気骨の判決: 東條英機と闘った裁判官 (新潮新書 275)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102752

作品紹介・あらすじ

吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官-。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。

感想・レビュー・書評

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  • 心が洗われる
    感動のノンフィクション!
    内容(「BOOK」データベースより)
    吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官―。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。

  • 貧しい家に生まれ、裁判所の丁稚小僧から、努力して、大審院判事になった吉田裁判官の人生を概略しつつ、大東亜戦争末期の大政翼賛無効選挙無効判決について描いた本

  • 吉田久さん。尊敬すべき中大法学部の大先輩。
    戦時下にもかかわらず、司法の独立を守った信念と勇気には感動せざるを得ません。こういう人物に少しでも近づきたい。

  • マイミクさんの一押しということで読んでみた一冊。
    海外出張の機内で読了。

    時の首相東条英機が推し進めた翼賛選挙に対して、その
    選挙結果は無効だとの判決を下した吉田久裁判官の話。
    この本のタイトルにある「気骨」という言葉の意味をあらためて
    かみしめた。まさにこの言葉は吉田裁判官のような人のために
    あるんではないか、と思わされた。
    (ただ、「東条英機と闘った裁判官」というサブタイトルは、
    "営業的"すぎ。)

    いちばん印象に残ったのは、「正義とは何か」と問われた際に
    吉田が返した言葉…「正義とは、倒れているおばあさんがいれば、
    背負って病院に連れて行ってあげるようなことだ。」
    言えそうで言えない言葉だ。


    残されている史料が極めて少ない中、著者はよく取材して、
    うまくまとめている。単行本にするほどの史料や情報はない一方、
    文庫にしてしまうと薄くて軽く見られてしまう。
    新書という形態にしたのは大正解。

  • 全力でおススメ

  • タイトルが、作品全体を見事に
    象徴している。

    読んでいて、現代では考えられないような、ひどい選挙妨害がなされていたことに驚きました。歴史を知ることは、やはり大切なことだと思いました。そして、命がけで裁判官としての職責を全うした吉田久という人物の生き方を知って、かっこいいなと思いました。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00196914

  • 戦時中にこのような法律家がいたのかという驚き。素朴だが力強い正義感。文言と趣旨に照らした法律解釈。そして徹底した事実認定。法律家としてはどれも当たり前のことだけど、全てが超一級。そして、丹念な取材に基づきこれを著した著者も素晴らしい。僕も地道にがんばろ。

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著者プロフィール

NHK解説委員

「2018年 『家庭裁判所物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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