幸村を討て (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
4.22
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本棚登録 : 1274
感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055157

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞第一作


昌幸、信之、幸村の真田父子と、徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永らの思惑が交錯する大坂の陣――男たちの陰影が鮮やかに照らし出されるミステリアスな戦国万華鏡。


誰も知らない真田幸村

神秘のベールに包まれた武将の謎を、いま最も旬な作家が斬る!


七人の男たちが、口々に叫んだ――幸村を討て!

彼らには、討たなければならないそれぞれの理由が……。

感想・レビュー・書評

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  • 真田幸村を中心にここまで大阪の陣を分厚く扱った作品は過去ないのでは。
    勇猛果敢なイメージの幸村を、ミステリアスな切り口で描く妙はさすが今村 翔吾といえる。
    信長の野望にハマっている自分としては、武将が出てくるたびにステータス確認をしてしまった笑

    • だまし売りNoさん
      大坂の陣で戦った各々の武将が掘り下げられています。
      大坂の陣で戦った各々の武将が掘り下げられています。
      2023/03/11
    • チャオさん
      そうですね、皆がそれぞれの思いや、信念を持っていて魅力的で、熱かったです。
      そうですね、皆がそれぞれの思いや、信念を持っていて魅力的で、熱かったです。
      2023/03/11
  • かなりの大作だったのですがあっと言う間に読み終えてしまいました

    大阪の陣の裏側で仕組まれた真田家の宿願を6人の武将の視点からつまびらかにしていくという構成になっています
    連作短編のような形態も取りつつ終盤に向けてスピード感が上がっていく筆運びは見事としかいいようがありません

    石田三成の人となりを賤ヶ岳の七本槍の視点から描いた傑作『八本目の槍』を読んたときにも感じたんですが今村翔吾さんの描く歴史と相対するときに史実(と言われているもの)とどういう距離感でいればいいのかちょっと悩みますよね

    例えば本作の真田幸村の人物像は史実とはちょっとかけ離れているように思います
    それを本当はそういう人だったんだーと捉えるのかいやこれは今村翔吾さんの創作だよ舞台を借りただけで全く別の人物だよと捉えるのかです
    ちなみに自分は後者で、本作もなるべくこれまでに積み上がった己の中の真田幸村を排除しながら読み進めようとしたのですが…

    まぁ無理ですよねw

    そもそもそんなことをしたら本作が楽しめないし、それだったら真田幸村である必要がないんですよね
    日本人の中にある(ある程度共通してある)真田幸村のイメージを崩すところが物語の面白いところなのに
    本当はこんな企みもあったのかもねってところが面白味なんだよね

    んーでもやっぱり戦国武将好きとしては許せないところがけっこうあるんだよなー
    の割に★5じゃないかって?
    それとこれとは別w(別なんかい!)

  • 緊張感の一冊。

    右も左もわからない物語の戦場にぶち込まれ不安。

    が、やっぱり今村さんは巧い。

    血生臭い時代の武将たちにも熱き血と息を吹き込み丁寧に描き、揺れる心情、幸村との交わり、思惑の交錯を盛り込み、存分にリードし魅了してくれた。

    武力だけでなく知力も物を言う時代、言葉尻一つが己の命運をわける。

    問答一つに対しての瞬時の言葉選びには緊張感と感嘆の吐息。

    終章は特に緊張感溢れる家康と信之の一幕。

    見事な最終戦だ。
    ピンと張り詰めた空気が心離さない。

    思わず、青い空に真田色の赤い絆の線をひとすじ描きたくなる幕閉じに拍手喝采。

  • 直木賞受賞 第一作

    大阪の陣
    勝つ見込みが、一分もない状況で、大阪方に味方するのは、恩顧の為か、それとも、後世に名を残す為か、それとも、手柄を上げ、自己を高く評価させ、徳川方に寝返る為か。

    織田有楽斎・南条元忠・後藤又兵衛・伊達政宗・毛利勝永・そして、徳川家康が、それぞれの思惑で、
    「幸村を討て」と叫ぶ。

    大阪の陣の後、真田昌幸・信之・幸村親子の企みを明らかにしようと、家康と正信は、信之を追い詰めるが、そこは、真田が一枚上手。
    「三度、負けか」と家康が呟く。

    戦国の武と知と思惑が交錯して、壮大な物語となっている。

    奈良県宇陀市にある、後藤又兵衛が、近郷の者に勧められて、枝垂れ桜を手ずから植えた「又兵衛桜」と呼ばれ有名になっている枝垂れ桜に触れているのが、奈良県出身として、ちょっと嬉しい。

  • 「幸村を討て」
    "戦国最後の戦"と呼ばれる戦場で響き渡る漢たちの叫び声。
    様々な感情が交錯する中、死をも覚悟した名だたる武将たちから口々に名を叫ばれ、華々しく散った一人の漢・真田幸村。
    長い乱世が終わりを告げ平穏な世に移り変わろうとも、今尚その名を語り継がれることになろうとは。
    さすがの幸村も予測していなかった…いやそれとも、これも作戦の一つだったということか。
    だとしたらこの戦、幸村の"勝戦"と記憶したい。
    そんなことを思わせる物語。
    今村先生の戦国愛が頁のあちらこちらから溢れ出てくる一冊だった。

