自衛隊最高幹部が語る令和の国防 (新潮新書)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106109010

作品紹介・あらすじ

現状変更を続ける中国を封じ込めよ! 台湾有事は現実の懸念であり、尖閣や沖縄も戦場になるかも知れない――。陸海空の自衛隊から「平成の名将」が集結、軍人の常識で語り尽くした「今そこにある危機」。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の安全保障の現状を元自衛隊のトップの方々が語り合う形式。

    現状への危機感や課題点が浮き彫りになり、不安になることも多くあったが、まずは国民一人一人が正当な危機感を持って、日々の生活にアンテナを立てながら、情報収集をしていかなければいけないと感じる。

    安全保障面は不勉強な点が多いので、今後知識を獲得していきたいと思う良書。

  • 2023/03/02 amazon 812円

  • 現状認識や周辺事態の予測などは様々な方面で語られているので、特に目新しいと言うことはないが、陸海空の元将官が集まって議論する、このシチュエーションが活きているのが5章だろう。
    この章は読み応えが有ったと言える。

    しかし、自衛隊にここまでの問題意識をお持ちであれば、現役時代にもう少しでも状況改善していただけていれば、といつもながら残念におもう。

  • 台湾、朝鮮半島の有事は対岸の火事などではないし、米軍基地をいくつも抱えた日本は大きなダメージを受けるだろう。これまでは戦後の新憲法と冷戦という対岸の煙のおかげで殆ど何もしてこなくても問題にならなかった。しかしながら現時点では中国、北朝鮮の軍事行動がますます活発化し、日本に居る米軍がターゲットになることを考えると、ヤバいと思わなければいけない。ロシアのウクライナ侵攻でフィンランドやスウェーデンはNATO加盟に舵を切ったが、日本も周りが問題児ばかりなんだから、この議論を活発化させないといけない。兼原信克氏の別の本「歴史の教訓」も読んでみたい。

  • 兼原さんが一流の軍人と見る自衛隊OB陸海空からそれぞれ1名と諸々のテーマについて議論。
    コロナ禍で明らかになった後方支援体制の脆弱さ、防衛装備工業会は飽くまで任意団体で統制する力はないこと、米台共同作戦は日米ですら常々共同でやっても不具合出るのだから相当難しい、朝鮮有事では船がそんなにないので北からの難民はせいぜい数千人程度ではないかという推測、核抑止の複雑さが高まっているのに核戦略の専門家がいない自衛隊、防衛装備庁は想定したメリットより欠点が目立っている等々。
    政軍関係についての議論や自分達が幕僚長として創設に関わった防衛装備庁の問題など彼らだから話せる内容は面白かった。防衛大綱の改正や統合司令官の創設はその方向で話が進んでいて、こういった人たちが意見を公にしていくことが改革への推力になるのだろうな。

  • ●すでに中国の経済規模は日本の3倍、米国の7割を超えた。もはや米国の周りに団結する以外、日本を始めとする西側諸国が中国と対峙するすべはない。
    ●コロナウイルスが安全保障上のゲームチェンジャーになる。
    ●政治が必要と認めるならば、国際法によって禁止された兵器であっても、使う可能性を否定できない。ならず者政権はいざとなったら条約なんて気にしません。

  • 日本の軍事の基礎教養

  • 令和にもなって昭和を引きづっている政治とマスコミ・大衆。

    少なくとも現場レベルでは議論の種は腐るほどあるなと感じたし、危機感も強いなと素直に思った。

  • 著者のひとり兼原信克氏の話をラジオで聴き、興味を持ち本書を手に取った。日本の安全保障の状況がよくわかる内容だった。

    陸海空の元自衛隊の最高幹部と元内閣官房副長官補の4人での座談会という形で本書はまとめられている。令和3(2021)年4月に発行されているので、ロシアのウクライナ侵攻の1年前の話である。危機はすでにはじまっていたのだと思い知らされる。北朝鮮中国そしてロシアの核保有国に接する日本はもっとも危険な場所に位置する。

    安全保障にかかわるトップクラスの地位にいた人が必要と感じてきた法整備や予算確保さえ進まないことに不安が募った。
    最後の「日本の安全保障に対する10の提言」に希望を持ちたいと思う。

  • 国家のそしてそれを成り立たせる戦略の必要性を認識した。また、科学技術の遅れを急いで取り戻さないといけないと強く感じた。

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著者プロフィール

1957 年生まれ。元陸将、陸上幕僚長。防衛大学校(電気工学)を卒業後、79年に陸上自衛隊に入隊。戦車部隊勤務などを経て、米陸軍指揮幕僚大学(カンザス州)にて学ぶ。第71戦車連隊長、陸上幕僚監部人事部長、第7師団長、統合幕僚副長、北部方面総監などを経て2013年に第34代陸上幕僚長に就任。2016年に退官。著書に『中国、日本侵攻のリアル』(飛鳥新社)、共著に『君たち、中国に勝てるのか 自衛隊最高幹部が語る日米同盟VS.中国』(産経新聞出版)、『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』(新潮新書)など。

「2023年 『中国を封じ込めよ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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