- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037115
作品紹介・あらすじ
地球の水はいつかなくなるのか?節水はすべて善いことなのか?植樹で洪水・渇水が防げるのか?外資が水源林を買うことはいけないのか?水供給の運営は民より官がいいのか?水資源をめぐって日本も戦争に巻き込まれるのか?-巷間にあふれる水に関する誤解や思い込みを、水研究の第一人者が正す。これだけは知っておきたい"水に流せない話"。
感想・レビュー・書評
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はえー、ウォーターフットプリントのあたりとか勉強になった。
社基の先生なのね、都市環境かと思ってた -
SDGs|目標6 安全な水とトイレを世界中に|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/58748 -
開発目標6:安全な水とトイレを世界中に
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■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000943962
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水文学の啓蒙書。濃厚。
【書誌情報+内容紹介】
著者:沖 大幹[おき・たいかん] 水文学。
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 334
ISBN 978-4-10-603711-5
C-CODE 0351
ジャンル 地球科学・エコロジー
定価 1,620円
[担当編集者のひとこと]
「魔が差した」1冊
この本を、少し違う角度から読んでみると、理系大学教授の日常が垣間見えてくる。
大学の先生は、頻繁に海外出張をしているらしいが、いったい国際会議やシンポジウムで何をやっているのか? とか、学部の授業の他に研究室の指導教授として、学生たちに何をどう指導しているのか、などだ。
著者の沖さんは、日本に「バーチャルウォーター(仮想水)」という概念を初めて紹介した学者として知られている。研究室の学生たちとディスカッションしながら、実際、どのくらいの量の仮想水が、どこの国から輸入されているのかを、卒業論文のテーマにしたらどうかと勧めたりする。たとえば、食用の牛肉1頭分について、牛のエサとなる牧草を育てるのに必要な水などの量が「仮想水」というわけだ。ある学生は、牛丼屋でバイトをしている友達から牛肉や玉ネギの重さを聞き出したりして、地道な作業で空白だった数字を埋めていった。さらに「理系女子」と形容された大学院生の一人は、牛などの家畜が生まれてから屠畜されるまでどんな餌をどれくらい消費するのかを積算するという気の遠くなるような作業を続け、修士論文を書いていった。
そうした研究結果は、英語の論文として科学誌などに掲載されたり、国際会議で発表されたりして、海外の科学者たちの研究心に火をつけていく。そうして、各国がお互い触発されながらさらに研究は高みへ進んでいくわけだ。
ある時、ストックホルムでの会議で、バーチャルウォーターの提唱者であるアラン教授と会い、こうした日本の研究に大いに関心を示されたことがうれしかったと、沖さんは正直に書いている。
沖さんは今では世界の「水文学」研究者のメインメンバーの一人となっているが、こうした人が、未だ単著を書いていないことがとても不思議だった。その理由は、「あとがき」にも書いてあるが、やはり「研究第一」の毎日で、書籍の原稿を書く時間あるくらいなら、学生たちと飲みながら(この場合、もちろんお酒)、テーマに関してディスカッションする方が、有意義で楽しいのだそうだ。その意味では、著者にとって「魔が差した」1冊といえるのだろう。
「今、僕の脳みそにあるすべてです」と著者が言い切るほど、中身の濃い一冊となっている。 (2016/04/27)
〈http://www.shinchosha.co.jp/sp/book/603711/〉
【目次】
目次 [003-005]
まえがき [009-017]
第1章 水惑星の文明 019
乾燥地にあった四大文明/地球は水の惑星なのか?/地球の水はどこにあるのか?/水の惑星でなぜ水が足りなくなるのか?/循環する水資源は無限か?/高い水、安い水/いったいどのくらいの飲み水が必要なのか?/健康で文化的な生活に必要な水――生活用水/生産のための水――工業用水/食料のための水――農業用水/水と光合成
第2章 水、食料、エネルギー 083
世界の水危機/水ストレスとは何か?/仮想水貿易とは/仮想水貿易は世界を救うのか?/仮想水貿易の推計と日本/工業製品を作る水は輸出超過ではないのか?/空気の次は水に課金される時代に?/水と食料とエネルギーのネクサス
第3章 日本の水と文化 141
日本は水に恵まれた国か?/日本と世界の豪雨/日本は地震国か洪水国か?/日本には国際河川がないから水をめぐる争いはないのか?/日本は大量の水の輸入国か?/日本はダム大国か? ダムは諸悪の根源なのか?/水は誰のものか?/日本の水需給のこれまでとこれから
第4章 水循環の理[ことわり] 191
木を植えると山の水源が保全されるのか?/洪水はなぜ起こるのか?/洪水と水害/洪水被害を軽減するには?/100年に一度の洪水とは
第5章 水危機の虚実 230
地球の水は枯渇するのか?/瓶詰水輸入の功罪/水マネジメントの民営化と水紛争/地下水の枯渇/なぜ気候変動問題なのか?
第6章 水問題の解決へ向けて 274
人工降雨――現代の雨乞い/雨水利用――水の地産地消/海水淡水化は万能か/水をきれいにするのは水を造ること/節水/統合的水資源管理とは/水をめぐる世界の政府の対応/水ビジネスは世界を救うのか/水問題解決へ向けて市民として何ができるのか?
あとがき(2012年5月末、今年も雨季を迎えたタイ・バンコックにて。 著者) [309-312]
参考文献、図表出典 [312-328]
略語一覧 [330-331]
索引 [i-iii] -
水文学という水に関する幅広い学問。人文社会科学にまつわる話を中心にわかりやすく説明、学者としての経験に基づいた話も面白い。
水は安いが上にローカルな資源。輸送費がそのままコストの大きな増大になる。水の問題は飲用でなく洗うためで、生きるか死ぬかだけでなく文化的で健康的な生活が送れるかどうか。水へのアクセスがないのはインフラの問題。水問題が国家間の戦争に繋がったことはなく、融和等に繋がる場合の方が多い。食料の輸入はその生産に必要な水「輸入しているようなものなので仮想水貿易VWTと呼ばれる。人口が今後指数関数的に増えることはない。外国資本に山林を買い占められることは別に水源を奪われるといったことではない。現在の人口降雨技術では雲がないと降らせられない。 -
講演を拝聴しました。講演はとっても面白くためになったのですが…。
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水