「あの世」と「この世」のあいだ ――たましいのふるさとを探して (新潮新書)

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  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107948

作品紹介・あらすじ

霊魂・神々・幽冥界……日本の“境界”をゆく。合理主義と科学の呪縛をはなれ、琉球弧の島々から北海道まで、その土地と人と自然の中にある神々や死者を想い、古代から現代へと連なるたましいの水脈を探す。

感想・レビュー・書評

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  • 『「あの世」と「この世」のあいだ ――たましいのふるさとを探して』(新潮社) - 著者:谷川 ゆに - 養老 孟司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS(2019/01/21)
    https://allreviews.jp/review/2844

    【書評】『「あの世」と「この世」のあいだ たましいのふるさとを探して』 - 産経ニュース(2019/2/3)
    https://www.sankei.com/article/20190203-GFK4CXKXGNJORL6FB4F7JAT7WY/

    [空想書店]「あわい」に佇む物語の力…11月の店主は谷川ゆにさんです : 読売新聞(2021/11/19)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/column/20211116-OYT8T50003/

    谷川ゆに 『「あの世」と「この世」のあいだ―たましいのふるさとを探して―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/610794/

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    かな(kukuchain)さんの本棚から

  • 死生に、日本各地の今昔の神や霊魂の自在という
    とても興味深い内容だった。
    平田篤胤 幽冥界
    沖縄 魂 
    遠野 山神 愛宕神社
    武蔵国 生まれ変わり
    境界紀行 あの世とこの世
    古代から人びとは、自然の一部として霊的なものとの繋がりの中で生きてきた。
    身体的古層、野性

  • 幽霊とか、霊界とかいうおどろおどろしいものでなく、地方には、自然と生きている人、死者、魂が混然として、存在しているという事。
    近代的な文明に埋没し、キリスト教的側面を持つ愛という言葉に踊らされている僕達は、忘れているのかもしれない。

  • 本人が、おそらく題材を消化しきれていないと思うが、その考えている過程を見せる本かもしれない。

  •  著者の谷川ゆにさんは、早稲田で文学博士を取得し、現在は学習院女子大、東海大学、相模女子大で講師を務めているようだ。1972年生まれというから、今年、47歳になるというあたりか。47歳で講師というと「なんでなんだろう?」と思うが、苦労されている方なのだと推察する。谷川さんの伯父さんが民俗学者の谷川健一さんのようだ。東大文学部を卒業した後、平凡社で編集者をしながら、民俗学、日本文学を在野の立場から研究した。本著でも谷川健一さんの話しが出てくるが、このつながりが、現在の谷川ゆにさんの在り方に大きな影響を与えていると思う。谷川健一さんは、千夜千冊でも取り上げられている。(千夜千冊1322夜『常世論』谷川健一)
     谷川ゆにさんは、平田篤胤が研究テーマらしい。著者の言葉を借りれば、平田篤胤の思想の特徴は、「幽冥界」という死後の世界を構想したところにある。一般的に「あの世」はずっと遠くにあるイメージだが、「幽冥界」は、いま私たちが生きているこの空間に隣接し、同時に存在している。よって、亡くなった人たちは、こちらからは見えないけども、すぐそばでこちらを見守っていると考えるそうだ。そういえば、平田篤胤の書が自宅にあると言っていた上司の家は、昔から続く三重県津市にある家なので、こんなところにも国学者としての平田篤胤の影響が及んでいたのだろうか。尊王攘夷運動にも大きな影響を与えたというから、思想のエネルギーは大きいと思う。
     谷川さんの民俗学に臨む姿勢がうかがえる一文がある。
    >「あるか、ないか」「信じるか、信じないか」という切り込み方自体が、ある種の
    >近代性を孕んでおり、そのように問いを立てた時点で本質からかえって離れるよう
    >な感じがするのであるが、ともあれ、「ない」では生きづらい、しかし近代合理主
    >義を経てしまった今、「ある」とは容易に言えない、この悩ましき地点にいま私た
    >ちが立っているのは間違いない。
    我々の歴史は、世界をどう分けてきたかの歴史と言ってもいい。とりわけ近代合理主義は、説明が出来ないものを分けてしまい、説明できる部分を突き詰めて生活の豊かさを得た。しかし、残された説明が出来ないものに対して、我々がどう対峙するのか。そこに谷川さんも悩んでいるのだが、資本主義、合理主義に息苦しさを感じる一つの取り組みは、ここに戻ることだろうと思う。

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