- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037474
作品紹介・あらすじ
壮大なるほら吹きにして、南米の生んだ稀代の語り部――果たしてその「正体」は? 生まれ育ったカリブ海の日常生活に潜む底抜けなユーモアのセンスを手がかりに、ラテンアメリカ文学の魅力を『ドン・キホーテ』のスペイン語文学、さらにはコロンブスの“冒険心”まで溯って縦横無尽に解読。数々のマルケス作品を翻訳した著者が、ありきたりの作家論・作品論にとどまらず、世界的文豪の発想力の原点を解き明かす。
感想・レビュー・書評
-
ラテン文学翻訳の第一人者木村榮一氏による、G.ガルシア=マルケスの人となりを主軸にした解説本。
これまであまり知られていなかったマルケスの、作家として成功するまでの苦労話や、強い影響をおよぼしてきた母国の政治情勢、個々の作品が生まれた背景等、貴重な裏話が満載されている。
訳出文と違い、今イチ“のれない”文ではあるが……。
言及箇所はうろ覚えだが、膝を叩いてしまったのが外国(キリスト教圏)文学と日本文学の違いについて述べているくだり。
“神”の存在の有無による創造性の違い……ですよねー(マルケスに関係なくなってるw)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「百年の孤独」で有名なガルシア=マルケスの生涯、作品の紹介とラテンアメリカ文学、歴史を含めて論じたエッセイ。ガルシア=マルケスはノーベル文学賞を授与された作家で、ラテンアメリカの人々を描いた作品は、緻密でオリジナリティーがあり大変人気がある。
若い頃から苦難の連続だったが、チャンスを捉える能力もあった。 コロンビアは、政治の堕落が激しくて、日本人の感覚では耐えられないような世界だ。著者は、明治維新の頃の日本を例えながら、ガルシアマルケスの置かれた状況を説明する。 彼が生み出した作品群の執筆経緯、時代背景、物語のモチーフとなった事件など様々な考察がされていて、この本を読むとガルシア=マルケスの作品を読んでみたくなる。 ただ大変面白かったけれど、経緯の説明に同じ文章が何度も出てきたり、少々文章が長すぎて読みにくいところもあった。それでもガルシア=マルケスの入門書としては恰好の一冊だと思う。
ちなみに「百年の孤独」を買って読もうとしたことがある。 多くの人物が登場して、途中で人物関係がよくわからなくなって挫折した。 ガルシア=マルケスの他の小説でも、とにかく人物が多く描かれているらしい。 名前も日本人には覚えにくい感じもする。 ラテンアメリカの小説が話題になりにくいのは、文化の違いなども含めてそういう抵抗感があるからかも。 -
文学