どんな歌なの?と興味津々だったので配信観たんです!あの歌ははじめ恋の歌かと思いましたが、親子の情というか同志みたいなのを感じていいなぁと思いました。
      私が一番印象的だったのは「あの花」の歌です。「あの花」のままがいいというような俵万智さんの解説がすごく腑に落ちて、わからないことは検索しなくちゃと思いがちの日常生活ですがそうでもないよと教えられた気がしました。こういう開かれた大会楽しいですね!
      穂村さんが選んだ歌はいかにも穂村さん好きそう!と思いました。この本でも若い頃と比べ妄想こそ減りましたが、がらにもない事をすると失敗したりなどやっぱりヘタレなところや、恥じらいと猫好きなどの少女らしさをたくさん感じました♪
      2024/04/29
  • レビューを見て読んでみました。とても面白いエッセイです。うんうん、分かる、分かりますっ、という笑える話ばかり。

    私が特に面白いと思ったのは、四つの話。

    『辞書にない文字』
    この話が私が一番面白いと思った。どうしても覚えられない名前がある、間違えて覚えてしまって正しい名前とゴチャゴチャになって造語を作ったりなど、「まさに私だよ。」と思った。奥さんのチーズの話も一緒。近いところまでいくのに、どうしても正しい名前が出てこない。いつもちょっと違う。

    『正直な人』
    私はどうも似合わない気がするけど、本人はとても気に入ってて自慢気に見せてくる時がある。私はそういう時正直に言えなくて困ってしまう。違う事を言って話をそらしてよく誤魔化してしまう。

    『酸っぱい部屋』
    私はPCR検査を受けた事がないので分からないけど、知人が検査を受けた時、唾液が出なくて困ったと聞いた事がある。この話を読んでなるほど、と思った。梅干し、レモンこの二つのポスターが部屋にいっぱい貼ってあれば、出ないものも出るかな。

    『校長先生を追い越した日』
    これもすごく分かると思った。私の場合、学校の先生とお医者さん。ずっと頼れる年上の人だったのが、いつの間にか私より年下の先生ばかり。申し訳ないけど、たまにこの先生で大丈夫?と思う事がある。

    穂村弘さんと奥さんのやり取りもほのぼのしてて好き。奥さんの発言が、なんというか芸術家っぽいので、その発想力に感心してしまう。だから、ご結婚されたのかな?なんて思った?

    短歌も出てけるんだけど、全く短歌の事が分からない私でも、「あぁ、これ面白い。」と分かるのもあり楽しめた。分からない短歌もあり「?」はあった。

    新聞では連載中との事。猫を飼い出したところで終わったので、その続きも読みたいです。きっと"ひるね"がいっぱい登場するんだろうな。

    • 傍らに珈琲を。さん
      Sさん、こんにちは!
      穂村さんのエッセイって何でこんなに面白いんでしょう。
      外で読んでるのに思わず顔が笑ってしまう時があって要注意ですっ。
      Sさん、こんにちは!
      穂村さんのエッセイって何でこんなに面白いんでしょう。
      外で読んでるのに思わず顔が笑ってしまう時があって要注意ですっ。
      2024/02/23
    • Sさん
      傍らに珈琲を。さん、こんにちは。
      コメント、ありがとうございます。
      本当に面白かったです。日常のあるあるが書かれてるから、身近に感じれて面白...
      傍らに珈琲を。さん、こんにちは。
      コメント、ありがとうございます。
      本当に面白かったです。日常のあるあるが書かれてるから、身近に感じれて面白いのだと思います。
      実はこの本、傍らに珈琲を。さんのレビューで知り読んでみました。(^^)
      2024/02/23
    • 傍らに珈琲を。さん
      そうだったのですね!
      とっても嬉しいです。
      人から人へと本が繋がってゆくのは嬉しいですね。
      そうだったのですね!
      とっても嬉しいです。
      人から人へと本が繋がってゆくのは嬉しいですね。
      2024/02/23
  • 装丁からポップで楽しい。
    でも表紙のプラが固くて外れてきちゃうんだよね、それがちょっと読みづらかったかな~。
    雰囲気たっぷりだから、まぁいっか。
    丸みを帯びた、ページ数の書体も可愛い。

