無力MURIKI (新潮新書 514)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105142

作品紹介・あらすじ

自力でも、他力でもない、「第三の道」とは――。混迷する世界と下降してゆく日本で、私たちはいかなる姿勢で生きていけばいいのか。様々な事象を歴史の流れの中でとらえ直し、人間観の最終到達地を示す全十一章。

感想・レビュー・書評

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  • 末世に荒野を目指す
    自力や他力だけではない
    四季のように人の価値観も移りゆく
    それを楽しみ、苦しみながら歳を重ねていければいい

  • ムリキと読むタイトルの意味が本書でわかる。
    自力でも他力でもなく、無力とは的を得た表現だと思う。そもそも人間は白黒ハッキリ出来ないことが多いのに、白黒つけたい人が多過ぎる。

  • 五木寛之さんの「無力(むりき)」(2013.4)、宗教的色彩もあり、五木さんの本にしては難しかったです。自力でもなく他力でもなく無力、「?」です(^-^) ただ、読んでて考えることは多々ありました! 自力か他力か、人間か自然か、心か体か、生か死か、意識か無意識か・・・。そして琴線に触れる文も~。人間は重力という他力によって立っていられる。重力がなければ、猛烈なスピードで自転する地球の表面からあっという間に宇宙へ吹っ飛ばされてしまう。本当に不思議なことだと思います!

  • 私は新書に関しては、読み終わるたびに真面目に書評を書くようにしているが、これは何と書けばよいか。
    何というか、おじいちゃんのいい話を聞き終わったような、読了後の今の気分です。
    しかし、おじいちゃんのいい話を聞く機会が、現代人にはないのである。

    実際、祖父はもう鬼籍に入り、いい話を聞いたのもハナタレだったガキの頃である。

    いや、これは貴重な読書体験なのだ。
    だって、今の自分の年齢ではこんな境地には至らない。

  • うーん「どれ読んでも同じ」感がものすごい。

  • 五木寛之による、他力でも自力でもない無力(むりき)を説いた一冊。

    実際、自力でできることは限られるし、運などの他力に左右されることも多いので、非常に参考になった。

  • 2015年2月27日読了。

  • 純粋他力が阿弥陀仏に帰依するという反自然的な行為の中で生まれてくるとするなら、自然法爾とは、すでに自力にも他力にもとらわれていない境地。これが無力(MURIKI)との事。宗教的説明としてはこれがイチバンしっくりくるというか、結局はここに到達するのかな?という気はする。
    開祖の死んだ年齢から、キリスト教(30代、青春)、イスラム教(60代、中年~壮年)、仏教(80代、老年)と分類するのは興味深い。

  • 自力とも他力とも違う、無力(むりき)という考え方について語っている本でした。
    人は常に揺れ動く存在だという主張は理解できましたが、結局無力とは何なのか最後までよくわかりませんでした。(^^;
    本の内容もあちこちフラフラと揺れていますし、著者自身が無力という考え方を完全に整理しきれていない気がしました。

  • 絆に幻想を抱かない。無力(りき)というのは、無力(りょく)の状態を認識して、揺れ続ける動的な生き方を肯定し、そのなかで何かを目指そうとする、前向きで自在な姿勢。前向きなのがポイント。201408

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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