私の大事な場所

  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120036156

作品紹介・あらすじ

ヨーロッパに憧れていたニューヨークの少年。日本と出会ってから60年が過ぎた。変わらないものへの愛情あふれる自伝的エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 2021年1月期の展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00216102

  • キーン氏の過去のエッセイを集めた本です。京都、パリ、ウィーン、北京、スペイン、ポーランドなどを旅行したときのエッセイなど。安部公房、永井道雄、嶋中鵬二、司馬遼太郎への追悼文。そしてメトを中心にオペラを追っかけた頃を中心としてキャスリン・フェリア、マリア・カラス、ドミンゴへの賛辞。など、いずれも素晴らしい短文です。今年2月に出版されたものですが、この20数年の講演・文章の集大成とでもいうべき珠玉の本です。著者がスペイン内乱によりスペイン語を断念したことが、日本語との縁になったとは運命を感じます。キーンは京都、サイデンステッカーが東京下町に住んだという違いも面白いですね。

  • 日本人より日本人らしいといわれているキートン氏。日本のどこをそのように深く愛して下さるのか?そんな疑問をこの自伝風エッセイの中に隠されていると感じる。著者はニューヨークで生まれ、その後スペイン・ロンドンへ渡ったりした経験などから、より一層日本の良さを感じられたのではないか。例えば自身が希望していた京都に留学がかなったときの鴨川を初めて見た件は、鴨川をセーヌ川、揚子江と比較している辺りにおいても、世界を見てきた著者ならではの感覚として非常に面白い。本書は、キーン氏の魅力を感じながら日本人である私たちが、日本の文化や良さについて再発見できる一冊である。

  • 面白かったです。

  • 帰化の話題を知って読んでみた。
    戦前戦中戦後の話が載っているので非常に面白く感じた。
    数々の有名文学者の話が出てくるのだが、その中でも永井荷風の話が一番面白い。

    日本人は他人を自宅に呼ぶ時「散らかってますが」というけど、永井荷風だけは本当に汚くて、部屋で腰を下ろすと埃が舞うほどだったという。
    荷風がやってくるとズボンのボタンは外れてるわ前歯はないわで小汚い爺さんそのものだったとも。
    しかし、彼の口から出てくる日本語の美しさはそれはそれは素晴らしかったそうで、部屋の汚さを忘れるほどだという。

    思わず永井荷風の作品を読みたくなるエピソードでした。

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著者プロフィール

1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学名誉教授。日本文学研究者、文芸評論家。2011年3月の東日本大震災後に日本永住・日本国籍取得を決意し、翌年3月に日本国籍を取得。主な著書に『百代の過客』『日本文学の歴史』(全十八巻)『明治天皇』『正岡子規』『ドナルド・キーン著作集』(全十五巻)など。また、古典の『徒然草』や『奥の細道』、近松門左衛門から現代作家の三島由紀夫や安部公房などの著作まで英訳書も多数。

「2014年 『日本の俳句はなぜ世界文学なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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