    やっぱりこの方のお話は面白い。
    短歌は繊細で尖っててイケメン風で"ほむほむ"なんて雰囲気ではないのに、何故にエッセイはへなちょこなのか 笑
    妄想癖のおっとりさん。
    エッセイには可愛らしさも滲み出て、思わず笑ってしまう。
    加減が絶妙だ。
    このギャップが大好き。

    面白かったのは、
    近藤真彦の真似をしていたら近所のおじいさんに「君はアカか?」と話しかけられた話。
    なんかこれ、ツボだった。
    それから、「長生きするお水」をもらった話。
    取り違いってあるよね。

    何気ない一文が楽しくてニヤニヤしたり、何故かセンチメンタルな気分になったり。
    「私の死後、代わりに数えてくれた誰かが「3億円もありますよ」と驚くのが楽しみだ」
    「妻という謎の塊がここにある」
    「さようなら、一度きりの今年の夏よ」
    「「ほら」と云いながら、Yくんはとんどんマヨネーズを絞ってくれた」

    今回は多くのお話がちょっぴり不思議な終わり方で、帯にも"にゅるりと世界も自分も裏返る"とある。
    自分としては、溶けたマーブルアイスの渦がぐにゃりと回転するみたいな、そんなイメージだった。

    それらのなんとな~くぐんにゃりしたお話の数々を、ある意味もっとも不思議な穂村さんの奥様がなごませてくれている。
    チャーミングな女性だなぁと思う。
    可愛らしい。
    そしてご高齢でありながらアクティブなお父様も素敵。
    そう、「蛸足ノート」ではご家族のお話が多いのだ。

    たまにポロリと紹介される短歌もとてもいい。

    ほうじ茶さん
    「覚えたてのひらがなで書いた「好きです」のお返しはガンダムの絵でした」

    東こころさん
    「居場所などない夏休み図書館に行くことだけにささげた素足」

    まるやまさん
    「こんなところまでついて来てくれてありがとう52階で払う猫の毛」

    • まことさん
      傍らに珈琲を。さん、こんばんは♪

      私も今、ちょうど、この本を読み始めたところです。
      赤いバンダナをするところ、私も笑えました。
      短歌と、エ...
      傍らに珈琲を。さん、こんばんは♪

      私も今、ちょうど、この本を読み始めたところです。
      赤いバンダナをするところ、私も笑えました。
      短歌と、エッセイのギャップが、並みじゃないですよね。
      2023/11/25
    • 傍らに珈琲を。さん
      こんばんはー!
      まことさんもお手に取られたんですね♪

      赤いバンダナ。
      真似する時点で残念な感じなのに、「アカか?」で耐えられずに吹き出しま...
      こんばんはー!
      まことさんもお手に取られたんですね♪

      赤いバンダナ。
      真似する時点で残念な感じなのに、「アカか?」で耐えられずに吹き出しました 笑
      このギャップに、やられてしまうんですよね。

      読み終える頃にはきっと、穂村さんの奥様に惚れてしまうと思います。
      ほんのり不思議ちゃんで、可愛らしくて、私はすっかり好きになってしまいました。
      2023/11/25
  • 同じ人に三回告白したことがある。
    『諦めの儀式』を呼んで、まさにこの理論!!と目が覚める大納得だった。いやあ、懐かしいなああの頃!
    ・・・・・・・
    全てが見開き1ページなので、ちょっとしたスキマ時間で読み進められ、忙しい中でも読書を楽しみたい人にはオススメだ。
    "ブームが来た!”と思ったら次のページでもうそのブームは終わっていたのには笑った。
    『二つのやばい記憶』『消えた包丁』『変なおじさんと呼ばれて』その光景を想像して笑ってしまった。
    穂村さんと奥さんのほんわかした生活が思い浮かび、何気ない毎日の中の面白さに触れた感じで楽しい読書時間となった。

