海の都の物語: ヴェネツィア共和国の一千年

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120009709

感想・レビュー・書評

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  • 前橋ブックフェスで手に入れた1冊
    これと出会うために参加したんだろうなと思える本だった

  • ヴェネツィア1,000年の歴史 組織的運営=リーダー育成
    塩野七生氏は国家運営論の権威 下手な政治・経営者を✕
    歴史に残るリーダーを好むと同時に俗人的ではないマネジメントを高く評価する
    一昨年2020年生のヴェネツィアを体験できたので、本書の価値がよりリアルになった。観光の重要性。
    コンスタンティーノーブルの攻防=トルコ帝国との覇権争い
    レパントの海戦がピークで、他の文庫三部作と併せ読むと良い
    またジェノバとの競争も、結局は組織マネジメントの優越に帰したのは、物事は長期的・戦略的ということ

  • ゴンドラ!海の都!として有名なヴェネツィア。しかしそんなステレオタイプで語っていい街でしょうか?ヴェネツィアが誕生した経緯、そしてヴェネツィアという街が持っている「性格」をローマ人の物語で有名な塩野七生が書き上げます。
    (生命工学科 B4)

  • 「続」も含めて、すばらしい本だった。

    学校の世界史では、イタリアの都市国家のことは習わなかった思うが、都市国家ベネチアを取り巻く、地中海の交易、十字軍、ベネチアにとっての宿敵トルコのことなど、たいへん勉強になった。

    国家の継続、繁栄がいかにたいへんなことか、改めて、考えさせられた。

    今、日本は独立し、国民は自由であるが、それがたまたま、そうなったのではなく、過去の日本人が連綿と積み重ねた歴史の結果として、現在の独立と自由が存在するのである。

    将来の日本人にも、独立と自由を引き継ぐために、今何をなさなければならないか、よく考える必要がある。

  • 塩野七生が描く、ヴェネツィア共和国の歴史。
    通常、運河の多さから「水の都」と呼ばれるヴェネツィアは、実は「海の都」だった。
    帝国や王国、公国などの君主国だらけの中世ヨーロッパ史において、ただ一つ異彩を放ち続けた「ヴェネツィア共和国」。
    ヴェネツィアの誕生、海洋への進出、第四次十字軍によるラテン帝国建国、商人たちの経済活動、政治の仕組み、ジェノヴァとの戦いの歴史、そして少数ながらも歴史に影響を及ぼした女性たち。
    特に商人たちの経済活動に主眼を置き、ヴェネツィア誕生と生存の歴史を描く。
    政治の仕組みでは、いわゆる「イタリアの都市貴族」なるものの実態が詳述され、国家存続のための不断の努力が「東地中海の女王」となる過程が描かれています。
    ライバルのジェノヴァとの戦いも、両国の性格の違いが面白いです(^O^)

    ただし、中国を「支那」と呼ぶのはまぁ著者の年代からして仕方ないにしても、今や一般用語である中華鍋まで「支那鍋」と呼ぶとは、よほどこだわりが徹底してますねw

    ニン、トン♪

  • 趣味と仕事を一致させるきっかけになった、僕の記念碑的書物!

  • ローマ人の物語にとりかかる前に、手始めにと思って読み始めたが、なかなか手強い。ローマ帝国末期の452年にフン族に追われてラグーン(潟)に逃げ込んだことから始まり、アドリア海の掌握、十字軍との関わり、共和制の確率、ジェノバとの最終戦であるキアッジの戦いと、トリノの講和まで。続があるのか。
    ベネチア賞賛の内容にちょっと辟易する部分もあるが、それは仕方ないだろう。これはベネチアの歴史であり、全くの公正な立場では歴史は語れないだろうから。そこに日本の現状打破へのヒントを求めることもできるのだろうが、むしろ内ゲバで自滅したジェノバに見えてくるから情けない。
    バブル前の1980年に書かれた本だが、違和感がない。当時の日本情勢等に引きずられない立ち位置から書かれてからだろうか。

  • ●構成
    第一話 ヴェネツィア誕生
    第二話 海へ!
    第三話 第四次十字軍
    第四話 ヴェニスの商人
    第五話 政治の技術
    第六話 ライヴァル、ジェノヴァ
    第七話 ヴェネツィアの女
    --
     アドリア海の最深部に位置するヴェネツィア。現在でも中世の町並みの中、運河が縦横無尽に走り、ゆったりとゴンドラで遊覧するといった観光のイメージがある。しかし、観光が主要産業となるのは、近代以降であろう。それ以前のヴェネツィアは、商人の国であった。
     本書および本書の続巻は、ヴェネツィア共和国の誕生から隆盛を経て衰亡までの一千年の歴史を活写する。本書は歴史学の本ではなく、史実をしっかり描きながらあくまで小説の文体で記されている。
     ヴェネツィアは、もともと干潟であった場所を人工的に整備し、その出発点から水上都市であった。努力と工夫によって都市を建設し、国を形作った。ヴェネツィア共和国の特徴は、交易商人としてほぼ特化された国民たち、相互監視の上に成り立つ徹底して個人の専制が不可能に組織された政治機構、中世国家としては稀な国民に共同体意識生じせしめた国家経営、地中海世界に広く進出した戦略眼、などなど枚挙に暇がない。しかし、いずれにせよ当時の地中海諸国の大多数とはまったく性格が異なり、少ない海洋国家の中でも特異な位置を占めるのである。
     本巻では、ヴェネツィア共和国の建国から隆盛までの時期を描く。著者の筆勢にぐいぐい引き込まれてしまう、読んでいると時を忘れてしまいそうな本である。著者の作品に触れていない方、歴史小説のお好きな方にお勧めの一冊である。
    --
    【図書館】

  • 地中海の覇者としてその名を轟かせたヴェネツィア共和国。
    その背景には通商における、華麗とも思わせるほどの知恵と攻防があった。

  • 2009/1/26

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