そこに無い家に呼ばれる (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 391
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053221

作品紹介・あらすじ

もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。


今回、編集者・三間坂の家の蔵から発見されたのは、厳重に封印が施された三つの記録。それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇妙な内容で――。


三津田信三の最凶「幽霊屋敷」怪談、最新作!

感想・レビュー・書評

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  • 気持ち悪さが残る一冊。

    家シリーズ、第三弾。

    今回は厳重に封印が施された三つの記録からいざなわれる恐怖。

    家が見えるとか見えないとか…「家そのものが幽霊」っていうだけで恐怖心に襲われる。

    誰もが当たり前にあって安心して過ごせる場の「家」を見事に正反対の場として描いているから余計に恐怖心が掻き立てられるのだと思う。

    どの記録も恐怖が迫る臨場感はたまらない。

    そして挿入された幕間が更に恐怖心を煽る効果をもたらしていたし、減るという言葉をここまで気持ち悪く感じたのは初めて。

    疑問と恐怖と気持ち悪さのブレンドが心に残る。

  • 三津田先生の大好きな家シリーズの新刊ということで楽しみに読んだ。
    何故夕方の家だと人がぎゅうぎゅうで、深夜だと1人もいないのか…などとけない謎も多く、読み終わっても気になるところの多い小説。
    とにかく自分に災いが降りかかりませんようにと念じながら、本を閉じた。

  • 幽霊屋敷シリーズ3作目。
    編集者の家の蔵から封印された3つの記録が発見された。それらはすべて「家そのものが幽霊」という内容で、読み進めた著者が示す解釈とは‥
    超怖いというわけではないが、最初の記述者が家に魅入られてゆく過程などぞわぞわと不気味だった。
    冒頭の”家そのものが幽霊”の過去作品の解説も面白く、いろいろ読んでみたいと思った。


  • 表紙とタイトルに惹かれて
    予備知識もなく図書館で借り
    いざ読み始めてみて、シリーズ物な上
    本書は3作目だということを初めて知った。

    作中の冒頭にもあった通り
    前作2冊を読んでいなくても困りはしなかったが
    読んでいれば、より楽しめたのかなとは思う。

    「家」の中の、深く気味の悪い描写や
    隠れたり追われたり…の臨場感溢れる描写には
    ハラハラドキドキさせられた。
    ストーリー自体にも面白みはあった。

    が、最後の最後、本当に最後のページで
    一気にチープな作品になってしまった気がする。
    オチというオチがやはり見つからなかったために
    ああいう締めにしたのだろうか…。

  • 今回は、そこそこの面白さ。
    人間の幽霊(?)的なものは出ないくせに、ゾクゾクさせられた〜〜〜
    夜中に読んでて、歯磨き行くのが怖かった笑

    果たして第四弾はあるのか!?

  • 理由のない怪異が一番怖い…。3つの手記が果たして同じところを指しているのか、解決しているようでしていないそんな感じで曖昧に終わるところが、本物っぽいというか。とにかくこのシリーズ、フィクションなのかノンフィクションなのかの気持ち悪い感じが好き。

  • とりあえず何も減ってはいないと思います。
    一番淡々としてる三章がとても怖かったのはなぜなのでしょう?逆に怖いはずの一章、しかも両足をつかまれて…という恐怖も最高潮な場面でウトウトしてしまった私。どれだけ疲れているのか…それとも本能的に読むのを拒否したのか?

  •  前作、前前作と家に関する怪異を書いた幽霊屋敷シリーズだが、今回は「家に潜む怪異」ではなく、「家そのものが怪異」と少し違ったコンセプトの一作。
     家、というか物体の怪異ならそれほど怖くはないのでは、と思ったが、家に惹き込まれていく書き手や、家に付随する「近所の人」の薄気味悪さも相まって怖かった。
     前々作は5編、前作は4編、今作は3編、とどんどん怪談の数が減っていく仕組みとは気づかなかった。また、表紙の仕組みにも。
     このまま続いて最終的には一つの長編になるのだろうか。
     それから、幽霊屋敷シリーズ以外の他作とのミッシングリンクが示されているのは、読者へのサービスかなと面白く読めた。

  • いやいや、こじつけでしょう…理性は流石にそう言っているにも関わらず、逆に何故だか釈然としない不可思議な怖さ。
    やっぱり夏はビールと怪談(?)に限る!

  • 「どこの家にも怖いものはいる」「わざと忌み家を建てて棲む」に続く幽霊屋敷シリーズ第三弾。
    編集者の三間坂の実家の蔵から発見された「家そのものが幽霊」という怪異にまつわる3つの手記を紐解いていく、というストーリー。
    ないはずの家が見える人、あるはずの家が見えない人、精神科医の記録、という3つの手記は面白かったけど、幕間での自著宣伝が激しすぎてちょっと白けてしまった。
    三津田ホイホイの怪異手記をチラつかせて小説を書くように仕向けている三間坂こそが黒幕のような気がしてならないんですが。タイトルだけは考えているという第四弾、第五弾は果たして出版されるのでしょうか。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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