- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120048593
感想・レビュー・書評
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教師も一人の人間。
お気に入りの生徒がいれば、苦手な生徒もいる。
生徒皆に対し平等に接するのは難しい。
二人の女性教師と二人の女生徒が時を経て交錯。
それぞれが過去を振り返りながら交流を深めていくさまが、痛々しいけれども潔くてよかった。
中央公論新社さん、こちらは文庫化してください。
ついでに『イギリス海岸ーイーハトーヴ短篇集』もお願いいたします。
作中に登場した高政の笹かまぼこ、ぷちあげたまねぎをまずいただきましたが、とてもおいしかったです。
好きな作品に出てきたものは手に取ってみたくなります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2人の小学校教師と2人の元教え子を中心に、それぞれの視点で物語が綴られる。仙台、東京、甲府と、異なる場所で異なる人生を歩んできた登場人物が、出会ったり、ニアミスしたりと、よく練られた内容で、登場人物の誰にも感情移入しなかったが、それでも面白く読めた。
興味深かったのは、登場人物が使うフェイスブックやツイッターというSNSが多用されていたことか。こういう形で小説内にSNSが使われることは、今後増えこそすれ、減ることはないのだろう。 -
職業柄も、また筆者と同世代で、そして故郷など共通点も多いせいか、共感するところが多く、久々に内省につながる作品でした。
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先生も人間。意識の高い人ばかりではない。それもある程度の年齢になって気付くもの。ただ、自分は先生には向いていないとわかっているのに、男の影を追いながら教師を続ける。その時に子どもを傷つけたことをずっと悔やみ、何年も経ってからその子の元へ謝罪に行くなんて、自分勝手の何物でもない。そんな沙世先生には感情移入なんてできない。
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見る人の視点によって、その人の評価が変わる。罪の意識をずっと持ち続けて20年間を過ごした先生には、これからの人生、幸せに過ごしてほしいと思う。しかし、その20年間にも新たな日常生活は営まれていて、その積み重ねがその人らしさを形づくっていき、今の人柄ができているように思います。
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人物を整理しながら読まないとこんがらがってくる小説でした。みんな辛そうだつたりエキセントリックだったり…
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タイトル的には、2人の先生が出てきて、2人の生徒が出てくる。それぞれの一人称が交互に書かれて物語が進むのだが、タイトルが意味不明なくらいに回想と現実、誰が誰?と読み進めると、あ、これは回想シーンかってわかるが、また急に現実に戻ったり、その間の行間もないので非常に読みづらく、だらだらと進む。
で、結局だれの何を強調したかったのかもわからないし、4人がそれぞれどうなのかもよくわからない、どうしたいのかもわからない。
図書館で人気作家コーナーに置かれていたので借りてみたが
いまいちだった。
総評して物語的には悪くなかったが構成が酷すぎた作品。 -
誰の何を描きたいのかが全然わからなかった。タイトルに「まっぷたつ」とあるけれども、登場人物がみんなごちゃごちゃしていて、むしろもう少しハッキリしてくれ、という感じ。
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うーむ。
先生と生徒の当時と現在と震災。
視点が変わるのがわかりづらかったし、
先生にただの人感が出過ぎてていまいち。
よい子が実は腹黒かったり、賢い子が先生ウケがよかったり、小中学生の先生は大変だと思うけど、
自分が子どもだった頃、大好きな先生はいなかった。
親になって、子どもの先生に感じいい人はいたけど、わが子がどう思っていたかは謎。 -
仕事上のキャラクターとプライベートの乖離に苦しむ人っているだろうと思ってた。それが聖職と呼ばれる職種ならなおさら。