成瀬巳喜男 映画の面影 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037603

作品紹介・あらすじ

貧しくも健気な昭和。美しくも儚い女優たち。人生に寄り添ってくれる映画がここにある。戦前の松竹では「小津は二人いらない」と言われ、戦後の東宝では名作を連打しながら、黒澤作品の添え物も撮った寡黙な名匠・成瀬。「浮雲」の高峰秀子、「めし」の原節子、「流れる」の山田五十鈴、「鰯雲」の淡島千景、「おかあさん」の香川京子……なぜ彼の撮った女優はかくも美しく、懐かしいのか? 映画と昭和を刻む感動的評論。

感想・レビュー・書評

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  • 山下書店新宿西口店にて。

  • じっくりと鑑賞した作品は「浮雲」と「鰯雲」くらいだが、地味で泥臭い人間劇でありながら女優の存在感が印象に残っている。生々しいお金の話、どこか頼りない男たち、力強く生きる未亡人、そして子供に向ける温かいまなざし。監督作の共通点や描かれる市井の人々の憎めない姿が丹念に紹介され、作品すべてを観たくなる。

  • 高峰秀子本で、当時の映画・監督さんに興味を持ち始め、いくつか見ました。作品から現代とは全く違った生活様式を見ることができて面白い。そんな作品の監督をしている成瀬氏を本で読みたかった。当時生きていなかった私には目新しい情報はあったものの、段々後半に行くに従って、情報がお腹いっぱいになってしまいました。
    それより何より、登場した映画を観たい!

  • 良い本。成瀬巳喜男という映画監督は知らなかったが、是非とも作品を観賞してみたくなった。

    “成瀬は真正面から戦争を描く映画は作らなかったが、「お母さん」といい「浮雲」といい「乱れる」といい、どこかに戦争の影が落ちている。自分たちは戦争に生き残った。国は敗れた。自分の暮しの背後には、無数の死者がいる。その思いがあるから、成瀬映画に慎ましさがあるのではないか。”

  • 大瀧詠一つながりで、読む。

  • 著者の成瀬びいきがよく分かる。「秋立ちぬ」を観てみたい。

  • 浮雲を見ようとしていたら発見。
    運がいいらしい。

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著者プロフィール

川本 三郎(かわもと・さぶろう):1944年東京生まれ。「週刊朝日」「朝日ジャーナル」記者を経て、評論活動に入る。訳書にカポーティ『夜の樹』『叶えられた祈り』、著書に『映画の木漏れ日』『ひとり遊びぞ我はまされる』などがある。

「2024年 『ザ・ロード アメリカ放浪記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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