「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書 567)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105678

作品紹介・あらすじ

誰もが「当事者」となりうる時代の必読書。五百人ものストーキング加害者と向き合い、カウンセリングなどを行ってきた著者が、彼らの思考と行動パターン、実践的対応を多くの事例とともに解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 小早川朋子 『「ストーカー」は何を考えているか』

    一応、わし#ストーカー じゃありませんからw

    ストーカーの深層心理、行動パターン、ストーカー度チェック、ストーカーされた時の対処法等々。

    ストーカーされている人は是非w

    ストーカーしている人も是非w

    2014年読破

  • 男性が8割は偏りすぎだと思う。著者の言う通り通報されないから表に出ないだけでストーカーに性差はさほどないように思う。

    ストーカーは精神的な病態に陥っている。病態は病気ではなく神経症であり精神病ではない。

    精神病では1+1=3だと言い切り
    神経症では1+1=2であることに不安

    というのは興味深いと思った。

    あるエピソードで「俺を怒らせないでくださいね」と言っていたのが印象深い。
    俺が怒るではなくお前が怒らせる。という人のせいにする考え方はモラハラな人間にも通ずるところがある。こんな考えの人がカウンセリングを通して人を支援したいと思えるまで変われるのがすごいと思った

  • ストーカーをするひと、されていたひと、それぞれの心理を知る事ができた。
    命に関わる最悪の事態になる事があるんだと改めて認識した。
    やはり人は、ある意味、怖い。
    理性や良識があるようで、所詮、動物。
    本能で動く時もあるんだ。
    感情が最優先される時が多々あるんだ。

    人と安易に出会わないようにする。
    まずいと気づいたら早めに物理的に距離をとる。
    まずはここから。

  • ■男性ストーカーが女性のプライベートな空間を攻撃することが多いのに対して,女性ストーカーは男性の公的な場面を狙う。
    ■お金と愛は別物というように金銭の話が出てきたら解決は早いともいえる。
    ■第一信号系とは防御,接触,生殖という次世代を作るための本能行動と適応行動をつかさどる。
    ・本能を満たす行動の結果,生理的報酬を得る
    ・これが繰り返し行動を成立させる
    ・「本能行動」が過度に作動すると過度な「防御」反応としてPTSD,パニック,反応性抑鬱,自傷行為,放火が現れる
    ・過度な「摂食」反応では過食,病的な賭博や窃盗などが現れる
    ・過度な「生殖」反応は露出,痴漢,強姦となって現れる
    ・「適応行動」が過度に作動すると,アルコール,ニコチン,覚せい剤などの物質摂取が現れる
    ■第二信号系とは思考の場であり他の動物にはない。
    ■思考もまた生理的報酬を作ることができる。
    ・何か目標を立ててやり遂げたときは最後に生理的報酬が生じ,その行動が反復されやすい
    ・つまり頑張り屋さんは次も頑張る
    ・悪い現象としては強迫症状
    ・こうしたメカニズムが「依存症」の正体
    ■ヒトが第二信号系の中枢,思考の場を持つこと自体に問題の根があるといえる。

  • ちょうど今日の朝日新聞の『フロントランナー』に彼女のことが書かれています。

    最低限、自分がストーカーにならないようにしないと。
    「まさか」と言われるかもしれませんが、読んでいて自分にあてはまることもあったし、著者の小早川さんですら「ふられた彼氏に執拗につきまとった」経験があるそう。

    彼女が今この仕事を続けられるのは、幼少期ひどいイジメにあい、助けてもらいたかったし、「ひとの人生を崩すことは絶対に許さない」という思いが芽生えたこと。そして「生まれてこなきゃよかった」と思っていたので、生きていて役に立っていることが嬉しい。新聞にはそう書かれています。コンプレックスがバネになっているんですね。

    ストーカー被害者のかたに、なるべく早いうちに彼女のところに相談に行ってほしいのはもちろんです。

    でも加害者も。…と言われても意識はないでしょう。
    もし一方的に別れを告げられて、相手のことで頭いっぱいになって苦しんでいる人がいたら、この本を読んでほしいです。

    この言葉を私に⇓

    「多くのコンプレックスは過去と結びついていますが、それを気にしつづける心理は、今は自転車に乗れるのに、友だちよりその時期が遅かったのを恥じ続けているようなものです。過去は過去として現在から去ってもらうか、大事に棚上げしておいて時々覗く程度にしないと、人は前に進めないのです。」

  • 自らのストーカー被害の経験からストーカー被害を削減するためカウンセラーとして活動している人の書かれた本。
    生々しい話が多いので、被害に遭われている人は生きた心地がしないんだろうなと感じた。危険度の評価の線引きの難しさなど、よくわかった。被害者にも非があるようなエピソードもあるので、建前の話だけではないのでリアリティを感じます。

  • 人間別れ方が大事という事を教えてくれる書。
    警察も介入できない暗黒さがある。

  • ストーカーという最近できた問題に開拓者的に対処しているNPO「ヒューマニティ」理事長による解説

    ストーカーの思考は、世間一般常識を逸脱していて、そして私個人の思考ともかけ離れていて、話の予測ができないため、非常に読み難く感じた。
    カウンセリング、精神医療、警察、支援団体、法律などの社会的な仕組みや問題が勉強になる。

  • 最低にして最高の道

                 高村光太郎

      もうよさう。
      ちひさな利慾とちひさな不平と、
      ちひさなぐちとちひさな怒りと、
      さういふうるさいけちなものは、
      あゝ、きれいにもうよさう。
      わたくしごとのいざこざに
      みにくい皺(しわ)を縱によせて
      この世を地獄(ぢごく)に住むのはよさう。
      こそこそと裏から裏へ
      うす汚い企みをやるのはよさう。
      この世の拔け驅けはもうよさう。
      さういふことはともかく忘れて、
      みんなといつしよに大きく生きよう。
      見かけもかけ値もない裸(はだか)のこゝろで
      らくらくと、のびのびと、
      あの空を仰いでわれらは生きよう。
      泣くも笑ふもみんなといつしよに、
      最低にして最高の道を行かう。

  • 東2法経図・6F指定:368.6A/Ko12s/Ishii

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