神様

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120028366

作品紹介・あらすじ

四季おりおりに現われる不思議な「生き物」たちとのうららでせつない9の物語。第1回パスカル短篇文学新人賞受賞のデビュー作、待望の単行本収録。

感想・レビュー・書評

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  • くま、梨の三匹、コスミスミコ、えび男くん。
    どれもいいなあ。好きだなあ。
    「草上の昼食」がいっとう切ない。
    読むのは2回目。2011版が気になる。

  • 2002年4月10日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    短篇集。表題作『神様』で川上女史はデビューを果たした。
    「神様」はマンションの隣に住む「クマ」と女性の交流を描いた
    不思議かつ心温まる話。「森のくまさん」現代版かな。
    「クマ」は確かに擬人化されているんだけど、
    本質は間違いなく「クマ」であるという設定が面白い。
    「クマ」以外にも、人魚、河童、妖精と不思議な話が多い中、
    私はこの中では「花野」が特に好きだなぁと思う。
    「花野」は幽霊の話、叔父さんの幽霊。
    なんとなく『センセイの鞄』にも通じるような、
    この人の「もののあはれ」が滲み出ている味わい深い作品である。

  • 表題作、クマと出会う話。面白い。

  • 人ならざるものと関わりを描いた短編集。
    『神様』『草の上の昼食』のクマとの関わりが好きだ。

    <収録作品>
    神様/夏休み/花野/河童玉/クリスマス/星の光は昔の光/春立つ/離さない/草上の昼食

  • 2015年7月15日読了。

  • 2冊目の川上弘美作品。
    前回の「センセイの鞄」とは趣の違う、ちょっと不思議なお話。

    くまと散歩したり、河童に出合ったり、人魚を飼った?り。

    夢かうつつか、その狭間の出来事のような、でも、確実に現実でもあるようで、違和感なく読み進みました。

    柔らかな言葉でつづられているためか、ずっと穏やかな気持ちでいられます。

    こちらの心持ち次第では、素直に読めなかったかも、とも思い、今の私には、ちょうど良かったと、いい本に出合えたと思っているところです。

  • こういう不思議な雰囲気のお話が好きです。ひとりでぼんやりしたいときに、ゆっくり読むのにいいです。

    河童玉の、丁寧な物腰なのに結構動物的な河童たちがおかしくて面白かったなあ。

  • 奇妙でありながらどこか素朴で、他愛ない世界……こういうタイプの小説は大好きだ。おかしなことに一つ一つ首をかしげることなく、そのまま受けとめると、何だか自分がとてもおおらかな人間に見えてくる。こんなふうに目の前のものをありのまま許容できれば、どんなに幸せだろう。でもそれは一時の夢と同じだと頭の中でわかっているせいか、読後には溶けていくように記憶から薄れていく。読んでしまうと内容は何も残らないけれど、それでいいのだと思えてくるから不思議だ。

  • 一言でいえば、なんだか切ない。
    自分と相手との境目がごちゃごちゃになっちゃう世界観だからなのか、不思議な生き物の気持ちも自分のもののように感じられてしまう。

    そんな不思議にであったことなんてないのに、そういう感じあるよね。みたいに心の琴線に触れてしまう。。女の子だからかなあ。

    おちる、丸められる、ずれるなどの表現がおもしろく、効果的に使われていた。ここらへんもっと考えてみたい。

  • 夢の中のような、ふわふわっとして心地よい、フシギな存在たち。
    川上弘美さんの本は、寝る前に読みたい、わたし。
    目が冴えちゃって眠れない夜とか、午后の昼寝の前に少し、とか。
    いつも、このまま眠りに落ちたゆけたら幸せだなあ、と思う。
    くまと、コスミスミコが出てくるお話が好き。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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