- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120052545
作品紹介・あらすじ
イザベラ・バードの『日本奥地紀行』をはじめとして、外国人による明治日本紀行には興味深いものが多いが、本書(原題は『最近の旅行の想い出――日本』)は数少ないスペイン語で書かれたものであり、コロンビア人が日本について初めて記述したものという意味においても貴重なものである。
19世紀末に刊行された本書は、スペイン語圏の読者に向けて、だれも知らない「日本」という国を紹介するという意図のもと、地理、歴史、宗教などが詳しく、時に誤った知識とともに執筆されている。なかでも、ニコラス来日5年前の明治維新は、コロンビア自体、「解放者」シモン・ボリーバルの活躍によって、その40年ほど前にスペインの植民地から独立したところであり、記述の分量の多さからも、著者が大きな関心をもっていることがわかる。また、「国内旅行」として、2章にわたって、東京から京都へ向かう旅路が描かれているが、中山道をつかっている点で、珍しいものである。
感想・レビュー・書評
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日本史に関する記述が思ったより多く、日本の時代の流れとともに明治期を理解したい方に有益な本。外から見た観点は、中の世界で生きている者に新たな視点をもたらしてくれます
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コロンビアで初めて日本について書いた本の訳です。
明治初期はイザベラ・バードも日本を旅したが、それとはまるっきり違っていて、いろんな人がいるなぁって思います。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/484786493.html -
タイトルに惹かれて読んでみたんだけどこれはかなりインパクトのある内容だった。作者はシモン・ボリバルが解放し独立したばかりの南米コロンビアの初代財務大臣の息子ということで要は富裕層の息子。商人として主に中国を相手に活動していたのだが維新直後(明治5年くらいらしい)の日本に興味を持って日本を旅行してみました、という内容。起点がニューヨークで鉄道でサンフランシスコまで行ってそこから船で横浜に渡って日本国内は東京から中山道で京都まで、京都から大阪に出て汽船で東京に戻る、というルート。紀行文学としての期待で読んだのだけど残念ながらそういうところは殆どなくどこで聞いたのかなんだかところどころ怪しげな日本の歴史についての説明が半分以上を占めている。そして日本についての印象だけどこれが物凄くて、当時の日本と日本人は彼の目には「狡猾で模倣だけは上手く教養と知的好奇心に欠ける民族で家具が殆どない貧相な家で床で直に寝る動物のような暮らしをしていてその音楽は三味線しか楽器がなく調子外れで音痴であり貧相な寺院では境内で縁日などをやるうえに混浴を日常的にする野蛮でどうしようもない国」という風に見えたらしい。百田某とかが読んだら激怒しそうな中身(笑)
褒めてたのは焼物、漆器、女性くらいでほぼ罵詈雑言のオンパレード。正直、自分も不愉快だったのだけど、最近は世界で褒め称えられている日本とか、昔からすばらしかった日本という本が多いように思うけど実は当時の殆どの外国人はこういう風に見ていたのではないかな、と思った。最近の日本がどう見られているのかも遍く確認したらあながちこんな感じなのかも。ちなみに作者が中国相手にやっていた仕事というのがクーリーの買い付けでいわば奴隷商人なわけであとがき読んだら日本で奴隸船を摘発されて罰せられたらしくその辺りの感情も織り込まれているのかもしれない。日本人なら間違いなく不愉快になるのであまりお薦めはしません。 -
幕末・明治初期に東南アジアで活動していたコロンビア商人による日本滞在記。特に、中山道を歩いた記録は貴重である。日本語初訳。