むーさんの自転車

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 73
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049972

作品紹介・あらすじ

長野と高円寺。二つの街で少年・正雄が大きく成長していく"平成版純情商店街"

感想・レビュー・書評

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  • 「高円寺って街は、いろんな土地からやって来た連中の、混沌としたいろんなエネルギーがこんがらがって団子みたいになってんだ。その団子の中でみんな、もがいてもがいて、新しい価値を創造していこうとするエネルギーに溢れてるっていうのが、この街の魅力なんだ」
    高円寺生まれのねじめさんが描く人間模様…
    むーさんのような人、今も街にいるのでしょうか。

  • 人生を生きる
    ということは、
    人との関係を生きる
    ということ。

    人を傷つけて
    人に傷つけられ、

    人を赦して
    人に赦され・・・

    それが
    生きるということ。

    人生は長いようで短い。

    明日の命も知れない。

    それでも、
    だからこそ、

    むーさんのように
    皆に敬愛される人に
    なりたい。

    「たった一晩で
     大人になることもある」
    という台詞と、

    むーさんが
    いまわの際に口にした
    一茶の句
    『えいやつと活た所が秋の暮』

    そっと
    心の隅に留めおきます。

  • 映画化出来そうな風景が浮かぶ。
    要所に一茶の俳句が織り交ぜられ、たいへん興味深い。
    人物のかかわりや場面展開が非常に良く、涙したり、悔やんだり、安堵したり、楽しませていただいた。

  • 一茶の俳句を読んでみようっと。

  • 高円寺で育った正雄。実家が倒産し、米屋のむーさんと移り住んだ長野で、和菓子職人として歩み出すが…。平成版・高円寺純情商店街!

  • 後半はかなりハイペースに飛ばした感でした。
    ラストは主人公が長年恨んだ両親を店に呼んで嫁さんと一緒に写真を取るみたいなラスト予想してたのに。

  • 高円寺で和菓子屋を営む松野屋のひとり息子、高校1年生の正雄は入ったばかりなのに、高校生活が面白くない。そんな時、むーさんに誘われて、銭湯に一緒に行くことになる。松野屋はむーさんから米を仕入れている。むーさんは自転車で米を運んくるおじさんだ。

    正雄がむーさんと親しくなり始めた頃、父が借金を作ったせいで松野屋が人手に渡り、夜逃げすることに。その時、むーさんの提案で正雄はむーさんの長野の実家で、むーさんとむーさんのお母さんと暮らし始めることに。

    終始、長野出身の俳人、小林一茶の句が出てくる。

    登場人物はほぼ全ていい人なので、展開に少し物足りない時もあるが、むーさんに出会ったことで、正雄の人生が拓けていく様子は読んでいて、気持ちいい。

    この本で私は、新しい一茶を発見した。そして改めて誠実に生きていきたいと思った。

  • 初めての「ねじめ正一」作品。
    さてさて・・・。

    TSUTAYA~タリーズ珈琲で。

  • 思った通り、ほっこりした、いい話でした。
    むーさんの自転車は、むーさん自身だったのですね。

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著者プロフィール

ねじめ正一
1948年東京都生まれ。詩人、作家。 
詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞、『商人』(集英社)で舟橋聖一文学賞、『まいごのことり』(佼成出版社)でひろすけ童話賞、『ひゃくえんだま』(鈴木出版)でけんぶち絵本の里大賞びばからす賞を受賞。
主な児童作品に『ぞうさんうんちしょうてんがい』(くもん出版)、『ずんずんばたばたおるすばん』(福音館書店)、『みどりバアバ』(童心社)など多数ある。

「2022年 『たんていベイビー きえたヤギのおばあさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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