露探: 日露戦争期のメディアと国民意識

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038563

作品紹介・あらすじ

日露戦争当時、敵国ロシアの工作員=「露探」とレッテルを貼られた人々がいた。ひとたび「露探」と名指しされたら、どれほど弁解しても疑いを晴らすことは難しく、議員辞職に追い込まれたり、スパイ容疑で逮捕されたり、場合によっては殺害されたことすらある。そこには、メディアも大きな「役割」を果たしていた-。当時の新聞などから「露探」の全体像を明らかにし、「非国民」が作られていく過程をたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 『文献渉猟2007』より。

  • 「日本人セントリズム:国民的性情やわが国民の固有性を全く疑いのないものとして持ち出してくる思考様式」
    一方に「軍神」他方に「露探」をおくことで国民としての自らの意識の中に「国民」と非「国民」を分ける分割線を容易に引くことが出来るようになった、という指摘は重要。

  • 日露戦争時に新聞などで使われていた露探という言葉に着目した本
    露探は簡単に言えばロシアからのスパイ
    独探や日探等も使われたが今は死語になっているのではないか

    自分は勉強できず歴史も詳しくないので難しいことはわからないが
    宗教の関係や露探と疑われた人達についても書かれており考えるところがあった
    個人的に函館の部分が気になった、ベレンコ繋がりで反応したんだけど(・∀・)

    以下引用
    近時小生を指して露探なりと吹聴するものあり、

    この文章にとても感じるものがあった
    露探疑惑に晒された人達についてはもっと調べてみたいのでいずれまた読む

  • とかくこの世は住みにくいってほんと…

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著者プロフィール

1947年福岡県生まれ。毎日新聞社で学芸部長、編集委員、論説副委員長などを歴任。現在、法政大学社会学部教授(日本近現代史/ジャーナリズム論)。主著に『文明開化と民衆 近代日本精神史断章』(新評論)『スキャンダルの明治 国民を作るためのレッスン』(筑摩書房)『大衆新聞と国民国家 人気投票・慈善・スキャンダル』『むかし〔都立高校〕があった』(共に平凡社)など。

「2004年 『賞味期間一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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