    • しずくさん
      本作は読みたい本の一冊にあげています。『じんかん』が印象に残っています。
      先日図書館に予約していた『塞王の楯』が今、手元に入ったばかり。た...
      本作は読みたい本の一冊にあげています。『じんかん』が印象に残っています。
      先日図書館に予約していた『塞王の楯』が今、手元に入ったばかり。たまたま4年前に旅行し、実際の堅固な石垣を見て説明を読んだ時からずっと気になっていたのですが、今村さんに書いてもらい更に驚きました。

      幸村は好きなのでいつか読むつもりです。
      2022/06/09
    • mofuさん
      しずくさん、こんにちは。

      今村先生の作品が好きで、単行本から文庫本まで追いかけています(^.^)
      『じんかん』も良かったですよね〜。
      『塞...
      しずくさん、こんにちは。

      今村先生の作品が好きで、単行本から文庫本まで追いかけています(^.^)
      『じんかん』も良かったですよね〜。
      『塞王の盾』も職人魂に圧倒されました。私も実際の石垣を見てみたいです。
      『幸村を討て』もぜひ読んでみてくださいね。

      コメントをありがとうございました(*^^*)
      2022/06/09
  • 構成の妙。幸村と兄との話を間にはさみながら幸村と関わる男たちを描く。
    家康の真田への怯え、有楽斎に不可解な行動、南条の忍びとの関係、又兵衛の功名心、正宗の男気、勝永の秘めた思いが順番に幸村との関係で描かれ、最後に真田信之と家康・正信の勝負で全てを回収する。順に話を熱く盛り上げていき、最後の真田家と家康との緊張感Max勝負で振返りつつ、終息(回収)する。
    見事な展開。非常に面白かった。

  • いかにせん長い…。
    そして私には何が何だか途中から理解できなくなり、8割強過ぎから飛ばし読み。
    長い…。

    毛利勝永という人物を私は知らなかったが、その人と淀殿との話は切なかった。

    大河ドラマの『真田丸』は観たし、大阪に遊びに行った時にひとり街ランをして茶臼山と真田丸跡周辺と大阪城との距離感を体感したこともあったが、本書を読んでも真田幸村の生涯のことを思い出せない。

  • 【書評】『幸村を討て』今村翔吾著 ゆめゆめご油断召さるな - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/article/20220403-GWJCNNTZXRLX3GOZYLQYFKQYNM/

    ◆真田家の野望、明らかに[評]細谷正充(文芸評論家)
    幸村を討て 今村翔吾著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/175949?rct=shohyo

    歴史は謎、だから楽しい~今村翔吾さん・天野純希さん対談 : オンライン : 入門!デジタル部 : ライフ : ニュース : 読売新聞オンライン
    https://www.yomiuri.co.jp/life/digilife/online/20220318-SYT8T2840571/

    幸村を討て|特設ページ|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/special/yukimura/

    幸村を討て|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2022/03/005515.html

  • 527ページ。面白かった!真田家の歴史と大阪の陣に関わった6人の諸将の物語が同時進行で語られていく。キーワードは「幸村を討て!」。物語は繋がっていて、あーそうだった、と思うことしきり。終わりまで読んで、最初の家康のシーンに戻り、そうだったのか、とあらためて納得。諸大名に仕えていた忍びや、戰の各々の大義名分や、武士の思いやら
    いろんな要素が満載でワクワクしながら2日で読了。ラストの家康と信之の問答のシーン、どうなる⁉︎と目が離せませんでした。大阪の陣の見方が変わりました。真田一族の事もよくわかった気がします。読書って楽しい。

  • 面白かったぁ~
    大好きな作家さんが、大好きな真田を描いたということで読むのを楽しみにしていました。

    今までにない大阪夏の陣。
    同じ時を様々な武将の視点から描かれ、
    そしてその武将達各々がとらえた真田幸村。
    各章の始まりには、幸村の兄、信之が過去を回想し、真田の歴史も垣間見る事ができ、ホントに面白い!
    最後の章も最高です。
    こんなところでも家康と真田の戦いが繰り広げられ、なんて面白いんだろう。
    そして信之の幸村を馳せる姿にホロッときました。

    著者の今村翔吾さんが、小学生の頃に『真田太平記』を読んで小説家になりたいと思ったということが頭をよぎりました。私は真田幸村が一番好きな戦国武将で、真田一族の歴史は大好きなので
    、この事を知ったとき、とてもうれしかったので、「遂に真田がきたか~」と、恐れ多いですが、なんだか感慨深いです。

    私も真田太平記を読みたいな。
    でも、幸村燃え付き症候群になりそうで、まだ読めません(笑)。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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