  • 読売新聞にて連載中のエッセイ。
    我が家は読売新聞を購読しているので毎週楽しみに読んでいるのですが、本当にこの連載を読むと、なんとも言葉で言い表せない気分になります。
    あの真面目な紙面の中で、突如そこだけパラレルワールドに繋がったような……もう10年以上ほむらさんのエッセイは愛読しておりますが、変わらぬ姿がそこにはあります。

    しかし、「天使」を探していたほむらさんにも、今では立派なパートナーが……!
    ベッドに横になって菓子パンを食べていた頃を思うとなんだか感慨深いです。
    けれどもそこは厄介なファン心理で、あのほむらさんとこんなにも感性ぴったりなお人が実在するなんてどうにも信じられず……(信じたくないともいう)。奥さまが登場するエピソードよりも、ほむらさんお一人でいる時のお話の方が好きだなと思ってしまうのでした。嗚呼こじらせファン。
    なーんて面倒なファン心理は置いておいて、これも外で読むのは危険なことには変わりません。
    「自分は何かの間違いで地球に生まれてきてしまったのかもしれない。遠い故郷の星では、人々は今日もアイスモナカを一口齧っては、大事に冷凍庫にしまっているのだ」(アイスモナカ論争)
    なんて発想、どうしたら思いつくのでしょうか?他にも、思わず吹き出してしまっては夫に不審な目で見られることが度々、でした。

    大学に入学したものの周囲に馴染めず焦りを感じていたあの頃。
    書籍部でたまたまほむらさんのエッセイを見つけて「あぁこの年になってもこんな人がいるならきっと大丈夫だ」、そんな安心感を覚えたあの時から、やっぱりほむらさんはほむらさんのままなのでした。

  • 読売新聞の連載をまとめた1冊。
    ほむらさんの本はどれもこれも本当に装丁がすてきだなぁ、と手に取ってしばし見惚れました。
    1つ1つのエッセイは見開き1ページ、ちょこっとつまみぐいのように読める気軽さが、今の気分にちょうどよかったです。

    ほむらさんのアンテナに引っかかる言葉や、思わずくすっと笑いたくなる言い回しがやっぱり好きです。
    「歴戦の勇士の顔をした軽量スプーン」とか、「長生きするお水」とか。
    子供の頃と今とでは「世界と自分の命との距離感が違う」という表現がすごくしっくりきて、ちょっと寂しくなったりもしたり。
    そして、本書を読み進めるにつれ、ほむらさんの奥様のことがどんどん好きになってしまいます。
    彼女自身がすてきな人なのはもちろんだと思うのだけど、彼女を見つめるほむらさんの眼差しがよくて、ほわほわと尊い気分になるのです。

    ほむらさんが還暦を迎えられたとのことにびっくり。
    おうちに仔猫をお迎えした話題にほっこり。
    これからほむらさんが書くエッセイでは、きっと仔猫のひるねちゃんと奥様とのエピソードが読めるかも…と思うと、楽しみで仕方がありません。

  •  子どもの頃、台風が近づいてくると食材の買い出しに家族で出かけた。
    なぜかその時はスナック菓子をたくさん買い込んだ。私は大好きなポテトチップスを選んだ。
     大人になった今も、台風の時はポテトチップスが食べたい。
     そんな習性が今回わかったのだ。
     いや、仲間が見つかったのだ。
    (P.222 食べてもいい日)

     そんな嬉しい思いをもらえる話、不思議な感覚になる話がたくさんあり、ますます好きになる穂村さんである。

  • お正月に歌人の随筆を読む
    なんて風流なんでしょう。

    ところが実際は面白くて
    笑いながら読みました。
    新春お笑い番組みたい。
    (昨夜はすべて休止されてしまいましたが…)

    このエッセイ読売新聞に連載されていたそうです。
    あ、まだ続いているんですね!
    続編が楽しみ。

    購読したことないんですけど
    読売新聞を、信じてもいいですか?

    読売は今日も上手に稼いでる穂村弘と箱根駅伝 凪紗

全44件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

穂村弘の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×