新・幸福論 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 125
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037382

作品紹介・あらすじ

日本はなぜ「幸せでも不幸でもない社会」となってしまったのか? 政治、経済、思想――近現代の先進諸国は、常に「目標」に向かって突き進んできた。到達すれば、幸福な社会が待っている、と。が、たどり着いたのは、手ごたえのない、充足感の薄い成熟社会だった。18世紀のヨーロッパ、明治維新後の日本まで遡り、近現代の構造と宿命を解き明かし、歴史の転換を見据える大胆な論考。

感想・レビュー・書評

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  • 内山節さんの本は、その時俺が知りたかったことが、まんま書いてあるのです。
    あっ、この本読んでみようと思って読むと「おぉ~!そうだったのか~」ということに毎回なるのが不思議だ。
    自然との関わり、社会との関わりによって人間存在を考えるすすめ。人間存在を個人に還元してしまった西洋文明の行き詰まりが指摘されていた。塞いでいた胸がパッと開かれた気分。
    ブックオフでふと目が止まり購入。一気に読みました。
    おすすめ。

    Mahalo

  • すべてが遠くなっている感覚・・自分事でなくなっている感覚。それはわかる気がする。普段食べている食べ物も、誰から・どこから来ているか知らないし、家もどこから来たものなのかわからない。目の前にあるけど、その先が見えないものに囲まれて。社会のシステムも、その先のつながりがわからない、ただ搾取されるだけ・・。
    そうやって、すべての関係が希薄に、遠くなっていく。
    日々の生活に追われて、コミュニティに所属・コミットする余裕もなく。
    自分にとっての幸福とはなにかと考えて、そのコミュニティを大事に生きていきたいと思う。

  • 関係に主題を置いているのがすごく圏論っぽい

  • 20150125 すごく大切な事が書かれていると思うが理解するのに時間がかかりそう。少し時間を置いて再読してみたい。

  • 内山節『新・幸福論』読了。政治や社会、あるいは経済、その他もろもろ大事であるはずのものごとが「遠くへ逃げて」いく。近現代がもたらしたこの状況を「人々」的な匿名的な在り方ではなく、「自立した個人」という幻想でもなく、「われわれ」的な互いが結びつく関係性のなかに見出す姿勢は共感するところ大きい。ロマン主義を近現代の成立期に「群衆化」「大衆化」する社会に期待を寄せながらも挫折した人たちの思想と捉える視点は見事。こういう本を読んでいると、今の自分の在り方に甚だ疑問を抱かざるをえないし、誤りに気づきながらもそこに安住しようとする自分に絶望せざるをえない。

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著者プロフィール

内山 節:1950年、東京生まれ。哲学者。1970年代から東京と群馬県上野村を往復して暮らす。NPO法人・森づくりフォーラム代表理事。『かがり火』編集長。東北農家の会、九州農家の会などで講師を務める。立教大学大学院教授、東京大学講師などを歴任。

「2021年 『BIOCITY ビオシティ 88号 ガイアの危機と生命圏(BIO)デザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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