火桜が根 - 幕末女志士 多勢子

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046513

作品紹介・あらすじ

国の夜明けをたぐり寄せた女。勤皇のため、信州の伊那谷から単身上京した松尾多勢子。宮中に接近する一方、岩倉具視に直談判、久坂玄瑞に慕われつつ天狗党を助けた天衣無縫の女傑!書き下ろし歴史長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 風雲急を告げる幕末。勤王のため、信州の伊那谷から単身上京した松尾多勢子。10人の子持ちの母親ながら、穏やかな余生よりも信念を抱いて嵐のなかに乗り出すことを選んだ52歳の老婆は宮中に接近する一方、岩倉具視に直談判、久坂玄瑞に慕われ、また、沢山の若き勤王の志士の力となり金銭面でも私財をなげうってまで志士たちを助けた天衣無縫の女志士。心に響き生涯忘れられない本の一冊でしょう。本好きの方は是非読んでみてください。

  • なかなか硬派な幕末人物伝。
    NHKラジオの青春アドベンチャーで聞いたこの作家のハプスブルクの宝剣が面白かったので図書館で借りようと思ってたまたま開架にあった本書を読んでみた。
    少々分量が多く、読み通すのに力がいるかもしれない。
    それにしても日本の幕末は奥深い。信州伊奈にこのような女傑がいたとは、全く知らなかった。こうした志士の尽力の上に現在の日本の姿があるのかと思うとなにか身が引き締まる思いがする。
    また、こうした志士の尽力の後に続くものとして現在の日本の姿があるのかと思うと、これでよかったのかとも思ってしまう。
    一度、旅行で飯田に行ったことがあるが、行く前に読んでおけばよかった。

  • 帝の手に政を取り戻す。
    勤皇精神に生きた女性を描く。
    主人公が、田舎の年配の女性で驚く。
    しかし、彼女だからこそできる戦い方を見つけ、幕末の混乱期を生き抜く姿は、痛快。
    平田派や長州側を読むのは珍しく、いろいろ新鮮。
    血なまぐさい歩みの中、多勢子と若き志士の信頼関係がすがすがしい。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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